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【ゴルフ】

山下和宏、ツアー初優勝へ気合

2016年9月25日 紙面から

第3日、18番でラフから第2打を放つ山下和宏。通算5アンダーで3位=茨木CCで

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◇アジアパシフィックOP・ダイヤモンド杯<第3日>

 ▽24日、大阪府茨木市、茨木CC西C(7320ヤード、パー70)▽曇り、気温23・6度、北東1・9メートル▽賞金総額1億5000万円、優勝3000万円▽71選手(うちアマ3人)▽観衆3109人

 8位で出た山下和宏(42)=ザ・サイプレスGC=が5バーディー、4ボギーの69で回り、通算5アンダーで首位と3打差の3位につけた。苦節18年の苦労人が、プロ転向から史上6番目に遅いツアー初優勝を狙う。69で回った17歳のパチャラ・コンワットマイ(タイ)が通算8アンダーで単独首位を守り、1打差の2位に小池一平(31)=境川CC=が続いた。

 最終18番。2メートルのパーパットを外し、山下は天を仰いだ。ラインを読み切れず、「打ち切れなかった」。痛恨のボギー。でも、すぐに切り替えた。「自分は最善を尽くしたから」。ギャラリーの声援に応えるように、グリーン上で納得ずくの笑みを浮かべていた。

 先週のANAオープン第2ラウンドに「82」をたたき、今季初の2戦連続予選落ち。さすがのベテランも不安に押しつぶされそうになり、「どうなっちゃうんだろう…」と落ち込んだ。

 開幕から調子が上がらず、今季13戦でトップ10なし。賞金ランキングも68位と低空飛行が続いた。ショットの精度を欠き、アプローチやパターの歯車も狂ったまま。練習場ではうまくいっても、コースに出ると空回りの連続だった。

 「これだけ努力しても思うようにいかない。気持ちが折れそうになって…、折れた」

 初優勝どころか、8シーズン維持してきたシード落ちの悪夢もちらついた。「覚悟しとけよ」。妻にそう告げ、山下は腹をくくった。そこが再上昇の起点だった。現実を受け入れ、決して背伸びしない。美酒の味を知らないからこそ、謙虚な姿勢を貫こうと決めた。

 大阪府高槻市出身。自宅は車で15分の距離にあるご当地プロだ。慣れ親しんだ名門コースとあって、「レストランのスタッフにも顔を覚えてもらっているくらい。地元、という感じ」。プロ転向から、実に17年359日。山下が勝てば、ツアー史上6番目に遅い初戴冠となる。「明日は一発勝負。やってみたいですね」。温かな声援に背中を押され、山下が夢にまで見た頂点へ駆け上がる。 (松岡祐司)

 

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