初めてプレイした乙女ゲー
私はコーエーの歴史SLGが好きであり、三国志の大ファンであります。
とくに武将同士で交流できる作品は大好きで、
ブログの更新をサボっているときは、
まったりと家事をしつつ、そういったゲームで遊んでいます。
とくに好きなのは結婚イベントや義兄弟の契りがある三国志10ですが、
実はそれより面白いゲームにはまっているんですよ。
それは「三国恋戦記~オトメの兵法~」です。
有名なコーエーではなく、Daisy2という会社から発売されたものなんですが、
絵が美麗で音楽のクオリティも高いんです。
しかも乙女ゲーですから、キャラがフルボイスなんですよ。
アマゾンのカスタマーレビューの評判が非常に良かったですし、
値段も安かったので買ってみたんですが、噂通りの良作でしたね。
いままで歴史系の戦略シミュレーションばかりやっていた私にとって、
はじめての乙女ゲーだったんですが、
まったく違和感はなく、すんなり馴染むことができました。
ごく普通の女子高生が迷い込んだ世界とは
三国恋戦記の主人公はどこにでもいる高校生の山田花です。
ある日、彼女はグループ学習で三国志のことを勉強することになり、
親友のかな・彩と一緒に学校の図書館で本を探します。
すると棚に見慣れない一冊の分厚い本があり、
主人公がページを開くと、
そこには1800年前の中国の歴史が詳しく書かれていました。
彼女が興味を持ったのは「赤壁の戦い」で、
諸葛孔明が武将としてデビューするところでした。
「九天九地盤」というその本には駒がついており、
軍師として部隊を指揮するのはカッコいいと思いながら、
主人公はなんとなく駒を動かしてしまいます。
すると、不思議な白い光が現れて、
主人公はそのまま本の世界に引き込まれてしまうんです。
そこで待ち受けていたのは、
『三国志に酷似した世界』に渦巻く戦乱と、
名だたる武将たちとの恋物語でした。
まあ、よくある女子高生のトリップもので、
その設定自体はやや食傷気味なんですが、
シナリオが丁寧なのが素晴らしいんですよ。
攻略キャラは10人で、
誰ともくっつかないノーマルルートもあります。
劉玄徳(=劉備)CV:三木真一郎
荀文若(=荀彧)CV:竹本英史
三国志ファンにはお馴染みの有名武将ばかりですが、
孫早安だけはマイナーキャラで仲謀の異母弟なんですね。
呉軍だと陸遜が人気が高いんですが、
蜀軍メインで描かれたこの作品では使えなかったんでしょうか。
その代わりで早安が入ったのかなと思いました。
妙香のイチオシは荀文若
私は横山三国志のファンなので蜀軍推しなんですが、
ひととおり全部のキャラを攻略しましたよ。
ちなみに、このゲームで最も気に入ったのは荀文若です。
なぜかというと、彼の見た目と性格がリアル夫にそっくりで、
台詞を聞くたびに笑いが止まらなかったからなんですよ。
主人公のデフォルト名は山田花なんですが、
好きな名前に変えられるので「妙香」でプレイしてみました。
『おばさんが女子高生』というのも、たまにはいいですよね。
主人公の持つ「九天九地盤」は兵法に関する本です。
彼女はそれを使って、にわか軍師として活躍します。
しかし、平和な現代から来たため戦争が嫌いです。
また最初の所属は玄徳軍であったために、
孟徳の忠実な部下の荀文若は、彼女をスパイと思って毛嫌いするんです。
主人公は同じく捕虜になったある人物の命を助けるために、
「九天九地盤」を孟徳との取り引きに使ってしまいます。
ところが、孟徳がそれを悪用するのではないかと思い、
再び取り返したいことを荀文若に語ります。
すると彼は身勝手な話だと言って一蹴するんですね。
真っ直ぐで、曲がったことは許さない性格がはっきりと表れたシーンです。
荀文若は「孔明の弟子」と名乗る主人公のことを疑い、
事務仕事をさせてその力量を試そうとします。
これはその時に出てきた台詞なんですが、
政治オタクの私にとって、「財務省」や「外務省」という言葉はツボでした。
ついでに主人公は荀文若のことを、
【官僚の親玉みたい】とまで言っていましたね。
文若ルートの基本はシリアスですが、
時々コメディタッチな台詞が出てくるので和みます。
最初はお互いにまったくいい印象がなかった2人ですが、
孟徳が仲謀との決戦(赤壁の戦い)の前に開いた宴会をキッカケに接近します。
政治についての話しかしない荀文若でしたが、
主人公とは少しずつ距離が縮まって行くんですよ。
三国恋戦記は乙女ゲーなんですが、
史実をしっかりとベースにしているのがいいんですよ。
荀文若は「王佐の才」で、彼の主君の孟徳は「治世の能臣、乱世の奸雄」と、
この作品の中でも、お馴染みの二つ名で言われています。
孟徳の最も信頼するナンバーツーと思われた荀文若ですが、
政治に対する考え方の違いから次第に対立して行きます。
最大の版図を持つ孟徳は漢王朝の皇帝を傀儡化しており、
王朝を簒奪して、自分が即位することへの野望をちらつかせるんです。
しかし荀文若は孟徳の家臣でありながら、
漢王朝に絶対的な忠誠を尽くす人でした。
史実の曹操も魏公から魏王となっており、
皇帝になるのは時間の問題と思われていました。
これに反発した荀彧は孟徳から贈られた空箱を開けて、
絶望して毒を仰いだと言われています。
三国恋戦記でもこれをモチーフにした政治ドラマがしっかりと描かれ、
主人公は荀文若の命を助けるためにがんばるんですよ。
孟徳軍内の皇帝即位反対派は、
荀文若に暗殺計画に参加するよう密書を送ります。
漢王朝との板ばさみに苦悩する荀文若ですが、
主人公の必死の説得によって孟徳と和解し、卑劣なテロ計画を阻止しました。
実は荀文若のこの性格がリアル夫そのまんまなんですよ。
温かいお茶が大好きというところも、まったく同じでしたね。
また、このルートでは主人公が茶碗を割ったりなど、
かなりのドジぶりを発揮するのですが、それが私みたいなので共感しました。
これで「めでたしめでたし・・・」のはずなんですが、
主人公は現実世界に帰ろうとするんです。
でも、荀文若に想いを告げられ、一緒に歩き続けることを決意します。
もといた世界を捨ててしまうのは、
かなり勇気がいるんじゃないかと思いますが、
恋する乙女の強さはそういうものなのかも知れません。
最初は上司と部下のような2人だったんですが、
ラストではたぶん結婚したんでしょうね。
険悪な関係だったのでどうなるかと思いましたが、
逆にマイナスからスタートしたことで、より絆が深まったことでしょう。
荀文若は見た目も性格もリアル夫にそっくりでしたが、
第一印象が最悪からスタートしたラブストーリーも、
30年前の馴れ初めと似ているので驚きました。
妙香のまとめ
余談ですが荀文若こと荀彧は、
私が最初にプレイした三国志シリーズで、
はじめて軍師になった武将なんです。
いまでこそ孔明は私の義兄弟になってくれますが、
絶対にオリキャラ君主の仲間にはならない人だったんです。
またその頃のコーエーにはパワーアップキットがなかったので、
思うように武将データをいじることができませんでした。
有能な荀彧が配下にいなかったら、
ゲームクリアすることは難しかったでしょうね。
ふと、そんなことを思い出しながら三国恋戦記を楽しみましたよ。
それにしても、ゲームの中に家族とそっくりなキャラがいるなんて、
なんだかうれしくなってしまいます。
荀文若を二次元恋愛の相手にするのも悪くないですね。