滋賀県は23日、北陸新幹線の敦賀以西の延伸ルートに関して、「米原ルート」など3案について独自に建設費や費用対便益などを試算した。建設期間や費用、費用対便益などいずれも米原ルートが他の2ルートに比べて効率的であるとして、国などに働きかけていく。
建設の距離、期間、費用、年間利用者数については、JR米原駅で東海道新幹線に接続する米原ルートが46キロ、5年、4041億円、1120万人と試算。福井県小浜市付近からJR京都駅を経由して大阪に向かう「小浜京都ルート」、小浜市付近から京都府舞鶴市、京都駅を経由して大阪に向かう「小浜舞鶴京都ルート」に比べ経済的な合理性があるとした。
また総便益(鉄道利用者と事業者の便益)を総費用(建設投資額と車両投資など事業者の支出)で割った費用対便益は米原が1.60で、小浜京都は0.54、小浜舞鶴京都は0.18とした。県は米原だけが「1」以上で、投資に見合う効果を上げられるとしている。
建設期間は着工してから完成まで、建設費は関西広域連合の試算単価に物価高騰率を補正した。建設ルートや利用者数は滋賀県独自の条件を用いた。
一方、滋賀県内では、経済界と自治体、議会が一体となって北陸新幹線の「米原ルート」実現に取り組むため、27日に促進期成同盟会を設立する。