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加山雄三にゴーストライターがいた! “絶縁妹”元夫が「作詞のギャラを払え」と通告

 投稿者:東京新報  投稿日:2016年 9月24日(土)11時05分11秒
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  加山雄三にゴーストライターがいた!
“絶縁妹”元夫が「作詞のギャラを払え」と通告


“♪アイラブユー、イエス、アイ、ドゥ”。映画『ハワイの若大将』において“若大将”が英語で歌い上げた「Dedicated(恋は紅いバラ)」。加山雄三の人気を不動のものにした名曲をめぐり、海を越えてゴーストライター疑惑が浮上。若大将、本当に“ユー、ドゥ?”

 ここに、留守番電話を録音した一本のテープがある。

〈僕の名前と君の名前では値打ちが違うからね。(報酬が支払われたら)お金を送るように努力するよ。それでいいかい? だから君はこれまでと同じように僕のゴーストライターでいてくれないといけないんだ〉

 実際の音声は英語だが、この声の主は、“若大将”こと加山雄三氏(79)。加山氏が電話をかけたのは、カリフォルニア州に住む米国人作詞家のマイケル・ルノー氏。加山氏の実妹・池端亮子さんの元夫でもある。
 これを聞く限り、加山氏本人がルノー氏が加山氏の“ゴーストライター”であることを認めている。二人の間に、いったい何があったのだろうか。
 事情を知る音楽業界関係者が匿名を条件に二人の“関係”を打ち明ける。
「作曲から作詞、演奏まで全てこなし、またたく間にスター歌手の座に昇り詰めた加山さんですが、六六年から六八年にかけて加山さんが『弾厚作』という作曲家名で発表した曲の英詞の一部を加山さんに代わって手がけていたのが、実はルノーさんなんです」
 二人の出会いは、半世紀以上前に遡る。当時の二人を知る人物はこう語る。
「私がルノーさんと知り合ったのは六六年頃、加山さんとお父様の上原謙さんらが共同経営していた茅ヶ崎の『パシフィックホテル』で開かれたパーティーでした。ルノーさんはハンサムな好青年で、米軍の厚木基地に配属されて来日したと聞きました。後に妹の亮子さんと結婚されましたけど、当時は加山さんととても親しい様子で、パーティーで一緒のところをよく見かけました」
「パシフィックホテル茅ヶ崎」は六五年開業。湘南海岸に聳え立つ白亜のホテルは展望レストラン、ボウリング場を備え、日本初の複合リゾート施設と称された。当時は国内外の芸能人がお忍びで訪れることでも知られ、若者の憧れだった。
「亡くなった俳優の田宮二郎さんも加山さんと仲が良くて、よく出入りしてました。ただある時、『加山雄三という男は素晴らしい男なんだが、ひとつだけ欠点がある。ケチという病にとりつかれているんだ』と漏らしたのが印象的です」(同前)
 若き米兵だったルノー氏がどのような経緯で加山氏と知り合ったかは不明だが、同じく茅ヶ崎にあった加山氏の実家にも出入りを許される関係で、加山家との親密さが窺える。
「結局、亮子さんとルノーさんは、七〇年代に離婚してしまいます。加山さん自身も、亮子さんとは、お金をめぐるトラブルが原因で十数年前に絶縁していて、彼女は以前住んでいた港区内の高級マンションを出て、現在はお子さん二人と困窮されていると聞きます」(同前)
 だが、実妹と絶縁した後も、加山氏とルノー氏との関係は続いていた。
「日本ポップス界きっての大スター」と「ゴーストライター」という形で――。
 半世紀以上も封印されてきた関係が明るみに出るきっかけとなったのは、今年五月、代理人を通じて加山氏の楽曲を管理する渡辺音楽出版などに送られたルノー氏の“通告書”だった。
「そこには、加山氏が六〇年代に発表した十一曲などについて英語作詞を担当したルノーに“当時の業界の標準に沿った”報酬を支払うよう書かれていました」(前出・音楽業界関係者)
 ルノー氏がゴーストライターを務めたと主張するのは、六三年公開の映画『ハワイの若大将』で加山が英語で歌い、同氏のデビュー作と呼ばれることもある名曲「Dedicated(恋は紅いバラ)」、山下達郎がカバーしたことで知られる「ブーメラン・ベイビー」、「マイ・ジプシー・ダンス」など、加山氏の初期の代表作十一曲と、加山氏が一五年に「弾厚作」名義で発表した新曲「I Simple Say」の計十二曲だ。

ルノー氏に自宅で作詞を依頼

「一三年に仙台で行われた野外ロックフェスで、『東北を元気に!』をスローガンに加山さんの下に十三人のミュージシャン有志が集まり、『キングオールスターズ』が結成されました。『I Simple Say』はバンド結成後の一五年に鳴り物入りで発表された加山さんの最新曲です」(芸能記者)
 実はこれに先立つ一五年六月、ルノー氏はフロリダ州マイアミにある加山氏の自宅に招かれ、ある相談を受けたという。
「加山さんは、直後にレコーディングが予定されていた『I Simple Say』の歌詞がないことを打ち明け、ルノー氏に作詞を依頼したのです。ルノー氏は、六〇年代に作った十一曲に対して約束された報酬すら得ていないことを挙げ、難色を示したそうですが、『昔の分と今回の分を合わせて必ず支払う』と押し切られ、作詞に同意したのです」(前出・音楽業界関係者)
 ルノー氏は英詞を提供し、レコーディングは無事に終了。その後、「弾厚作」名で同曲が発表されたのは前述の通りだが、ルノー氏の再三の催促にもかかわらず、約束された報酬が支払われることはなかった。
 すでに米軍を退役し、つましく暮らすルノー氏にとって、日本音楽界の重鎮である加山氏が、わずかな報酬を出し渋り、連絡もままならないという状況は、長年にわたり“沈黙”を守って来た自分に対する二度目の裏切りだった。
 そして昨年十月、ルノー氏の留守番電話に加山氏からメッセージが残される。

〈この前の話はわかってくれたかな? わかって欲しい。僕は長年にわたり作曲家、作詞家として暮らしているんだ。僕のギャラは普通の人の五倍だ。だから君の「I Simple Say」は僕の名前で(著作権)登録してあるんだ〉

 続けて、加山氏は冒頭の通り、ルノー氏に“you must be a ghostwriter of me like before, same(君はこれまでと同じように僕のゴーストライターでいてくれないといけないんだ)”と求めたのである。だが、その後、加山氏サイドからの音信は途絶えたという。
 業を煮やしたルノー氏は、加山氏サイドに録音テープとともに、前述した“通告書”を送付、報酬が支払われなければ、米国と日本の両方で訴訟を起こすべく準備を進めていると告げたのである。
「法律上、六〇年代の作詞に対する報酬を請求することなど出来ないことはわかっているのですが、ルノー氏は義兄だった加山さんに書面での契約など求める立場にありませんでしたし、『悪いようにしない』という加山さんの言葉を信じ、その度に裏切られて来たのです。ルノー氏の代理人が送った通告書には『加山さんの名誉を傷つけることが目的ではない』と明記されています。『I Simple Say』の未払いがなければこのような事態に発展することはなかったでしょう」(前出・音楽業界関係者)
 この件について、小誌がルノー氏の代理人に連絡をとったところ、「既に代理人としての役目は終えており、お話しすることはありません」と回答した。
 加山氏本人に事実関係を質した。
――ルノー氏とはどういう経緯でお知り合いに?
「妹の友達ということで来ましたね」
――その妹さんとは今は絶縁状態?
「絶縁というか、まあ、そうですね。どういった事情って、難しいことですけどね。それは全親戚とうまくいくかっていえば、いかないことも世の中にあることじゃないですか」
――「ぼくの妹に」という曲がありましたので……。
「それは関係ない。あの曲は僕が考えたんじゃないですから。岩谷時子さんが『こういうお兄さんがいたらいいわよね、と思ってくれるような曲にしましょう』とお作りになられた」
――(ルノー氏が主張する)六〇年代の十一曲の英詞は誰が書いたのか?
「私自身が書いたんです。で、それを、英語的な歌詞にするにはね、ポエットと普通にしゃべるのは違うんで、(ルノー氏に英語の表現として)正しいか? 聞いたわけです。それで、“ここはこの方がいいよ”とか修正してもらう立場。だから彼がゴーストライターなんて言葉はどこから出たんですかねと」
――「I Simple Say」はルノー氏の作詞ですね? フロリダで依頼された?
「はい。あの曲だけはね、マイク(ルノー氏)が詞を送って来たんです。(それだけでは)足りないので、その分、僕が英語で足してます。つまり僕の作詞です。レコーディングが進んで(作詞にルノー氏の名前を入れる前に)終わっちゃったんですよ。これだけのことを言って来たのにはびっくり仰天」
――ゴーストライターという言葉は加山さんご自身がはっきり仰っています。
「いいえ、私は一切言っておりません。(電話の表現を伝えると)それはちょっと言い間違ってますね。とっさにそういう表現をすると分かりやすいかなということと、彼を立ててあげようじゃないかと。(その上で)あんたは作詞家として仕事をしているわけじゃないんだと、わかりやすく伝えるにはそれしか方法ないじゃんと思ったわけ」
 だが、ルノー氏側は“通告書”において、それぞれの曲について、ルノー氏が作詞を手掛けたことを証明できる材料があると指摘している。
 加山氏はその後、ルノー氏に支払いをしなかった理由について、「七一年に彼に二万五千ドルを持ち逃げされた」などと語ったが、およそ一時間に及んだインタビューの最後にこう漏らした。
「この事が(マスコミに)出て、ゴーストライターがいたなんて言ったらば、もうそれまでよ……すべてが終わっちゃいますからね」
 ゴーストといつまでも、というわけにはいくまい。

「週刊文春」2016年9月29日号
 
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