大リーグ マーリンズ エースがボート事故で死亡

大リーグ マーリンズ エースがボート事故で死亡
大リーグ、マーリンズのエース、ホセ・フェルナンデス投手が25日、ボートの事故で亡くなり、マーリンズはこの日予定されていたブレーブス戦を中止すると発表しました。
亡くなったのはマーリンズのエースでキューバ出身の24歳、ホセ・フェルナンデス投手です。現地の警察などによりますとフェルナンデス投手は25日未明、マイアミ沿岸で友人2人とともにボートに乗っていたところ、ボートが岩に衝突したということで、フェルナンデス投手を含む全員の死亡が確認されたということです。
フェルナンデス投手は2011年にドラフト1位でマーリンズに入団し、最速160キロを超える力のある速球を持ち味に、3年前に新人王に輝いたほか、オールスターゲームにも2回選ばれました。そして4年目の今シーズンはここまで16勝8敗、防御率2.86の成績を残し、大リーグを代表するピッチャーとして将来のさらなる活躍が期待されていました。
フェルナンデス投手は事故の前日の24日に本拠地マイアミで行われたブレーブスとのナイトゲームでもベンチから試合を見守っていたということで、これを受けてマーリンズは、25日のブレーブス戦と、この試合の開始前に行われる予定だったイチロー選手の大リーグ通算3000本安打の記念式典の中止を発表しました。

大リーグコミッショナー「野球界全体がショック」

マーリンズのフェルナンデス投手が事故で亡くなったことを受けて、大リーグ機構のロブ・マンフレッドコミッショナーは、「野球界全体がショックを受け、悲しみに包まれている。フェルナンデス投手はデビュー以来、球場の内外で大きな影響を与えてくれた、すばらしい若手スターの1人だった」と追悼のコメントを出しました。

マーリンズの選手全員出席して会見

エースのフェルナンデス投手の事故死を受けて25日、本拠地で行うブレーブス戦を中止したマーリンズは記者会見を行い、選手全員が出席しました。選手たちは一様にショックを受けた様子で、イチロー選手もフェルナンデス投手のユニフォームを持ったチームメートなどとともに、かたい表情で腕組みをしていました。
会見でマッティングリー監督は、「小さい男の子のように、いつも喜びを持ってプレーしていた。彼の楽しそうな様子と、野球への情熱が思い出される」とショックを受けた様子で話していました。

またチームメートのプラド選手は「この出来事を乗り越えなければいけないが、いまは心に痛みがあり、難しい」と述べ、野球に集中するには時間がかかることを示唆しました。

サムソン球団社長は、「彼の家族と、もうすぐ産まれる娘のために祈りをささげたい。キューバからの亡命に3回失敗しても諦めず、野球への愛と情熱にあふれていた」としたうえで、「彼がここにいたら、野球がしたくてもできない人たちのためにプレーしろと言うだろう。プレーすることが、彼をたたえることにつながる」と述べ、26日は予定どおり、試合を行うことを明らかにしました。

本拠地でファンが追悼

マーリンズの本拠地、マイアミのマーリンズパークでは25日、球場内の電光掲示板にフェルナンデス選手の名前と背番号16が映し出され、マウンド上にもマーリンズの帽子と花束が手向けられました。

球場の外にはファンが次々と訪れ、入場口の横に花束などを置いてエースの早すぎる死を悼んでいました。
このうち、息子とともに訪れた地元の女性は「フェルナンデス投手はいつもファンや子どもたちに立ち止まってサインしてくれるとてもいい人でした。彼を失って悲しいし、マイアミ全体にとって大きな損失です」と肩を落としていました。
また、フェルナンデス投手の顔が書かれた応援グッズを持った少年は、「大ファンだったので、家族を失ったような感じです、誰にでもよくしてくれて、このチームで誇れる選手でした。この大きな出来事を乗り越えてチームに一丸となってほしいです」と涙を流しながら話していました。
フェルナンデス投手のユニフォームを着たキューバ出身の女性は、「彼は私たちのヒーローで、キューバ人だったら誰でも彼のことを知っています。これはキューバ人にとってもアメリカ人にとっても、地域社会にとっても非常に残念な出来事です」と話していました。