米検索大手ヤフーは22日、利用者の氏名など5億人分のアカウントに関連する個人情報が流出したと発表した。

 2014年にハッカー攻撃に遭い盗まれたという。ヤフーは国家が関与した攻撃だとの見方を示し、捜査当局と協力していると説明。米メディアによると、個人情報の流出としては過去最大規模。億単位の件数の流出は異例だ。

 ヤフーは、情報流出の可能性がある利用者に電子メールで通知し、パスワード変更を呼び掛けるとしている。「(このハッカーが)現在もヤフーのネットワークに侵入している形跡は認められない」とも説明した。同社はアカウントの総数を公表していない。日本のヤフーは23日、「当社の顧客に直接影響があったことは確認されていない」とコメントした。

 日本のヤフーの登録アカウントは約2億件。ただ米ヤフーとは「別会社が運営する別サービス」だという立場を強調している。

 米ヤフーによると、今回の攻撃で盗まれたのは、氏名のほかメールアドレス、電話番号、生年月日や暗号化されたパスワードなど。クレジットカード番号や銀行口座の情報は盗まれていないとみている。

 米国では、ロシアが米民主党幹部のメール流出事件に関与したと指摘されるなど、国家によるハッカー行為がたびたび取りざたされている。

 米ヤフーはライバルの米グーグルなどとの競争に敗れ業績が悪化。ニュースや検索など中核事業を米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズに売却することを7月に決めている。

 米ヤフーはインターネット検索業界の草分け的存在で、1995年に設立された。日本法人はソフトバンクグループの傘下企業となっている。

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 米検索大手ヤフーの利用者の名前やメールアドレスなど5億人分の個人情報が流出した問題で、「Yahoo!JAPAN(ヤフー!ジャパン)」を運営する日本のヤフーは23日、「当社の顧客情報の流出や被害は確認されていない」とコメントした。

 日本のヤフーは、米ヤフーからブランドを借りて独自のサービスを展開しており、データベースなどのインフラも別になっているという。同社は「人材や技術面の交流がある程度で、別会社が運営する別サービス」という立場を強調した。

 日本のヤフーのアカウントは約2億件で、うち月に最低1回、接続する利用者数は約3400万件。

 日本国内からも米法人が運営するサイトに接続して、アカウントを取得することも可能だ。このため、米ヤフーのアカウントを持っている利用者も国内には一定数いるとみられる。(共同)