【コラム】中・日のアフリカ争奪戦、韓国も参戦せよ

 これは、中国の「物量攻勢」に対する遠回しな嫌みとも取れる。中国は気分を害したのか、外交部(省に相当)を通じ「日本は自国の利益のみ追求し、中国とアフリカの関係を引き離そうとしている」と非難した。これに先立ち中国は昨年12月、習近平主席が自らアフリカに出向き「3年間で600億ドル(約6兆円)をアフリカ開発のために拠出する」と表明している。

 中国と日本がアフリカに求愛する理由は明白だ。低成長局面に陥った世界経済の中で、アフリカは「最後の希望」だからだ。アフリカは2008-14年に年平均5%以上の成長を遂げた。さらにアフリカは資源の宝庫だ。原材料価格が下落している今が投資のチャンスともいえるのだ。

 未来の市場を中国と日本が先取りしようと争う中、韓国が手をこまぬいているわけにはいかない。そうかといって、カネや物量にものをいわせる中国のやり方をまねる余力はない。アフリカは昔の韓国のように、援助に頼って成長している。援助先進国の日本のように、効率的な選択によって足掛かりを確保するのが、韓国にとっても現実的なやり方だろう。ただ、アフリカ進出の誘い水となる韓国の援助額は、年間3億ドル(約305億円)程度にすぎない。韓国の対アフリカ貿易額は年間130億ドル(約1兆3200億円)で、日本(240億ドル=約2兆4400億円)のほぼ半分だが、資金援助に関しては日本(約20億ドル=約2040億円)の7分の1しかない。韓国は、アフリカへの有償・無償の援助額をせめて日本の半分程度まで引き上げ、アフリカ経済の「戦場」に積極的に飛び込む必要がある。「IT先進国」という素晴らしい名刺も携えていかねばならない。

方顕哲(パン・ヒョンチョル)経済部次長
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