ついに公開された映画闇金ウシジマくんPart3。さっそく見てきました。
本郷奏多さん演じる沢村真司はネットビジネスの塾である天生塾に入って、ネットで秒速稼いでリッチな生活を送ろうと奔走します。
劇中では沢村は天生翔の情報商材をいろんな人に売りさばいているのですが劇中だけだと少し分かりづらい人もいたかもしれません。
はてなの人たちはリテラシーが高いから今更かと思いますが情報商材の話をしようかと思います。
え?なんでお前に話せるかって?
私は過去に情報商材を買ったこともありますし、売ったこともありますし、情報商材販売の塾に在籍していたこともあります。
ただフリーエージェント編の元ネタである与なんとかさんの団体ではないのでなんとか沢翼さんに関してはいくらか憶測が入ります。
目次
そもそも情報商材って何?
通常Amazonとかでお金払って物を買うと商品が届きますよね?
情報商材の場合、その物に当たるものが情報になります。商材がPDFファイルだったり、時にはMP3等の音声ファイルや動画・DVDであったりその形態は様々です。(さらに購入者特典がついてたりします。)
まあ広義では一般的な書店に並んでいる本もKindle書籍も、アイドルのDVDも情報商材と言えるのではないでしょうか?
そして情報商材を販売する人をインフォプレナー(情報起業家)と呼びます。
なんとか沢さん率いるネオヒルズ族と呼ばれる人たちも情報商材で巨万の富を築きました。
インフォプレナーとアフィリエイターの違い
自分で作った情報商材を販売するのがインフォプレナーで、他人の物を紹介して売るのがアフィリエイターという認識です。
天生メソッドや清栄メソッドを撃っているときの沢村はアフィリエイターで、沢村メソッドを売っているときの沢村はインフォプレナーのイメージです。
どんな情報を商材化するのか?
お金儲け(アフィリエイト・FX・その他投資)から、受験、ダイエット、スポーツ、恋愛まで実に様々です。
クオリティも様々で本当にためになるものから、ぼったくりだろというゴミまでいろいろあります。
リンクは貼りませんが興味があればインフォトップというサイトでも見てみてください。ここは規約や審査が厳しいのでわりと良質な部類の商材が揃っています。
なぜ情報商材なのか?
一言で言えばローリスク・ハイリターンだから
例えば自分のお店を構えて商売をする場合は大体の場合建物を借りてそこからさらに商品を仕入れます。これらの行為はいずれもかなりのお金が必要になります。
ですが情報商材の場合ほぼタダでできます。本格的なホームページを作ったりすればサーバー代が掛かりますが無料ブログでもできます。商品自体もMicrosoftのwordでタイピングできるくらいのPCスキルで作成できます。
それが1つ1万~2万の高額で売れれば利益はそのまま自分のものになるためハイリターンになります。
商品できるような知識も実績もないんだけど
心配いりません。
別に少額でも副業で稼いだら稼いだ金額を盛りに盛って商品にしてもいいですし、恋愛経験が多少なりともあればそれをオタク向け恋愛術として商品にしてもいい、何もなくても図書館で本を借りたりしてそれを自分の言葉に書き換えるだけでも商品になります。
ブログやNAVERの有力記事を集めまくってそれをパッケージングしてもいいですからとにかくなんでも商材になり得ます。
元ネタの人たちはどうやって儲けたのか?
映画や原作を見た人ならご存じだと思いますが、ツイッターやフェイスブック、ブログなどで羽振りの良い金持ちを演出することでお金が欲しい人の関心を集めて高額のセミナーや高額のDVD商材を売りさばいていました。
自分をブランド化するセルフブランディング戦略を行っています。
でも↑の画像の人はセルフブランディング(金持ちに見せる)ために稼ぎの大半を使って税金も払えなくなり破産しました。シンガポールで投資家として再起をしたところを見ると本当は破産した振りをしてお金を現地に移した可能性もあります・・・
人によっては全然貧乏なのに儲かってるフリをしていたりします。
情報商材の販売フロー
私が教わったフローはザックリこんな感じです。いきなり販売ページに飛ばしたりとか様々なバリエーションがあります。
まずSNSで呼びかけます
例えばツイッターでやたら自称起業家や自称自由人にフォローされたりしませんか?Youtubeでインターネット企業家の動画見たりしませんか?
そこで興味を持つと<成功体験はここ>みたいなのをクリックしてLPに飛びます。
LPからメルマガ登録をする
ランディングページと呼ばれるページに飛ぶと、それなりに綺麗なデザインで『挫折→成功体験→みんなもできるよ』みたいな長い説明が書いてあります。
そしてそれに感動して自分も金持ちになりたいと思うと『メルマガを登録することでただいま金持ちになる方法をプレゼント中』みたいなところで無料プレゼントと引き換えに(プレゼントがない場合も多々あります)メールを登録させられます。
ダイレクトメールを送りますよって承諾を促してメールを集める行為をオプトインと呼びます。
ここで集められたメールアドレスをリストと呼びます。元ネタの人も言っていましたが今はメールアドレスの価値が下がったのでLineQとか別の方法でもリストを集めます。
定期メルマガ
メルマガ登録すると定期的にあなたを興奮させるようなメールが送られてきます。日々のメールで読者を教育します。日々のメールで教育された読者はインフォプレナーやアフィリエイターが提供する商品が欲しくなってしまいます。
販売ページ
販売ページに行くとまた長いランディングページが書かれています。メルマガで教育された人は言わずもがな買いますし、興味半分の人もコピーライティングと呼ばれる購買心理学を応用した文章を見るとついつい買いたくなるようになってしまいます。
また劇中の沢村もそうですが1度買ってしまうと財布のひもが緩んでしまうのが人間の心理です。そしてバックエンドと呼ばれるさらに高額の商品を売りつけられたりします。
備考
だいたいこんな感じでセールスをかけて行きます。天生翔や元ネタの与なんとかさんクラスになるとSNSの代わりにテレビ出演、定期メルマガの教育をすっとばして無料セミナーで教育をして商品を販売します。
コピーライティングを用いたLPは一般企業のセールスページ等でも行われておりますし、リスト取りも無料クーポンと引き換えにLineに登録、とかがあるようにこれらの販売戦略は何も情報商材に限ったことではありません。割とその辺でも使われています。
批判される理由
単純に値段と中身が釣り合っていないからです。私はいくつか商材を購入して、情報商材の塾にも多少お金を使いましたが費用に見合うほどクオリティを感じませんでした。
ただ情報商材自体を犯罪と言えるかは怪しいです。原作でも明言されていますが特定商取引法で逮捕された情報商材案件はありません。
犯罪になりうるのは劇中の苅部が恐喝をして商材を買わせた場合や、販売するものが著作権に違反していている場合。(実際に逮捕者がいたようです)
商材自体が違法性のあるものとするのは難しいようです。
情報商材から身を護る方法
買った側・売った側の両方の経験からのポイント。
SNSを見ればわかる
- 月商○○円達成
- 意識高い系の発言
- 仲間内でワイワイしているパリピっぽい写真
- 本名(本名っぽい)@肩書←みたいな名前
- やたら特定のURLに誘導したがる
などはだいたいそうです。
他にもフォローボタンを押すと『○○さんはどこ住みですか?』や『ただいま無料公開中<URL>』みたいDMが来るのもだいたい業者。
URL先のページで分かる
縦長のLPに飛ばされて何回も<登録はこちら>と記載がある場合は販売用のページです。
また飛んだ先が独自ドメインでなくアメブロであった場合も注意です。アメブロは有名人も利用していることからそれに釣られたネットリテラシーが低い人も多い、またアメーバキングと呼ばれる集客用ツールも使えるため業者の温床となりやすいです。
絶対と言うことはないですが飛んだ先が『はてな』なら安心していいと思います。
ネットリテラシーの高い人が集まるはてなブログで情報商材の販売を始めてる奴は馬鹿だと思う。
ただ絶対の予防策はない
この手の商材は利用する媒体、販売する価格やもの、アプローチが常に変わります。有名ブロガーのサロンやNoteもある意味情報商材と言う扱いになります。
だから絶対の予防法はなく、最終的には本当にあなたにとって必要なものか自分自身で考えることが必要になると思います。
いくらかお金を払い、元同業の売っているものを見させて頂いた感じたのは、ほとんどのものは高値で買うに価しません。
だいたいのことは調べたら無料で出てきますし、2000円で出版社から出ている本を買えば済む話です。
なのでこれからネットビジネス系の塾に入ろう、何かの商材を買おうとしている人は一端踏みとどまって考えてほしいです。