韓国の主力輸出企業、悪材料重なり一転足かせに

現代・起亜自のストライキによる悪材料も解消していない。労使間の賃金交渉は秋夕(中秋節)の連休後も4日間続いている。産業通商資源部は現代・起亜自労組のストライキで生産に支障が出て、9月第1週に1億5000万ドルの輸出減となったと推定した。ストライキが長期化した場合、減少幅はさらに拡大しそうだ。先月は自動車業界のストライキで6万5700台の生産に支障が出て、輸出が9億2000万ドル減少した。

 韓進海運の法定管理(会社更生法適用に相当)による輸出への影響も解決の糸口が見えない。同社に代わる船舶が確保できず、輸出ができなかったり、納期が遅れたりする企業が続出している。20日までに韓国貿易協会の輸出貨物物流支障申告センターが集計した輸出への影響は1億5000万ドルに達する。輸出業者の申告は義務ではないため、被害規模はそれをはるかに上回る可能性がある。さらに9月は秋夕連休で昨年よりも操業日数が0.5日少ないことも輸出実績に影響しそうだ。操業日数が0.5日減少すれば、輸出減少額は約10億ドルするというのが政府の予想だ。

■輸出回復困難ならば内需刺激策を

 韓国政府は当初、8月から輸出が回復傾向に転じると予想していた。今年初めに1バレル=20ドル台まで下落した原油価格が40ドル台にまで反発し、輸出単価が上昇したことに加え、世界的に鉄鋼・石油化学分野で構造調整が進み、供給過剰の解消が進んだからだ。しかし、今月に入り、悪材料が相次ぎ、バラ色の見通しは消えた。

 韓国貿易協会のムン・ビョンギ首席研究員は「このままでは9月の輸出は減少が確実だ。悪材料が早期に解消しなければ、輸出減少率は2桁に達することもあり得る」と指摘した。

 産業研究院のチョ・チョル主力産業研究室長は「輸出が短期間に回復しない場合に備え、内需を刺激し、輸出不振を挽回する方策を探る必要がある」と呼びかけた。

金承範(キム・スンボム)記者
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