韓国左派団体、安重根の名を掲げ反米運動会員を募集

「安重根義士を韓国のチェ・ゲバラに」

 統合進歩党(解散)の後身と見なされている「民衆連合党」の関係者が率いる団体が、「安重根(アン・ジュングン)義士記念事業会」の名前を掲げ、反米・反政府活動に参加する会員を募集していることが分かった。韓国で国民的な尊敬の対象となっている安重根(1879-1910)を、理念的に偏向した政治活動に利用しているというわけだ。

 「青年独立軍」という名前の団体は最近「2016年義烈団に加入しよう!青年独立軍新入会員募集」という広告を、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に掲載した。同団体はこの広告で、青年独立軍の役割を「韓国史教科書の国定化反対、THAAD(終末高高度防衛ミサイル)配備反対など」と説明した。同団体は統合進歩党の解散に反対したハム・セウン神父(74)が理事長を務めている「安重根義士記念事業会」から後援を得ている。

 青年独立軍は、梨花女子大学の元総学生会長のソン・ヒヨン氏(26)代表を務めている。ソン氏は民衆連合党傘下の青年組織「土のスプーン(貧乏人の子弟)党」の設立に加わった103人のうちの一人だ。民衆連合党は2014年、憲法裁判所で「従北(北朝鮮に追従)反国家団体」との判決を受け解散させられた統合進歩党の出身者が主導して決定された。

 ソン氏が率いる青年独立軍は今年2月「斥洋斥倭 輔国安民(西洋や日本のやつらを追い出し、民衆のための国をつくろう)」という内容の「1万青年義兵運動」を宣言し、7月にはTHAAD配備反対などを訴える青年・学生の宣伝組織「アメリカNO」を結成した。

 同団体は会員を募集する上で安重根を積極的に活用している。同団体は今月24日、新たに加入した新入会員を対象に初のオリエンテーションを行う予定で、その中で行う講演のテーマとして「青年・安重根と韓国社会」を掲げた。青年独立軍として活動する会員には、「安重根義士記念事業会」名義の修了証書まで授与するという。

ムン・ヒョンウン記者
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