先進国の中で自殺者の数は日本が一番多いらしい。

ずっと言われている話だが、今の日本人には「大きな物語」がない。
その代わりに「ヒューマニズム」だけがある。
これは厄介だ。

「人間は幸せに生きる権利がある」と憲法にまで書かれてあるが、これが今や日本人の大きな重荷になっていると思う。
実際暮らしてみたら、そうそう幸せなんて転がっていない。
人々の価値観はバラバラ、みんな利己主義、その割に右へならえの同調圧力。
子供の頃からいじめと隣り合わせ、ちょっと油断すると自分が標的になる。
社会に出たら保身と嘘が横行している。ネットは罵詈雑言の嵐。もう誰も信じられない。

それより何より、誰も生きるための「哲学」を教えてくれない。
生きる意味が解らない。


海外ではそれを、「神」で補う。
神の教えに沿って、人々は一応の連帯を確保し、生きることは使命となる。
日本では、それがない。


何のために生きるのか。


自殺者が多いのも、ネットがとにかくクサクサしているのも、アニメがひたすら現実逃避の手段になってしまったのも、すべて「何のために生きるのか」という大命題を、日本人がクリアしようとしていないことが大きい。
その割に「人の命は地球より重い」と教えられる。24時間テレビを毎年観せられる。
「今が最高!と狂ったように叫び続ける。


重すぎるんですよ、命が。
自分じゃ支えきれないくらい。


ヒューマニズム教育は、日本人にとって重すぎる。
今すぐやめた方がいい。

「運が悪けりゃ死ぬしかないね」くらいで、ちょうどいいのだ。
そうすれば、諦めもつく。