トップ > 中日スポーツ > 大相撲 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【大相撲】

遠藤、2敗死守 ゴーゴーカレー食べ豪栄道倒す

2016年9月23日 紙面から

遠藤(左)が寄り切りで御嶽海を破る(佐藤哲紀撮影)=両国国技館で(神代雅夫撮影)

写真

◇秋場所<12日目>

 (22日・両国国技館)

 大関豪栄道(30)=境川=は横綱鶴竜を押し出し、初日から12連勝として単独首位を守った。横綱日馬富士(32)=伊勢ケ浜、新関脇高安(26)=田子ノ浦、平幕遠藤(25)=追手風=はいずれも2敗を維持。13日目に高安と遠藤が敗れ、豪栄道が日馬富士戦に勝てば、豪栄道の初優勝が決まる。

    ◇

 「怖いと相撲、取れないですからね」のひと言に、故障からの完全復活を目指す遠藤が、土俵への熱い思いを込めた。アマチュア横綱の後輩御嶽海の右上手をがっちりつかみ、一気に寄り切り。白星を2桁まで伸ばし、星の差2つで優勝戦線に踏みとどまった。

 昨年春場所で、左膝の前十字靱帯(じんたい)を断裂してから、1年半。体と対話し、付き合う覚悟は固まってきた。「こればかりは、時間でしか解決できない。時間とともに良くしたい」。師匠の追手風親方(元幕内大翔山)は「(けが前の)80%を100と思うしかない」と我慢の必要性を説く。

 これまでの場所前はほとんどできなかった稽古の番数が増えたこともあり、夏巡業はフル参加。周囲の反対にも「休むという感覚はない」「出ないとダメ」という若武者の土俵への覚悟が上回った。

 復調へ試行錯誤の場所前、普段はクールな遠藤の顔をほころばせる思いがけないプレゼントが、故郷の石川県から届いた。「金沢カレー」の店を全国展開する「ゴーゴーカレーグループ」(金沢市)から「生涯無料券」を贈られたという。追手風親方は「珍しくニコニコしていたよ」と振り返った。

 ゴーゴーカレーの店名の由来は、創業者が活躍にあやかった同県出身の松井秀喜さん(元巨人、ヤンキースなど)が、長年背負った背番号だ。

 取組後に「好きですよ、カレー。大食いはしないけど」と一瞬だけ笑った遠藤。国民栄誉賞にもなった故郷の先輩の背中はまだまだ遠いが、石川からの「ゴーゴー」の応援で、まずは「ゴーエイドウ」ならぬ豪栄道を追い掛ける。 (志村拓)

 

この記事を印刷する

PR情報

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ