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【社説】

公明党 歯止め役果たしてこそ

 自民党との勢力差を考えれば、発言力は限られる。しかし、連立政権内で歯止め役を果たせなければ、公明党の存在意義が問われかねない。五選された山口那津男代表にとって、正念場でもある。

 公明党が十七日、党大会を都内で開き、山口代表(64)の五選を承認した。井上義久幹事長(69)、漆原良夫中央幹事会会長(71)、石田祝稔政調会長(65)ら主要幹部の続投も決めた。

 山口氏の任期は二〇一八年九月までの二年間。五期目の課題に経済再生や社会保障の充実などを挙げるが、安倍晋三首相が任期中の実現を目指す憲法改正にどう向き合うのかにも注目したい。

 公明党は「改憲勢力」とみなされているが、自民党などほかの勢力とは趣を異にしてきた。「平和の党」を自任し、憲法九条改正には慎重姿勢を貫いてきたからだ。

 しかし、安倍政権が昨年、成立を強行した安全保障関連法の制定過程では、一定の歯止め役を果たしたとはいえ、憲法違反と指摘される「集団的自衛権の行使」に道を開いたことも事実である。

 山口氏は当初、慎重論を唱えていたが、連立離脱の可能性を早々に否定したため、自民党側に押し切られたことは否めまい。

 九条に関して公明党は、自衛隊の存在を認める条項を加える「加憲」を掲げ、戦争放棄の一項と戦力不保持の二項は堅持する方針だが、安保関連法のように自民党に押し切られることはないと、憲法改正でも言い切れるだろうか。

 自民党の憲法改正草案は「公の秩序」を強調する内容だ。公明党の支持母体、創価学会には戦時中、国家神道の下で弾圧された歴史もある。個人の尊厳よりも国家を重視する自民党草案を破棄しない限り、憲法改正論議には応じないと公明党は迫るべきではないか。

 衆院への小選挙区制導入後、自民党では党中枢に権力が集中し、異を唱えづらい雰囲気があるという。議論を経てよりよい結論を得る気風が失われているとしたら、連立政権の中でその役割を果たせるのは、公明党しかあるまい。

 一九九九年の自民党との連立から十七年。自民党に同化するのなら、公明党に存在価値はない。

 自民党は単独過半数を参院でも回復し、公明党抜きでも政権を維持できるが、公明党は覚悟を持って、主張すべきは主張し、政権に行き過ぎがあれば歯止め役に徹するべきだ。それこそが国民から公明党に与えられた使命である。

 

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