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人を介さなければ教育コストはもっと安くできる。Senses がAIで仕掛ける暗黙知への挑戦

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実は『社員の教育コスト』って(誰でも感じているでしょうが)結構な金額がかかってるもの。

産労総合研究所のデータによれば、社員一人あたりの教育研修コストは約47,170円(年間)。らしいんですが、これはあくまで『研修そのものにかけた一人あたりの実費』の部分。

実際には教える側(つまりデキる人)の人件費に、稼働効率の低下、結局育たず辞めちゃったりするリスクが勘案されるので、実際のコストは大体一人あたり年間100万円~?なんて試算もあったり。

結局人が人に教えるという『制御しにくい領域』であるため、効果も効率もまちまちという…。ROIがいまいち分かりにくい(けどお金はかかる)一種アンタッチャブルな部分なんですよね。社員教育コストって。

経験知の集積と教育は「人がやると非効率」?Sensesトップに聞いてみた

というわけで今回は、そんなアンタッチャブルな領域において『そもそも人間が人間に経験知を伝達するって、効率悪いよね?』とばかりに、人工知能による知見集積・共有を叶えるツール『Senses』を開発・提供している株式会社マツリカを取材。

代表取締役 Co-CEOの黒佐さんと飯作さんに直接インタビューして、これからの社員教育やSFA・CRMツールについてなど アレコレ聞いてきました。

Senses (センシーズ)


先人の知恵を共有&自動サジェストしてくれるAI搭載型営業支援ツール
ヒアリング、提案、クロージングなど、体外的な業務コミュニケーションのフェーズを登録。各フェーズで『上手くいったコミュニケーション』を自動で学習。Googleアカウント、Office365と連携。いつものツールで何かコミュニケーションをしようとしたタイミングで『○○さんが■■さんに送ったコレとか使えるよ!』とサジェストしてくれるツール。
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人間の脳内で完結していた暗黙知的ノウハウを強制的に共有する

―まず質問なんですが、なぜSensesの開発に挑まれたんでしょう?確かに教育や情報共有は大きな課題ですが、誰がどう考えても『ツールで解決するのものすごく面倒』なジャンルですよね?

―黒佐
ですね。だと思います(笑)。
ただ、僕自身が営業からキャリアを積んだ人間なので、日々思ってたんですよ。「ああ、営業って無駄が多いなぁ」って。

―黒佐
効率よく営業をしていくためにはとにかく情報が重要。なんですが、この「重要な情報」ってやつが実は2種類あるんです。

一つは外部情報。つまり相手の企業や事業を客観的に見て調べる情報。もう一つが、顧客の企業内決済の流れや人間関係、業界独特の特殊なルール…といった、顧客に直接ヒアリングすることや営業現場経験でしか取得できない内部的な情報です。

もちろん両方共重要なんですが、前者はお金や時間をかければ『誰でも調べることが可能』な情報。反面、後者は『当事者の脳内で完結してしまっている』取得や共有が困難な情報なんです。

なるほど確かに。先任から引き継ぎを受けるような案件において、その辺の情報インプットを重要視するシーンは多いです。

が、それは『同じ案件においての引き継ぎ』のシーンにおいてのみ。

例えば業種が同じで事業ターゲットも似通った別の企業との新規コミュニケーションのような場合、つどつど「似たような案件やってた人いないー?」と探して聞き出して…てやるのは困難ですね。

―黒佐
ですよね。そういった「暗黙知」の領域を体系だった「形式知」にしていこうと盛んになったのがSFA(Sales Force Automation)系のツールだったんですが……。

あれ、実際、誰も入力したがらないんですよね。。。

確かに(笑)

特に営業やディレ、プロデューサーなんかの「対外的に動きまわる仕事」の人達って、あーいうの入れるの億劫になって放置しちゃう傾向あるかもです。

僕自身もそうですもん。

―飯作
そうなんですよ。
だからマネージャーやメンターと呼ばれる、いわゆる指導者的立ち位置に居る社員が脳内情報を口頭で伝達することでなんとかしている…というのが、現場のリアルだったりするんです。

―飯作
もちろん人間が人間に対して行うことなので、100%網羅できるわけでも、100%正解を出すわけでもない。

おまけに聞く相手は必ず「自分よりできる人(≒忙しい人)」に聞きに行くわけですから、気後れして聞きにいく機会すら限られて… という、良くないスパイラルにハマってしまうんですよね。

うーむ。なんともよく聞く話。

だからこそ「社員教育は難しい」とずーーーーっと延々と言われているんでしょうが。。。

上記のような現実と直面し、向き合い続けてきたからこそ『暗黙知的ノウハウを強制的に共有し組織ナレッジとして自然に活用する』というツールの開発に挑戦しよう!という決意になっているんですね。

正解率50%の先輩営業マンがいれば、社員教育は加速する

―しかし、こと業務上の対外コミュニケーションとなると変数が多すぎて、『それが正解かどうか?』て判断が難しくないですか?

―黒佐
だからこその機械学習、AIによる重み付け、選択肢の提示と「人間による選択」というフローを採用した感じですね。

業務フローを進めた…、つまり成果につながったコミュニケーションを業種や該当フローから正しい可能性のある順番にいくつかサジェストし、最後は人間が判断する形で落ち着けました。


Sensesにおけるワークフローは AIによるサジェストを人間が選択する形で運用される設計
―飯作
確かに無数の選択肢が存在してしまうため判断は難しいですが、それは『人が教える場合』だって一緒。そもそも営業の世界に100%のものなんて存在しないですから(笑)

AIとしての…という話であれば精度が求められるのは当たり前。なので今後ももちろん努力していくんですが、極端な話、営業にとっては正解率50%でも「即時アクセス可能な過去の正答」が得られるのってすごくメリットなんですよ。

た、確かに。

実際、先日5億円調達で話題になったKUFUさんでの導入事例においても、進捗管理や社員教育、対外コミュニケーションの効率化などの面で『時間を買っている感じがある。』なんて言われてましたっけ。

いつでも「50%の確率で正解となるコミュニケーションを丸っと教えてくれる先輩」がもしデスクトップにいて随時アドバイスしてくれたら…。そう考えると、かなりの業務効率化が可能そうですね。

CRM・SFAから “Predictive CRM”(未来予測型顧客管理ツール)へ

―ちなみに、Sensesは今後どのような展開をしていくんでしょう?方向性みたいなものを少し教えていただいてもいいですか?

―黒佐
まずは、人間が判断する部分以外は「データのinputもoutputも自動」が当たり前。みたいな世界を目指したいですね。

従来のSFAやCRMの基本フローである『入力 ⇒ 形式知 ⇒ 概要レポート見れる』みたいな手間を省略して『勝手に入力 ⇒ 形式知 ⇒ 未来予測』できるような。

―飯作
今のSensesでもほぼ実現はしていますが、最終的には電話などの音声からも自動でコミュニケーション履歴を取得。解析してデータサジェストしてくれるような構想ですね

と、まぁなんとも楽しそうな表情で語る黒佐さんと飯作さん。来年には利用社数を500社まで伸ばす計画だという営業支援ツール『Senses』。これからの展開が楽しみですね。

さいごに

ちなみに今回ご紹介させていただいたツールSensesの提供元『株式会社マツリカ』さんでは、技術力の高い、機械学習の領域を広げていきたいエンジニアさん&立ち上がったばかりで成長中の会社で働きたい方を大募集中なんだとか。

ツールに興味がありすぎて「使うだけじゃなく作りたい!」と思った方がもしいれば、そっちでアプローチとっていただくのも、面白いかも知れません。

Sensesはとりあえず14日間無料で使えますし、まずは使ってみてから。ですかね?

中村 健太 by
数多くのメディアコンサルとコンテンツクリエイティブに関わってきた経験を持つ株式会社ビットエーのCMO。KaizenPlatformのグロースコンサルとしても知られ、2014年より一般社団法人日本ディレクション協会の会長を務める。主な著書に「Webディレクターの教科書」「Webディレクション最新常識」など。
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