「飲み社会」韓国混乱 「接待」取締法で対策メニューも

09/24 19:54
韓国で、夜になると広がる光景。いわゆる「飲み社会」の韓国で、28日に汚職を取り締まる新しい法律が施行されるのを前に、激震が走っています。

ソウルで開かれた、とある講座。
受講者たちは真剣なまなざしで、隠し撮りなどの技術を学んでいた。
いったい、何のためなのか。
その答えは、9月28日に韓国で施行される新しい法律「金英蘭(キムヨンラン)法」にある。
講師は「皆さんは、金英蘭(キムヨンラン)法によって、収入を上げることができます!」と話した。
公職者などに対する、一定額以上の金品の提供を禁じるものだが、違反者を申告すると、最大で日本円にして、およそ1,800万円の報奨金が与えられることから、接待現場摘発のノウハウを学ぶ人たちが増えている。
受講した人は「金英蘭法は、わが国が『先進国』に進むことができるきっかけになるのではないか」と話した。
韓国では、政治家や公務員による汚職事件が相次ぎ、かねてより、過剰な接待文化の変革が叫ばれてきた。
金英蘭法では、教職員やメディア関係者も対象で、金銭などを贈る場合は、およそ9,000円、贈答品は、およそ4,500円、接待の場合は、1回の飲食で1人あたり2,700円以上が禁止される。
大手企業の会社員などが利用するという、ソウル市内の高級日本料理店では、金英蘭法対策として、2万9,000ウォン(およそ2,650円)のランチセットを、ディナータイムでも提供することにした。
日本料理店の店長は「わたしが夜明けに市場に行って、良い素材を直接仕入れることで、材料費を少し抑えることができています」と話した。
新法施行は、経済への影響も指摘されている。
韓国経済研究院は、経済損失が、飲食業だけで8.5兆ウォン(およそ7,800億円)、社会全体では11.6兆ウォン(1兆600億円)にのぼると試算している。
市民は、どう考えているのか。
「わたしは賛成するし、社会や経済にも全く支障がない」、「経済が難しい状態で、このような法を作られては、今すぐは大変だ。個人的な考えでは、子孫や国の未来のために、必ず作らなければならない法律だと思う」などといった声が聞かれた。
汚職文化の撲滅と接待文化に、どう折り合いをつけるのか。
今後、韓国国内で、混乱が広がるとみられる。

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