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韓国ロッテ会長の逮捕状請求 月内にも裁判所判断
背任や横領容疑

2016/9/26 11:55
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 【ソウル=加藤宏一】韓国のソウル中央地検は26日、背任や横領の疑惑で捜査してきた韓国ロッテグループのトップ、辛東彬(シン・ドンビン、重光昭夫)会長の逮捕状を裁判所に請求した。裁判所は逮捕の是非を月内にも判断する見通しで、捜査は最終局面を迎える。昭夫氏が逮捕されればロッテグループの経営に大きな影響を与えそうだ。

 韓国ロッテは26日、昭夫氏の逮捕状の請求について「残念に思う。令状審査の過程で誠実に説明し、裁判所の賢明な判断を待ちたい」とした。裁判所は近く逮捕状請求を巡る審査を始める。月内には逮捕の是非が決まる見通しだ。

 昭夫氏はロッテ創業者の辛格浩(シン・ギョクホ、重光武雄)氏の次男で、海外企業のM&A(合併・買収)の過程でグループ会社に損失を負わせたり、ロッテ建設などの裏金づくりに関与したりした疑惑が持たれている。検察はロッテグループの一斉捜査に着手した6月から、300人余りの関係者に事情を聴取してきた。20日には18時間にわたって昭夫氏を聴取したが、昭夫氏は一連の疑惑を否定した。

 韓国では検察が逮捕状を請求しても裁判所が不要と判断すれば却下される場合も多い。検察は6月の捜査開始以来、ロッテ関係者8人の逮捕状を請求したが、うち5人は裁判所に却下された。ただ、検察が逮捕状を請求したことで、昭夫氏を起訴する意志は固いとみられる。

 ロッテの創業家を巡っては武雄氏が内縁関係にある女性や娘にグループ株を不法に贈与したとして脱税の疑い、武雄氏の長男の辛東主(シン・ドンジュ、重光宏之)氏には韓国のグループ会社から不法に報酬を得たとして横領の疑いが持たれている。聯合ニュースによると、検察は武雄氏や宏之氏も在宅起訴に踏み切る方針だとしている。

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