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ITリーダーとして押さえておきたいデジタルトレンドとして「デジタル倫理を意識する」「デジタルメッシュを採用する」「データを消費し価値を得る」「マエストロになる」の4つを前回までで説明しました。今回はこれらデジタルトレンドに付随して考えるべきデザイン思考と成功のためのアプローチ、そしてデジタルトレンドのまとめを説明します。
デジタルの文脈で直面している課題には、単一ソリューションで端的に解決することが難しいものがあります。むしろ、何が問題で、具体的な前提が何であるかも把握しきれない、厄介な問題が見受けられます。厄介な問題を整理し、解決するためにデザイン思考を取り入れる方法があります。
デザインというときれいなビジュアルを提供すること、人間工学や行動原理を踏まえた顧客体験やユーザ体験を提供すること、といった印象を持っているかもしれません。もちろん間違いではないのですが、突き詰めていくと、デザインとは問題解決そのものを意味します。問題を解決するためのプロセスとしては、問題を定義するために前提を置かずにアイデアを発散させ、総合的に分析した結果から最適な結果に収束させるという手順をたどります。
つまり、デザイン思考により、多くの解決策を探り、思い込みかもしれない前提を見直し、総合的に見た最適解を導くことができます。また、デザイン思考は反復的な側面もあり、一度導いた解が、新たな可能性につながる起点になることもあります。
デジタルの話に戻しますと、デザイン思考によりユーザー体験やユーザーインターフェース(UI)、そしてデザインにおける根本的な変化につながる可能性があります。つまり昨今利用される画面と対話するタイプのUIから、より知覚的なUIへと移行していく可能性も秘めています。移行後の世界では、キーボードやマウスを操作したり、画面をタップしたりすることが事実上の標準というわけではなくなっています。その代わりに、ジェスチャーや触覚、音声認識、視線認識といった人と機械の間の知覚的なやり取りに焦点をあてています。
結果として、ユーザー体験を洗練させ、生産性向上を顧客と従業員との両方で実現できます。当然ながら、デザイン思考であっても人を中心に考えなくてはいけませんし、現実世界でそのテクノロジがどのように使われているかにも基づいていなくてはなりません。前述のとおり、デザイン思考は反復的な側面があるので、各段階における観察や検証を通して進化し、変化していくべきものです。そして、人やモノ、アルゴリズム、その他関連するものすべてを相互作用するように接続する状態を指す「デジタルメッシュ」を通して、より包括的な体験を結果に取り込んでいく必要があります。
この潮流はすでに始まっていて、例えばBMWのジェスチャーコントロールでは、ドライバーは決まった手の動作でいくつかの機能を利用することができます。もう一つの事例が、アバナードがCoop Italiaとともに開発したSupermarket of the Future (未来型スーパーマーケット) です。スマートな陳列棚やインタラクティブな食品ディスプレイといったデジタルサービスはジェスチャーで操作され、消費者とやり取りします。これにより、食材の生産から流通の詳細や健康的な食事のお勧めなどの情報を提供できます。
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