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ウナギ取引を調査へ EU提案

 【ヨハネスブルク小泉大士】ヨハネスブルクで開かれている野生生物の国際取引に関するワシントン条約締約国会議は、25日の第1委員会で、欧州連合(EU)が提案した世界各地に生息するウナギの国際取引に関する実態調査を求める決議案を採択した。10月4日の全体会合で正式に承認される見通し。

     調査の結果は今後の取引規制に関する議論を左右するとみられ、3年後の次回会議で日本で大量に消費されているニホンウナギが規制対象となる懸念もある。

     市場に流通するニホンウナギの大半は、天然の稚魚を捕獲して育てたもの。ワシントン条約の規制対象となれば、稚魚も製品も輸出入は難しくなり、日本の食卓にも大きな影響が出る。

     今回のEU提案は、さまざまなウナギの漁獲量や流通のデータを集め、違法取引防止策を検討するよう呼びかけた。次回会議で調査結果などを報告するよう求めている。背景には、ヨーロッパウナギが稚魚の乱獲により生息数が大幅に減少し、2009年からワシントン条約で取引が制限されていることがある。

     危機感を強めるEUは、ある種のウナギの取引が規制されると需要は別の種に向かうと指摘。「ウナギの管理と保全に関する情報が不足している」として、国際的な取引の実態調査を求めていた。

     日本政府の代表は25日の委員会審議で「日本はウナギ資源の持続的利用に努めており、EUと懸念を共有する」と述べ、EUの提案を支持した。

     ニホンウナギは14年6月、個体数の減少が激しいとして、国際自然保護連合(IUCN)から絶滅危惧種に分類された。今回の会議に提出された議案には、ニホンウナギの取引規制は含まれていない。

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