民進党の野田佳彦幹事長は25日のNHK番組で、国会での憲法改正議論について、緊急事態条項の新設などを盛り込んだ自民党の2012年の憲法改正草案を撤回するよう要求した。「国民の権利を軽んじ、国の在り方を変える中身としか思えない。撤回から始めないと議論は進まない」と述べた。二階氏は「すぐに撤回するつもりはない」と拒否した。
野田氏は、国会での論議に関して「自民党は多数を持っているから警戒せざるを得ない」と強調した。共産党の小池晃書記局長は「二階氏が『撤回するつもりはない』と言ったのは重大だ。時代逆行の自民党草案は憲法の名に値しない」と反発した。公明党の井上義久幹事長は「自民党の話を聞くと、草案をたたき台にして憲法審査会で議論するとは決してなっていない」と述べた。
二階氏は、政府が優先課題とする環太平洋連携協定(TPP)の承認案件と関連法案について、26日召集の臨時国会で成立を目指す意向を表明した。野田氏は「守るべき国益を守っていない」と反対を明言。国会での審議に関しては「(政府は)よほど情報を開示して説明する必要がある。拙速な審議や(採決)強行は駄目だ」と述べた。