【ニューヨーク=共同】ユニークなテーマに取り組む世界の研究者に贈られる今年の「イグ・ノーベル賞」の授賞式が22日、米東部ケンブリッジのハーバード大で行われた。上半身をかがめて股の間から物を見たら、普段の見え方からどんな変化があるかを研究した立命館大文学部の東山篤規教授(心理学)らが「知覚賞」を受賞した。日本人のイグ・ノーベル賞受賞は10年連続。
東山教授は「視覚による空間知覚」などが専門で、2006年の論文「股のぞきの世界 大きさの恒常性の低減と見かけの距離の短縮」などの研究が評価された。多数の学生ボランティアで実験し、頭部が胸より下になる股のぞきの姿勢では見える風景の距離感が正確につかみにくくなることを証明した。
東山教授は「一般的には興味を持たれない分野なのに賞をもらえて驚いた」と喜んだ。
京都府宮津市の天橋立を「股のぞき」の姿勢で眺めると、空と海が逆転して特徴的な風景が見えるといわれるように、姿勢によって物の見え方が変化することは昔から知られている。