情報公開請求窓口にカメラ 市民苦情で撤去
大津市が、市役所の情報公開請求窓口に防犯カメラを設置し、市民からの苦情を受けて今月9日に撤去していたことが分かった。市は「防犯目的で設置したが、必要性が低いと判断した」と説明。許認可を求める市民が訪れる他の窓口にあるカメラ9台も順次撤去するとしている。
市によると、2009年に防犯カメラの設置運用指針を定め、職員の安全確保や不当要求対策、盗難防止を目的に庁舎内に計61台を順次設置してきた。情報公開窓口がある庁舎7階の市政情報課には12年3月に「防犯カメラ設置中」の張り紙を掲示して1台を設置。撮影した映像は職員がモニターで確認でき、2週間保存していた。
最近になって市民から、「行政をチェックするための場所を監視するのはおかしい」「請求しにくくなる」といった苦情が寄せられ、今月7日には市議が防犯カメラの運用を巡る質問を市議会で行うと通告していた。
毎日新聞が近畿2府4県と府県庁所在市に確認したところ、情報公開窓口に防犯カメラを設置していたのは大津市だけだった。情報公開制度に詳しい服部孝章・立教大名誉教授(メディア法)は「情報公開制度に逆行する。市民に来てほしくないのかと感じる。窓口に置くのはおかしい」と話した。【田中将隆】