そう言えばこの絵、アップしていいんだよな?
ダメなんだっけ?
もう、めんどくさいなぁ、著作権。もういいよ。
クレーの絵に魅了されたのは、確か大学生の頃。
大学で美学を専攻しているのだから、ちょっと背伸びしないと、と美術館通いしていた当時、付き合ってた彼女と大阪の「クレー展」に行ったのが、確か最初。
彼の学生時代の絵が、葉書くらいの大きさのキャンバスに、みっちり細密画のように描かれてあって、それがまた超リアルで、度肝を抜かれた。
しかしそれ以上に度肝を抜かれたのが、晩年のこの作品。
「忘れっぽい天使」は、一度見て虜になった。
それから10年後、自分の会社を立ち上げた時、金もないのにこの絵の複製画を買って、小さな小さなスタジオの壁に額に入れて飾った。
しかしまぁ、それを見たアニメーター達の感想の酷いこと。
「これ落描きですか?w」
「なんでこんなもん飾ってるんですか?w」
「こんなの、僕が3分で描いてあげますよ?www」
お前らに描けるかドアホが。
僕がアニメを始めてから「アニメとは線だ」と気付いて、改めてクレーのこの絵の、この悟り切ったような、世界のすべての喧騒や混乱や葛藤を単純化するような、そんな澄み切った線を学び取り、アニメをやる上での最上の手本にしている。
「偉大なものはすべて単純である」(ヴィルヘルム・フルトヴェングラー)