あなたは、喪主または喪主に準じる立場で葬儀をだしたことがありますか。
葬儀をいくつか経験し、事前に知っておけばよかった・・・と思うことはたくさんあります。
そこで今回、葬儀を行う前に確認しておきたい9つのポイントを、義理父を亡くされた方の体験談を基にご紹介。
何かあった時のためにしっかり押さえておきましょう。
1.葬儀社を決める

【画像】https://dot.asahi.com/aera/2016081200126.html
大切な人を亡くして悲しみにいっぱいの時に、すぐに手を打たなくてはならないのが葬儀社の手配です。
葬儀社に火葬場の予約をしてもらってからでないと、葬儀の日程が決められません。日程と場所が決まってから、親戚や故人の友人に連絡することになります。
義父の葬儀の手配は、義父が亡くなってからのスタートでした。一番にしなくてならない葬儀社の手配から、我が家はつまずいてしまいました。
私たち家族は信仰を持っていて、その信仰と関連している葬儀社に依頼することが家族間の暗黙の了解になっていたのです。
どの葬儀社に依頼しても、宗派に合わせて執り行ってくれるのですが、信仰と関連のある葬儀社と異なり、スムーズではない点があります。
義父の入院していた病院が、ある葬儀社と提携していたのでした。義母の記憶があいまいなのですが、看護師さんとの会話で「葬儀社と連絡しておきますね。」との会話があったのでしょう。
取り乱していた義母が、承諾した形になっていたに違いありません。病院から連絡を受けて葬儀屋さんが訪ねてきた時に初めて、ここに頼むつもりはなかった事に気がつきました。
慣習があるらしく、一旦相談にのってもらったら他の業者には変えられないことを初めて知りました。
まだ亡くなっていないうちから葬儀関係の話をするのは不謹慎のようですが、病院に「もしもの時は、決めている葬儀屋さんがある」と言っておくのは、とても大切なことです。
「病院で亡くなられた場合、皆様の医師と関係なく葬儀社がよばれてしまうことが実際にあります。その際は、「決めているところがあります」と、はっきり意思表示をしましょう。
「搬送だけなら病院にお任せしても良いかな」と感じても確認が必要です。
病院に出入りしている葬儀社は、白衣を着ていることがあります。
話をしていた相手が実は葬儀社だったという事例が多くあり、依頼すると余計な費用がかかってしまうこともありますのでご注意ください。
葬儀社選びの失敗を先に披露してしまいましたが、最初に決めるべきことは、どんな形式で葬儀を行うかです。
義父が亡くなった時は、一般的な葬儀が主流で「家族葬」というものがあることすら知りませんでした。家族葬の他にもいろいろな葬儀があるのでご紹介します。
1-1葬儀の種類
① 一般葬
多くの人が行っているのが一般葬です。
家族や親せき、故人の友人や近所の方が、通夜・告別式に参列して故人を送ります。
② 家族葬
一般的な葬儀を、遺族や身内だけで執り行うことを言います。
③ 密葬
親しい間柄(近親者)の方のみで行う、小規模な葬儀です。
後に本葬が営まれる場合もあります。
④ 直葬
通夜や告別式をせずに火葬のみで済ませる葬送法です。
僧侶を招き、火葬炉の前で簡単なお別れの儀式をする場合もあります。
⑤ 一日葬
通夜法要をしないで、一日で火葬まで終わらせる葬儀です。
最近この一日葬を選ぶ方が増えてきて、自宅で営まれることが多いようです。
⑥ 友人葬
僧侶を招かず、親族や友人などで行う葬儀の事です。
⑦ 音楽葬
故人が好きだった楽曲を生で演奏したりCDなどを流したりして執り行うものです。今までの形式にとらわれない 自由葬のひとつです。
その他、社葬や合同葬、国葬などもあります。
祖母が亡くなった時は直葬でした。
祖母が高齢で兄弟も他界している、遠方の親戚とはつきあっていないことから直葬を選びました。かかった費用は、約30万円でした。
故人の交友関係や社会的な立場、喪主の社会的な立場によって選ぶ葬儀が違ってくるのは言うまでもありません。
参列者が多いと予想されるのに家族葬にして、後日自宅に多くの人が押し寄せてくるようでは、葬儀がおわっても心身ともに休むことができません。
親戚の例ですが、故人はまだ若いのに急死してしまい、悲しみのあまり心の整理がつきませんでした。
小さな会場で一般葬をしめやかに行うことになりました。
ところが、連絡もごく一部に留めたのに、故人と故人の子供達の交友関係が広かったのでたくさんの参列者があったのです。
葬祭場の駐車場も足りなくて大変でした。葬儀の形式と斎場を決めるのに、参列者がどのくらいになるか(数を予想するのは難しいのですが)も考慮しなくてはならないポイントです。
私たちは、信仰をもっているので依頼する葬儀社は、数社しかありません。義父の時には、不満の方が多い葬儀社でしたので、葬儀社の選び方をここで紹介します。
1-2.葬儀社の選び方
葬儀社には、
①自社で斎場を持っていて、自社の斎場のみで葬儀を行う
②自社の斎場だけでなく、公営斎場・民間斎場・自社斎場も利用する
③斎場の所有がなく、公営斎場・民間斎場・自社斎場を利用する
の3つに分類されます。①の業者だと、割高になることが多いようです。
さて葬儀社を選ぶポイントですが、
- 電話のかけ方・訪問時の身だしなみとあいさつ、言葉使いがきちんとしている
- 明確な見積もりをだしてくれる
- パンフレットなどを用いて、わかりやすく説明をしてくれる
- かかる費用について、おおまかではなく具体的に説明してくれる
(葬儀一式には何が含まれるのかをきちんと説明してくれる)
- 最初にこちらの要望を聞いてくれる
- 迷っている時にせかさない
- 低価格の葬儀(低価格な祭壇など)を選んでも、態度が変わらない
見積もりに関しては、その日の提示だけでなく作り直して再訪問してもらうこともできます。
葬儀までに時間があるなら他の葬儀社に来てもらい合い見積もりを依頼してもいいでしょう。
通夜や告別式の時の飲食代が、追加で請求されることが一番多いと聞いています。
何人で見積もって計算しているかチェックしましょう。飲み物は、一人1,000円位を目安に計算してみてください。
見積書の合計金額だけで判断しては、あとあと困ることになってしまいます。
義父の時の失敗例として、精進落としを頼みすぎたこともあげられます。
お手伝いをしてくださった方の分をしっかり把握しなかったのかかなり残ってしまい、義母が食べ物を粗末にするのをきらうので、精進落としの料理をしばらく食べていました。
火葬後の会食に参加するかどうかを、あらかじめ参列者に聞いておくべきだったのに怠ってしまったのが原因です。
お手伝いをしてくださる方が多かったので余計に頼みすぎたのかもしれません。
2.葬儀費用について
義父の葬式は、住んでいたマンションの集会室を借りて行いました。住民だったので式場代は一切かかりませんでした。
式場代がかからなかったにもかかわらず、後で調べたら相場より3割位高かったことがわかりました。
実際の葬儀費用を調べてみると、2010年度の日本消費者協会のアンケートでは、葬儀一式費用(葬儀本体費用)の平均は、1,266,593円です。
家族葬の平均は、約430,000円となっています。3年前の2007年より約30万円下がっているそうです。費用の内訳は、病院からの遺体の搬送を始めとして、通夜・葬式・告別式、火葬・骨上げ、葬儀葬送までを含みます。
その他の寺院関係の費用やお通夜などの時の飲食代は、入っていません。
義父の時は、葬儀社と打ち合わせで、料金表を見ながら、故人のための寝台車や棺などをどのクラスの物にするか決めていきました。
迷っていると、「皆さま、この位の物をお使いです。」と葬儀社の担当者に言われ、真ん中の値段の物に落ち着きます。
義父の葬式の話は、平成2年のことです。
今ならネットで事前に調べておくこともできますが、当時の我が家にはパソコンもなく、事前に調べることはできませんでした。あわただしい気持ちの中で、葬儀社の言いなりという感じで、プランが決まりました。
家族の誰もが元気な時にどんな葬儀にしたいかを話し合う場を持つべきでした。
「私は、家族で送ってくれればいいから家族葬がいい。」「親戚や友人の多いいなかで葬式をしてほしい」などと、家族一人ひとりの希望があるかもしれません。
話し合いの中で、「○○のの葬儀社が親切で安心できたと友人が言っていた」との情報を家族が持っているかもしれません。
ちなみに私の父の葬儀の時は、親戚からの良い情報がありました。公営の瑞穂葬祭場は、瑞穂町・福生市・羽村市・武蔵村山市の市民が格安で利用できるとの情報でした。
瑞穂葬祭場で一番市民が利用しているファミリープランの利用料は、880,000円でした。他のプランは、660,000円、1,100,000円、1,320,000円で、密葬(家族葬)で440,000円です。
880,000円のプランに含まれるものは、
① 祭壇装飾花
②棺
③遺影写真
④寝台車
⑤霊柩車
⑥役所手続き
⑦進行スタッフ
⑧接待スタッフ
⑨10名分の返礼品・通夜の料理です。
瑞穂葬祭場は駐車場も広く、控室も使いやすく、きれいな葬祭場でした。
火葬場も併設しているので、車での移動がなく便利でした。最寄り駅から遠いという一点さえなければ、満点です。
我が家で利用したプランは、880,000円でしたが、義父の時より立派な式ができました。
ここで参考までに、東京都の火葬場併設の公営の葬祭場を紹介します。
故人又は喪主がその区や市に住んでいないと利用できない斎場、
故人又は喪主がその区や市に住んでいると補助や割引きがある斎場とさまざまです。中には、宿泊ができる斎場もあります。
① 臨海葬祭場(東京都大田区東海1-3-1)
港区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区在住の人は格安で利用できます。浴室のついた10畳と4畳の和室が4室あります。
(ふすまで仕切られています)ふとんは、売店での手配が必要です。
② 府中の森市民聖苑(府中市浅間町1-3)
利用できるのは、故人又は喪主が府中市民のみです。
但し、死亡した人からみて配偶者または2親等以内の親族である市民に限ります
③ 立川市斎場(立川市羽衣町3-20-23)
立川市民は、優先的に地用できます。
④ 八王子斎場(八王子市山田町1681-2)
八王子市民は、火葬料5万円が無料の他、付き添い宿泊代や式場利用料が優遇されます。
⑤ 青梅市民斎場(青梅市長淵5-698-2)
利用できるのは、故人又は喪主は青梅市民のみです。
死亡した方が市民以外の場合は喪主が市民であり、死亡した方からみて2親等以内の親族であることが必要です。
故人が青梅市民なら、火葬料は無料となっています。
⑥ 瑞穂斎場(瑞穂町富士山栗原新田244)
瑞穂町・福生市・羽村市・武蔵村山市・埼玉県入間市の住民は、使用料が割安になります。
⑦ ひので斎場(日の出町大字平井3092)
故人があきる野市、日の出町、桧原村の住民の場合、使用料が割安になります。
⑧ 南多摩斎場(町田市上小山田町2147)
故人か火葬許可証の申請者が八王子・町田・多摩・稲城・日野市の市民なら、式場と火葬場の使用量が割安になります。
斎場は、1/1から1/3はお休みです。友引も休みの斎場もあります。
義父の葬儀の時、葬儀社の担当者から「火葬場の方に心づけを渡してください。」と言われ驚きました。
結婚式の時に、メイクをしてくれる美容師さんや式のお世話をしてくれるかたに心づけを渡す慣習があるのは知っていました。
でも、火葬場のかたに心づけを渡す必要があるとは思ってもみませんでした。
心付けとは、霊柩車の運転手や火葬場の担当者などのスタッフに気持ちとして渡すものらしいです。
あらかじめ見積りに含んでいる葬儀社もあるそうです。
南多摩斎場とひので斎場の案内のページに「公営施設なので職員・作業員に対する心づけは一切お断りします。」とわざわざ記載されていました。
葬儀の費用について、合見積もりをすすめているサイトもあります
費用は、寺院に払う費用が一番多いようです。
そのほか、斎場や控室火葬場などの使用料、料理・会葬返礼品、祭壇、棺でおおよそ決まるそうです。
使用料は、さきほど紹介した公営の斎場が民間より格安です。祭壇の花は花の種類によってボリュームの有無が違います。
また、参列者からの供花の組み方で立派に見せながらも費用は抑えられます。
4項目を、他のクラスに変えるとどのぐらいの金額になるかチェックしてみるのは大切なことです。
3.遺影写真について
義父の葬儀の時に遺影写真の件で困ったケースを紹介します。
兄から、「今日の打ち合わせの時に父の写真を持ってきて。」と電話がありました。
連れ合いを亡くして一人暮らしをしていた父は、いつの間にかアルバムを亡くしていたのです。
私のアルバムにあるのは今の父より30年以上前の若い写真です。
最近の写真は、数少なく遺影写真に相応しいものがありませんでした。結局私の結婚式の時の集合写真を遺影写真にしてもらいました。70代の父なのに50代の時の写真だったことと、祝儀と不祝儀を重ねたようで複雑な思いがしました。
わたしのケースはまれかもしれませんが、亡くなった日から葬儀の日まで時間がない場合は、ゆっくり写真を探しているゆとりはないでしょう。
遺影写真にどの写真を使うか、家族みんなが元気な時に話せたらいいですね。
友人のおかあさんは、「私の遺影写真はこれにして」と生前言っていたそうです。わたしも、気に入った写真を子供たちに渡しておくつもりです。
遺影写真の話ではありませんが、私は納棺の際のお仕着せの市死装束がいやでした。兄に「おしゃれなパパだったのだから、お気に入りのスーツやコートを着せてあげようよ。」と言いました。
「そんなのおかしいよ。」と一蹴されました。
「前に参列した知人の葬儀のとき、警官だった故人は制服を着ていたよ」と粘りましたがだめでした。
義父のときも、義父にプレゼントしたセーターを着せたいと思い、義母に頼んだことがありました。「新しいセーターを、わざわざ燃やすのはもったいない。」と断られました。でも、私と同じ思いのかたはいるようです。
葬儀相談com.には、このような記載がありました。
「納棺の際、最近は愛用していた洋服や着物を着せる方が多くなってきました。担当に相談していただければと思います。」
また、こんな話もあります。
会社の上司で「俺の葬式の時はチャイコフスキーのピアノ協奏曲を流してもらうんだ」と言っている方がいました。私は当時20代でしたが、私だったらどの曲がいいかいしら、やはりショパンにしょうかと考えました。
ともあれ、葬儀社の誘導で決まる式ではなくて、本人の希望をいれながら家族や友人が話し合い、故人様を見送ることをオススメします。
4.香典返しについて
香典返しは、香典を持ってきてくださった方に通夜または葬式の日にお渡しするのが一般的になっています。
義父の時は、葬儀屋さんにすすめられた2,000円のタオルセットでした。
地方ごとに慣習があるようで、義父の田舎は親戚間の香典の額が多いのです。
義母は、葬儀が終わってからいただいた額に応じてお茶を郵送していました。
逆に親戚の職場の方が一律1,000円の香典を7.8人分あずかってきて、人数分の香典返しを持って帰るということがありました。
わざわざ来てくださった上に、人数分の香典返しを持って帰るのは大変だったろうと思いながらも、義母は割り切れないようでした。
私の母の時は、葬儀後にデパートに行って係りの方に相談して決め、デパートから自宅に送ってもらいました。
香典返しの考え方も、家庭それぞれの考え方があるものです。
「いただいた香典は、全額ユニセフに寄付させていただきます。」とのはがきをいただいたことがありました。
「香典返しのマナー・引き物ドットコム」の香典のマナーを紹介します。
ご葬儀当日にお茶などの当日返し(当日返礼品)をする習慣が最近は定着しました。当日はおおよそ2,000円~3,000円程度の品物をお返しされているかと思います。 たとえば、当日2,500円の商品をお返ししていた場合、いただいたお香典が5,000円であれば、当日返しで「半返し」となりますので、その後のお返しは不要です。 いただいたお香典が10,000円であれば、半返し5,000円-2,500円=2,500円となり、2,500円相当の品物を忌明け等の日時に合わせてお返しなさるとよいと思います。 なお、当日にお返しするハンカチ(500円相当)は会葬御礼品といい、「葬儀当日に来てくださってありがとう」という意味の品であり、お香典返しではありませんので、香典返しの予算とは別に考えられるのが一般的です。
高額な香典をいただいた場合は、親族や身内からいただいた高額のお香典に対しては必ずしも半返しが必要ではありません。
これは、親族や身内からの故人や葬家への気持ちでありますので、気持ちをありがたく受け取りましょう。
あまりキッチリ半額お返しするのも、妙に仰々しいと思われることもあります。
当店では香典金額3万円(15,000円相当の半返し)ぐらいまでを半返しの目安とされるようにおすすめしています。
それ以上は3分の1、4分の1返しでもそれで失礼にあたることは全くありません。
勤務先から、「○○一同」として受け取った場合は、いただいた金額にもよりますが、お香典の差出人が「○○一同」でいただいた場合は、その部署・チームに対して、みんなで分け合えるようなお菓子やお茶などがよろしいかと思います。
500円程度のタオルなどを人数分ご用意なさる方もいらっしゃいます。ただし中身が通常個々にいただくお香典金額と変わらないような場合では、きちんと個別にお返しなさったほうが無難です。その場合はお菓子やお茶に限りません。
5.喪服について

【画像】http://www.monoir.jp/contents/memorial/218.html
義父の葬式では、嫁という立場だったので義母とともに和装の喪服を着ました。
自分で着付けができないので通夜、葬式の2回近所の美容院で着付けていただきました。
実の娘が二人いることだし、私は洋装にすべきでした。何故なら、嫁はまめに動かなくてはならない用事がたくさんあるからです。
着物を着ているので、小走りしたりすわったり立ったりするのは大変でした。
6.小さい子供がいる場合

画像:http://kakitubata.com/iroha/fukusou.html
義父が亡くなった時、長男は2歳・次男は9か月でした。
私の母は、私が24歳の時に亡くなっていて、子供たちをみていてくれる人が誰もいなかったので大変でした。
狭いマンションに主人の姉と子供たち、妹と子供たち、いなかからの親戚が寝泊まりしました。
私は幼い子供たちが心配でしたが、小姑の厳しい目の中、嫁としてできる限り働きました。二人とも男の子でしたが、おとなしいタイプで手がかからない子と言われていました。
通夜が終わった夜、夜泣きなど今までしなかった長男が激しく泣き出しました。長男の泣き声につられて次男も泣き出してしまいました。
すると、義理の姉が部屋にはいってきて、こわい形相で「うるさいから外に行こう」と長男の手を引っ張るのです。
「やめてください。真冬のこんな夜中に、外に連れ出そうとするなんて。」と、私は子供を守りました。
なじみのない人が家にたくさんおしかけたり、普段優しい祖母や父がかまってくれない、わたしがそばにいてあげられない事から、気持ちが不安定になったのです。
わたしのようなケースはまれかもしれません。でも、幼い子供に葬儀の大切さを理解させるのは無理です。葬儀の一件で夜泣きが始まってしまうことだってないとは限りません。
自分の家でお葬式をだすことになった時は、暖かい気持ちで子供たちだけのことをみてくれる人が必要です。
もし、そういう人がいない場合は、「嫁としてできる限りのつとめはいたしますが、子供をみてあげる時間は必要ですのでよろしくお願いします。」と、みんなが集まっている時にお願いした方がいいでしょう。
7.貯蓄や保険について

【画像】http://www.urayasushi-saijyou.net/2015/10/15-1003959.html
故人になった方の貯蓄は、死亡届を出した時点でおろせなくなります。
少額でも例外にはなりません。医師からいよいよだという宣告を受けたらさっと、おろしてしまいましょう。
もちろん、高額な貯金は相続の問題があるので、おろすわけにはいきません。
保険に関しても、どんな保険に入っているのか事前に知っておいた方がいいです。
保険の請求は、落ち着いてからすればよいのですが、葬儀にはお金がかかります。
医療保険のみなのか、死亡保険に加入していてお金がもらえるか知っておくと、葬儀の選択が違ってきます。
義母が亡くなった時、義理の姉と妹が貯金通帳を探しましたが見つかりませんでした。
葬儀が終わって少し落ち着いた時、私は義母に「もしも私が亡くなった時、大切なものはここにあるからね。」と言われていたのを思い出しました。義母に言われたのは、義父の葬儀がおわってしばらくしてからでした。
この件で我が家の保険の加入内容も貯蓄も私しか知らないので一覧表を作りました。
項目は、保険会社名・請求する電話番号・保険の種類・内容(いくらもらえるのか)・必要な書類。短期の入院の場合、診断書は不要というように注意事項の欄も必要です。
そして、保険関係の書類や通帳・印鑑がどこにおいてあるかを主人と子供に言っておきました。
8.戒名について
母が他界したのは昭和56年のことでした。寺院に連絡してお坊さんに来てもらい、葬儀を行いました。当然戒名料を払って戒名をつけてもらいました。
父が「30万円だしたのに、信女だった。」と不満そうに言ったのを覚えています。
戒名には、女性なら「大姉」「信女」、男性なら「院」「居士」「信士」があります。良い戒名をもらうために、支払うべき金額は不明です。
義父からは友人葬になったので、戒名はいただいていません。
家族葬が増えてきた昨今では、戒名をつけない家庭が増えてきました。お父さんが官僚だった友人宅や会社を経営していた知人宅でも、戒名はつけていませんでした。
戒名をつけるかどうかも、家族で話し合うことのひとつです。
9.相続について
相続には、単純承認・限定承認・相続放棄の3通りがあります。
遺産がプラスのみの場合は単純承認を選択します。単純承認の場合は、手続きは不要です。
負の財産があるとの不安がある時は、限定承認を選択します。
相続に負の財産があった場合、正の財産を超える請求はされません。
例えば、500万円の死亡保険の収入があったけれど、700万円の借金があることがわかった場合、負の財産200万円の返済はしなくてもいいのです。
負の財産(借金があった場合)があった場合は、相続放棄をします。
必要書類を地方裁判所に提出すれば、借金を請求されることはありません。
我が家は、財産放棄をした経験があります。
義兄には、長い間金銭的な面でいろいろと迷惑をかけられていました。
義兄が一時同居していたため高いベッドのローンの請求が来て、ローンのほぼ全額を払ったこともありました。
家を出て連絡がなかった義兄には、借金やローンがあるかもしれません。
限定承認と財産放棄の場合は、相続がおきてから3か月以内にしなくてはなりませんので、主人に頼んで早めに財産放棄の手続きをしてもらいました。
戸籍謄本を取らなければならないなどの手間といくらかのお金がかかります。でも、専門家に頼まなくても届けは出せます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
実際の体験談を読んで頂き、しっかり事前に準備しておかなければならないと感じた方も多いのではないでしょうか。
葬儀の準備する時間は非常に短いため、何か起こってから調べて対応していくのは非常に難しいと言えます。
知らない方は、ぜひいろいろご自身で調査し知識を身につけておきましょう。







