NHKニュース7、いつも英語で見ています。
貧困JKうららちゃんの報道でネットが炎上。各ネットメディアが追いかける中、ビジネスジャーナル紙が、取材したと言っていたのに、実は取材していませんでしたと謝罪しました。
「当該記事は外部の契約記者が執筆したものであり、NHKに取材をして回答を入手したと記述しておりましたが、実際には回答を入手しておらず、当編集部も確認を怠った責任があります。」
とあり、これによってナイーブなTwitterの皆さんが、
「書いたライターの名前を晒せ!」
「書いたライターに損害賠償請求せよ!」
「ビジネスジャーナルはとんでもない!」
と、生真面目な反応を見せています。
でもですね、ビジネスジャーナルって、サイゾーですよ。
サイゾーですよ、サイゾー。
最初からホントのことなんて書いてないというか、取材を本当にしていたのであれば、そちらのほうが驚くぐらいのメディアです。
私が個人的に体験から思うだけなんですけれど、そもそも、この「外部の契約記者」は実在するんかいなと。そして、取材せよと指示を出しているのかいと。
ライターとしていろいろなメディアと付きあわせて頂いているのですが、ライターが編集部の意向を無視して勝手に執筆できるメディアなんてありません。メディアにはポリシーがあって、中には「取材無しでバンバン煽って」という指示を出してくるメディアもあります。
私は今まで、お金を稼ぐことに必死でしたから、単価さえ合えば、そういう捏造系メディアとも仕事してきました。煽れ、と言われたら、煽るしかありません。
つまり、捏造も、そういう指示が出ていたのではないかと。取材をしてほしいと言ってくるメディアは、ちゃんと取材の手順を教えてくれます。そしてメディア名を名乗って、相手に迷惑をかけないように、Win-Winの形になるように、編集部が取材の手ほどきをしてくれるのですね。なので、捏造なんて普通はしないというか、できない。取材したほうが早いから。
まあその、サイゾーですから、謝罪も果たして誠意があるものなのかというのは、微妙な受け取り方をしておいた方がいいのではないでしょうか。
ネットのリテラシーとして、こうった捏造系メディアというのは、非常に裏側がディープだということを知っておいたほうがいいと思います。捏造、バッシング、煽り、釣り、それらによって、PVを稼いで収入にするのが彼らのビジネスモデルです。中には、ひとつの会社が、左翼系のメディアと右翼系のメディアを2つ持ち、左右から煽りに煽って、広告費ガポガポというところもあります。
そして、捏造系メディアは、裁判されずにPVになりさえすればなんでもいいので、ゲラゲラ笑いながらデマを流していると思います。今回の謝罪も、「いやあ、盛り上がったね」ぐらいのタフさがあるのではないでしょうか?
まともなメディアは、Yahoo!トップを狙おうとします。Yahoo!トップに掲載されて、PVが流入するのがまっとうなビジネスモデルです。そういうメディアは、企画も取材も丁寧で、じっくり取り組むことができます。
でも、捏造系メディアは、とにかくPVになればいいのですから、頭をフル回転させて、裁判を巧妙にかわしつつ、デマ上等のポリシーでネットを賑わわせています。
私は以前、月間2億PVの捏造系芸能ニュースメディアの内部資料を見せてもらったことがあります。そこには、芸能事務所との裁判、ジャニーズの写真を使って訴えられない方法、などなど、巧妙に作戦が立てられていて、迫力満点でした。
普通の女の人が3人で運営しているんですけれど、ざっとみたところ月600万ぐらいは広告収入がありそうな感じでした。なので、払いも良かったです。
捏造系メディアといっても、世の中に善のメディアと悪のメディアがあるのではなく、限りなくホワイトに近い誠実系メディアと、とにかくデタラメ書かせるおバカ系ブラックメディアと、内容は真面目だけれどタイトルだけ煽って読んでもらおうというグレーなメディアもあります。
前々からこのブログで書いてきましたが、大切なのは、誰が運営しているか、誰が書いているか、ではないでしょうか。記事の内容というのは、同じネタを同じライターが書いても、編集部の方針によって、全然違うものに仕上がります。大切なのは、編集部がどのように機能して、指示を出しているか、そういった面を紙面から読み取ることではないでしょうか。それがリテラシーではないかと。
ちなみに、デマバイラルでお馴染みのNetgeekでは、ライターの給与は、Facebookのシェア数かいいね!で決まります。つまり拡散されればされるほど、給与になります。あそこは基本給がなく、デマでもなんでもいいので、拡散されればされるほど給与になる歩合制なのは、ネットリテラシーとして知っておいた方がいいかもしれません。Netgeekの中の人と話したこともありますが、あまりやる気にみなぎっているというタイプではありませんでした。
こういうデマ系の捏造メディアは、お金の払いがいいのが特徴です。単価がいいので、やってるライターも多いのではないでしょうか。私は普通の単価で普通のメディアで書ければそれでいいです。
ネットの世界は、ウソまみれ。でもウソがあるからこそたまにある真実が光る。ウソも楽しんでいただければ。ぜひ、ネットリテラシーを高めて、ネットを楽しんでもらえればと思います。