8月来韓中国人観光客が初の減少、THAAD問題が影響か

8月来韓中国人観光客が初の減少、THAAD問題が影響か

 韓国の格安航空会社(LCC)、ジンエアーの今年8月の韓国-中国路線の搭乗率は88%で、前月7月(89%)を下回ったことが分かった。

 ジンエアーの関係者は「通常なら夏休みシーズンのピークに当たる8月の搭乗率は7月より高いが、今年は7月はおろか、閑散期である6月の搭乗率91%をも下回った」と明らかにした。免税店の状況も同じだ。ソウル市内のロッテ免税店では8月の中国人観光客数が7月に比べ7%も減少した。

 8月に韓国を訪れた中国人観光客の数が同じ年の7月より少なかったのは、1998年の月別統計開始以降、18年間で初めてだ。韓国観光公社は「今年8月に韓国を訪れた中国人観光客は87万3771人で、7月より5%減少した」と23日に発表した。

 業界関係者は「韓国政府がTHAAD(米国の最新鋭地上配備型迎撃システム)の在韓米軍配備を発表したため中国人観光客が減少するのではないかと心配していたが、それが現実になるのではないか」と深刻な懸念を示している。海外旅行は1か月ほど前に予約するのが普通だが、韓国政府がTHAAD配備を発表したのは7月8日。このためTHAAD問題の影響は、8月の中国人観光客数減少に表れたというわけだ。北朝鮮の核の脅威に対応するために韓国に配備されるTHAADについて、中国は自国の安全保障を脅かすとして強く反発している。

 ある免税店の関係者は「12年に李明博(イ・ミョンバク)大統領(当時)が独島(日本名:竹島)を訪問した直後に日本人観光客が急減したように、THAAD問題でも同じことが起きるのではないかと心配している」と話した。実際に、韓国がTHAAD配備を発表した直後の7月27日には大邱のフードイベントへの参加を予定していた中国人約300人が予約をキャンセルしたほか、9月にソウル・ワールドカップ競技場で行われたサッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会アジア最終予選の韓国-中国戦を観戦するはずだった中国人の団体観光客3000人も訪韓を中止した。

 一方、8月に韓国を訪れた日本人観光客は22万5456人で、7月の18万6194人に比べ17.5%増加した。中国人観光客が減少した分だけ日本人観光客数が伸びた格好だ。この期間にホテルを利用した中国人観光客と日本人観光客の割合も逆転した。

 ソウル市内のロッテホテルの関係者は「日本人宿泊客の割合は7月の26%から8月は30%へと上昇したが、中国人の割合は35%から28%へと低下した」と話した。韓国観光公社の関係者は「円高の影響で日本人が韓国に来やすくなった上、航空機の韓国-日本便の便数が増えて近場の旅行地として需要が伸びたため」と説明した。

キム・チュンリョン記者
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