2017年、アニマルズ・アズ・リーダーズの来日公演は、
ロック・ギターの趨勢を一変させるひとつの“事件”である。
天才ギタリスト、トーシン・アバシ率いる新世代技巧派プログレッシヴ・メタルの最高峰、アニマルズ・アズ・リーダーズが初のヘッドライナー・ジャパン・ツアーを行う。
息を呑むテクニカルな演奏と一瞬先をも読ませないプログレッシヴな展開、ヘヴィに刻むメタリックなリフと独創的な変拍子リズム、そして全編インストゥルメンタルのストイックな音楽性は、世界にセンセーションを巻き起こしてきた。
2007年にワシントンDCで結成、アルバム『Animals As Leaders』(2004)でデビューを飾ったアニマルズ・アズ・リーダーズ。この時点ではトーシンがギターとベースをプレイ、ドラムスはすべてプログラミングというワンマン・プロジェクトだったが、現在ではハヴィエル・レイエス(ギター)、マット・グルスカ(ドラムス)というベースレスのトリオ編成で活動を行っている。2012年11月にはビトウィーン・ザ・ベリード・アンド・ミーと共に初来日公演を行い、その超絶テクニカル・プレイが衝撃を呼んだ。
『Weightless』(2011)、『The Joy Of Motion』(2014)とアルバムを追うごとに進化を遂げ、プログレッシヴ・ロックやジェント/テクニカル・デス・メタル、ジャズ/フュージョンなどあらゆる音楽性をオーガニックに内包してきた彼らは世界レベルで支持を得ているが、これまで“日本盤CD”なるものが発売されてこなかった。それにも関わらず、彼らの高度な演奏力に裏打ちされたエクストリームな音楽は日本の音楽ファンのハートを捕らえ、4作目となる最新アルバム『The Madness Of Many』に伴うジャパン・ツアーが実現することになったのだ。
アニマルズ・アズ・リーダーズの見所は、やはりトーシンのギター・プレイだ。8弦ギターから繰り出される速弾きやタッピング、リフ・カッティングにおける鮮烈なテクニックは、“21世紀に出現した最も革命的なメタル・ギタリスト”と呼ぶに相応しい。
2016年4月から5月にかけて、北米『ジェネレーション・アックス』ツアーに参戦したトーシンはスティーヴ・ヴァイ、ザック・ワイルド、イングヴェイ・マスムスティーン、ヌーノ・ベッテンコートと連日ジャムを敢行。伝説的なギタリスト達を向こうに回した高度なテクニックの応酬で、大絶賛を浴びている。
2017年、アニマルズ・アズ・リーダーズの来日公演は、ロック・ギターの趨勢を一変させるひとつの“事件”である。時代が音を立てて動いていく瞬間を、我々は目撃する。
山崎智之/音楽ライター