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本部

目覚めてはいけない

睦月江介

形態
ショート
難易度
やや難しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
8人 / 5~8人
英雄
0人 / 0~0人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2016/09/17 18:54

掲示板

オープニング

 愚神……その人類の脅威に遭遇すれば、一般人であれば逃走を図るか勇敢な人間ならば無謀にも挑もうとするかのどちらかがまっとうな反応だ。だが、今目の前にある光景はそのどちらでもないが故に、異質だった。
「ああ……お願いします! どうか私にも慈悲を!」
「私にも、どうか……この命尽きようと構いません!!」
 水着を思わせる煽情的な衣装に身を包んだ女性は、蛇のような尾を揺らし、人間ではありえないような宝石を思わせる目を細めて微笑む。
『ええ、構わないわ。あなた達のライヴス、貰ってあげる……くれるというものを無下に断るのは悪いものね』
 猛禽の足と翼をもつ愚神は、配下を従え、海岸を我が物顔で歩く。
『フフ……私に素敵な贈り物をしてくれる人間がたぁくさん……誰が来ようと無駄なことだし、この力がもっと強大になるときが楽しみだわ』
 ところ変わって、HOPE支部。今回の愚神出現に際し、職員が最初に述べたのは全員の覚悟を問う台詞だった。
「……君達は、いざとなったら横にいる仲間を攻撃できるか?」
「……どういう意味だ?」
「言ったそのままの意味だ。今回の愚神はデクリオ級だが実に極端かつ厄介な性質の持ち主でな、厄介さだけで言えばケントゥリオ級に迫るかもしれん」
 実質1ランク上、とまで言われるのだから由々しき事態と言える。職員はゆっくりとその『厄介な性質』を説明し始めた。
「能力的には遠距離攻撃力は皆無、防御力も低い。猛禽の足と翼をもつ飛行型・女性型でその鋭い爪と飛行能力を生かした近接攻撃力は高いが実質的には本人の戦闘力はそれだけで高くない。だが、遠距離攻撃が厄介極まるんだ」
 攻撃力がないのに、厄介という意味が分からないと考えているところに、その答えが告げられる。
「ダメージはないが、強力な洗脳効果を持つ光の矢を発射してくる。それを受けた相手はとにかく『攻撃を受けようとする』それこそ、味方の攻撃だろうが敵の攻撃だろうがお構いなしだ。幸い強い衝撃を受ければ解除されるようだがな」
 つまり、光の矢を受けると積極的に敵の盾になってしまうのだ……被害を受けると予想される人々も、同様に洗脳されて自らライヴスを差し出すというのだ。与えられるものとはいえ、ひどい被虐趣味(マゾヒズム)もあったものである。
「敵からすれば光の矢の範囲内にいる限り、相手は勝手に同士討ちするから遠距離攻撃力はなくてもいいわけだ。同士討ちを免れて距離を詰めても、近接攻撃は相手の得意分野……厄介さが少しはわかってくれたか?」
 否応なく、理解する。これは確かに厄介だ。では、矢の範囲外からの狙撃はどうか? という点だが、それまでもしっかりカバーされているという。
「取り巻きに影絵のような2体のミーレス級を連れているんだが、こいつらも攻撃力をほぼ持たない代わりに魔法・物理問わず射撃への防御力が高く、愚神が苦手とする長距離射撃に対する盾の役割を果たす」
 仲間を攻撃する覚悟をしたうえで、洗脳をかいくぐって倒さなければならない相手というのだから確かに厄介極まりない。ケントゥリオ級に匹敵すると言われるのも納得だ。幸い耐久力は低いらしいが、それでも相応の被害は避けられまい。
「愚神の識別名は『ダリア・ハーピィ』。なにぶん厄介な相手だが、出現場所も厄介でな、無理強いはしないが辛い戦いは覚悟してくれ」
 出現場所は、地中海を望むスペインの海岸。早い時間の出現故にすぐに被害が出る、という事はないが時間を駆ければ観光客が押し寄せることは想像に難くない。時間との勝負まである、という事だ。一応HOPE側で時間は稼ぐが、それでも限界がある……今回の任務の困難さを考えると、心苦しいというのが見て取れる職員はそれを押し殺すように言葉をつづける。
「我々も時間稼ぎには全力を尽くす。すまないが、頑張ってくれ」

解説

作戦目的 ダリア・ハーピィの撃破

ダリア・ハーピィ 猛禽の足と翼、蛇のような尾をもつ女性型の愚神。デクリオ級。近距離格闘攻撃力は高いが遠距離攻撃力は0。防御力・耐久力も決して高くない。盾として『シルエット・ガーディアン』を連れている。

攻撃方法
猛禽のかぎ爪による蹴りと、手から放たれる光の矢に洗脳の効果。洗脳を受けると『誰かの攻撃を受ける』行動を強制され、そのためにはダリア・ハーピィをかばう行動も辞さなくなる。光の矢は遠距離・魔法単体攻撃で受けてもダメージはありません。射程は10m。

シルエット・ガーディアン
黒い影絵のような男性型の従魔。攻撃力はほぼなく、せいぜい体当たりだが魔法・物理共に射撃防御が高く近接防御は普通。
ダリア・ハーピィをかばうように行動し、特に光の矢の範囲外からの狙撃に関して2体のうちどちらかがほぼ確実にかばう。

プレイング

紫 征四郎aa0076
人間|8才|女性|攻撃
「正々堂々、とは言い難いですね。
良いでしょう。紫征四郎、お相手します!」

◆行動
ガーディアン優先
近接物理
時間のことがあるので
ガーディアンの数が多いなら
ダリアへの射線を開けさせるよう
味方と協力して同箇所で撃破
→射線から無理やり近づきダリアへ攻撃

「全然魅力ないのです! 私は絶対に、あなたに力は貸さないのです!」
ガーディアンを倒しつつ自身にライヴスミラーをかけ
ダリアを挑発し光の矢を返してみる
もしかしたら、何か隙が作れるかもしれません

ガーディアンが減りダリアが攻撃圏内に入ったらダリアを攻撃
出来る限り近接攻撃を仕掛けるが
近づけない場合は弓を使う
「洗脳して利用するのは、本当の連携ではないのです」
「スキルに頼ってるだけじゃないですか、本当に魅力的なら
そんなものなくても守って貰えるのです!」
ダリアに前に出てきて貰えるよう積極的に挑発

キョウヤが洗脳されたらすぐ様クリアレイ
そうできるよう立ち位置を調整しておく
必要なければ狼狽の隙に攻撃できるよう備える

洗脳を受けた味方へクリアレイ
→回数切れなら剣の柄で打つなどし正気に戻す

生命力半分以下の味方にケアレイ

◆自分の洗脳対策
剣の柄のいつも握る場所に画鋲を貼り付けておき
今日はそこを少しずらして戦う
洗脳された場合いつもの場所に握り直すと思うので
痛みで自発的に戻れたら……いいですね
「まぁ、やらないよりはマシでしょう。
痛いのは嫌ですけど、皆に攻撃されるよりは良いですから」
御神 恭也aa0127
人間|16才|男性|攻撃
【心情】
「確かに無制限に盾を生み出す能力は厄介だな」

【友人】
紫 征四郎
狒村 緋十郎

【行動】
仲間とは攻撃を仕掛けるタイミングはズラしてガーディアンが居ない方向から攻撃を仕掛ける
光の矢は、姿勢を低くしてジグザグに進み相手が照準を合わせられない様にして距離を詰める
そのまま接近出来たら一気呵成を使用して翼か腕を狙えるなら斬り落とす

洗脳された場合は、可能であればダリア・ハーピィの傍に侍り仲間が正気に戻す為の一撃を待つ
洗脳が融けた時にハーピィが近くにいない様なら、洗脳が融けていない振りをして仲間からの攻撃を受ける素振りを見せて近付いて電光石火を使用
近くにいた場合は、状況の確認を無視して電光石火を使用
「此方の予測通り自分の盾として近くに配置したか」
相手が狼狽したら仲間に知らせて攻撃を集中して貰う
仲間の攻撃射線に邪魔にならない様に注意して移動して、相手の腕や武器を狙って疾風怒濤を使用して光の矢を使用不可にする

依頼終了後、HOPEに連絡を入れて討伐完了を報告して傷の治療を行う
「やれやれ、作戦上仲間からの攻撃は覚悟していたが・・・自ら喜んで痛みを受けて行く者の気持ちは判らんな」

年少組が被虐趣味について判らない時は、教えようとする者を物理的に止める
「世の中には知らなくても良い事がある・・・そのまま。穢れの無い綺麗なままで居てくれ」

※アドリブOK
黛香月aa0790
機械|25才|女性|攻撃
「私は二度と貴様らの玩具にはならんぞ。必ずこの世から抹殺してやる!」

かつて愚神によってサイボーグ改造され、洗脳されかけた彼女にとっては、今度の敵は最も憎いタイプの愚神だ。
コイツの仲間が私を洗脳しようとしたわけではなかろうが、二度と洗脳されないためにまずはコイツから必ず息の根を止める。

最初に従魔二体を排除し、それからダリア本体を叩き潰す。
遠距離からライフルで従魔二体を攻撃し、牽制しておく。
その後大剣で斬り掛かり大打撃を与える。
従魔を倒したらダリアにライフルで攻撃しつつ接近。
側面や後方に回り込んで大剣で斬撃。
武器の最大射程を維持。
スキルは従魔二体に対しては「ヘヴィアタック」を、ダリア本体に対しては「疾風怒濤」「ストレートブロウ」を使う。
仲間が洗脳されたら徒手打撃なり銃で殴るなりして無理やりにでも目覚めさせる。
自分が洗脳された場合もそうしろと仲間に言っておく。
奴らに洗脳されるくらいなら死を選ぶ、それくらいの覚悟で戦う。
「私がトチ狂ったら迷わず攻撃しろ。このままここで奴の操り人形になるわけにはいかん」
「あの時私を洗脳しようとした奴は誰だ?・・・・フン、答えは期待しない。だが貴様が愚神である以上生かしておく訳にはいかん。連帯責任だ、ここで果てろ!」

九字原 昂aa0919
人間|20才|男性|回避
周囲を従えるといえば聞こえはいいですが、結局は自分だけだと何もできないんですよね
だから、こうやって追い詰められるんです

■行動
基本方針としては、手数でガーディアン等を押し切り愚神を撃破します。
遠距離、あるいは近接で愚神を攻撃し、ガーディアンに庇わせることで優先的に撃破。
味方が洗脳された場合は、可能なら多少手加減をしつつ攻撃して正気に戻します。

僕個人の行動としては、近接戦を挑んで足止めと妨害を実施。
予め潜伏を使用して気が付かれないように接近。
可能なら背後等の意識が向いていない方向から近づきます。
その後味方へ攻撃しようとするタイミングで不意打ちをかけ、注意を逸らしつつ攻撃を妨害。
また、縫止も使用して封印を付与し、洗脳を封じる事が出来ないか試してみます。
近接戦闘では相手の手を狙い、光の矢の狙いが定められないようにダメージを蓄積。
隙あらばハングドマンの鋼線を翼に絡め、飛行能力を阻害します。
愚神にダメージが蓄積して来たら、猫騙で行動遅延をかけて味方に畳みかけてもらいましょう。

奇襲時
「人を足蹴にすることしか考えないから、足元を掬われるんですよ。」
死角から現れ、わざと声をかけて動揺を誘いながら仕掛ける

縫止使用時
「鳥の標本はお嫌いですか?」
五指の間に針を挟み、一息に投擲して突き刺す

猫騙使用時
「ほら、騙されましたね。」
目の前で唐突に手を叩き、意識を逸らす

アドリブ可
高天原 凱aa0990
機械|18才|男性|攻撃
「う、うん…き、気は引けるけど…その、頑張ってみる…」

仲間を攻撃するかもしれないことに心情的には否定的でも合理的な判断で受け入れている
逆に攻撃される可能性についても止むなしと考えている

・行動
戦闘ではまずガーディアンを優先して狙う
威力のあるドラゴンスレイヤーを装備し、スキルを多用して攻撃し、早期決着を目標とする
ダリアの光の矢の射程に入らないように距離を保ち、近づく場合はガーディアンがダリアとの射線上に割り込む形で盾になるように立ち回る

「悪趣味な性悪女が…その手に乗るかよっ!」

ガーディアンを殲滅後は武器を九陽神弓に持ち替え、距離を保ちながら戦う
命中精度は劣るのでサポートに近い立ち位置を取る

「下手な鉄砲数撃ちゃ当たるってなぁ! 男女平等っ、泣き言は聞かねえぜ性悪!」

・達成後

「こういう面倒な仕事はコレっ切りにしてぇな…。くそダリィ」

終了直後にそんな言葉を漏らして共鳴を解く
アリスaa1651
人間|14才|女性|攻撃
後衛。
初手からウィザード→銀の魔弾でダリア狙い。
ダリアを庇いにきたガーディアンに当たろうと、そのままダリアに当たろうと問題ない。
どちらにせよ討伐対象なのだから。
出来る事なら、先にその羽を引き千切らせてもらいたいかな。…飛行能力、面倒だもの。
ウィザードは効果切れ後再度。
銀の魔弾の残数0で雷上動へ切替。
御神さん…の案には乗る方向。
味方洗脳時は私が攻撃しても構わないけど…状況次第。
物理攻撃が良さそうなら他の人に任せるし、場合によってはクロスボウに変えて攻撃しても良い。
…こちらは手加減する、問題ない。後は本人の耐久力次第。
回復出来る人が少ないから…チョコレート、必要なら怪我した人に渡しても良い。

支配者の言葉はガーディアン殲滅後、ダリアのみになった時に、タイミング見極め使用。
洗脳、ね…じゃあ、あなたの言葉、返すよ。
「誰かの、攻撃を、受けて」
…目には目を、歯には歯をって言葉、知ってる?
あなたもやってきた事なんだから、良いよね、別に?
獣嫌いなんだよね、私達。…堕ちなよ、害鳥。

アドリブ絡みご自由に
古賀 佐助aa2087
人間|17才|男性|回避
佐助「」共鳴『』
「色んな意味で厄介な敵だな、マジで…ま、やりようは幾らでもあるし、援護は任せてくくださいねーっと

戦闘開始後すぐに共鳴
短期決戦で出来るだけ素早く倒せるように
光の矢の射程範囲外に位置取り
スキル、ロングショット、ストライク使用
【SW(斧)】アックスチャージャーの効果使用しレッド・フンガ・ムンガを愚神目掛けて投擲
ブーメランのように投げて手元に戻ってくるようにする
狙いは愚神だが愚神を庇う従魔の撃破が目的
また、投擲する際には味方が光の矢の効果を受けてない事を十分に確認した後
前線の味方の援護をするように攻撃する
同士討ちだけはしないように徹底
『スナイパーの武器が銃や弓だけとは限らないよ。尤も…斧は流石に初の試みだけど、ね!
『案外できるものだね、斧でも援護も。まぁ、流石に次の機会はないと思うけどね

従魔を倒すか従魔が愚神をカバーできない状態になった際、装備をLpCへと変更
味方が洗脳状態になっていないことを確認
スキル、ブルズアイを使用し愚神を狙撃
『その隙、逃がしはしないよ!Fire!

戦闘終了後
「人の性癖についてどうこう言う気はねぇけど、それを人に押し付けるような事は野暮ってもんだよなー

アドリブ、交流歓迎
狒村 緋十郎aa3678
獣人|32才|男性|防御
アドリブ等大歓迎

「ダリア・ハーピィ…俺を…その蛇の尾で締め上げて、猛禽の足で踏み躙ってくれ…!」
既に目覚めてしまっている真性ドMゆえ洗脳前から上記の調子

「従魔二体が邪魔だな…先ずは、貴様らから始末してくれるッ!」
戦意昂揚の動機不純:愚神に苛めて貰いたい

背中に漆黒の巨翼(希望の御旗・改)を拡げ自身と仲間の攻撃力増幅

柄に吸血茨の絡み付いた魔剣《闇夜の血華》を握り締め更に攻撃力増幅

突貫し近接戦闘を挑む
敵の攻撃は魔剣の巨大な剣身を盾代わりに防御

進路を塞ぐ従魔の一体に初手から《疾風怒濤》
血色の大刃から繰り出される痛烈な三連撃
一体ずつ迅速かつ確実に撃破狙う

仲間洗脳時《怒涛乱舞》
愚神と従魔と洗脳された仲間を巻き込み範囲攻撃

従魔一体屠れば次の従魔に《疾風怒濤》
「もっと近くで…香りを嗅ぎたい。貴様は邪魔だ…ッ!」

従魔掃討後
「さぁ、ダリア・ハーピィ、この俺をっ、存分に痛めつけてくれ…!」

洗脳されれば「ぬおお…俺はっ、野郎に痛めつけられて悦ぶ趣味は無い…!」
苦悶の表情浮かべ魔剣で仲間の攻撃受け止めようとするが
洗脳のため叶わず自ら被弾

愚神の罵りも緋にはご褒美
快感に打ち震えつつ斬り掛かる

魔剣で翼狙い攻撃
足で踏まれ尾で締め上げられ痛みと愚神の香に悦ぶ

御神が隙を作れば愚神に《一気呵成》
転倒させ魔剣を墓標の如く突き立てトドメ刺す

●了
「これも任務だ…すまない。せめて…安らかに眠れ…」
追悼
余韻に浸り遠い目の変態35歳

リプレイ

●裏切りの花との対峙
 地中海を望むリゾート地の海岸……更に朝の涼しい風が心地良い。そのまま何もなければ、思わず泳ぎたくなる快適さだがそうもいかない……目の前には、悪辣極まる愚神が影絵の部下を引き連れ、闊歩しているのだから。
 『ダリア・ハーピィ』……『裏切り』という花言葉を持つ花の名を関する愚神の『敵を洗脳し、自らの盾とする』能力に対する能力者達の反応は、やはり一様に『不快』の一言だった。特に黛香月(aa0790)とってはかつて愚神によってサイボーグ改造され、洗脳されかけた過去を想起させる、最も憎いタイプの愚神だ。
「私がトチ狂ったら迷わず攻撃しろ。このままここで奴の操り人形になるわけにはいかん」
 むろん自分もそうする、と付け加えた香月の言葉は静かながらも怒りに満ちており、高天原 凱(aa0990)を委縮させてしまう程だ。
「う、うん……き、気は引けるけど……その、頑張ってみる……」
 心情的には気が引けるが、合理的判断というのは必要だ。
「色んな意味で厄介な敵だな、マジで……ま、やりようは幾らでもあるし、援護は任せてくくださいねーっと」
 不快感を持ちつつも、それを感じさせない口調のまま視界に敵の姿を捉えると、古賀 佐助(aa2087)はすぐさま共鳴。ほぼ同時にアリス(aa1651)も共鳴し、佐助はレッド・フンガ・ムンガを投擲、アリスは銀の魔弾をもってダリアへと攻撃を開始。
「スナイパーの武器が銃や弓だけとは限らないよ。尤も……斧は流石に初の試みだけど、ね!」
「同時に仕掛ける……ダリアを庇いにきたガーディアンに当たろうと、そのままダリアに当たろうと問題ない。どちらにせよ討伐対象なのだから」
すかさず影絵の従者が主をかばうが、それすらも想定内。香月のライフルによる牽制も加わり、影絵の動きが鈍ったところで接近戦を主体とするメンバーが距離を詰める。
 影絵達の姿が揺らめくのを見て、ダリア・ハーピィは最初に驚愕、次に嗜虐に満ちた笑みを見せる。
『私の可愛いシルエットちゃんが怯むなんて、驚いたわぁ……でも、おバカさん。新しい盾になりに来てくれる人が、こんなにいるんですもの……自分達で勝手に傷つけあって、私を楽しませてね……』

●偽りの従者
 真っ先に敵陣に飛び込んだのは狒村 緋十郎(aa3678)。だがそれは単に勇敢というのが理由ではなかった。彼は洗脳されるまでもなく既に目覚めてしまっている真性ドMであり、愚神に苛めて貰いたいという不純極まりない理由で戦意が昂揚していたのだ。
「ダリア・ハーピィ……俺を…その蛇の尾で締め上げて、猛禽の足で踏み躙ってくれ……!」
 これには愚神もドン引きである。故に守らなければいけないと思ったのか、2体の影絵のうち1体が砲火をかいくぐってかばうように移動する。
「従魔二体が邪魔だな……先ずは、貴様らから始末してくれるッ!」
 血色の大刃から繰り出される痛烈な三連撃。そこに飛び込み、影絵なので表情こそ見えないが息も絶え絶えと言った様子のシルエット・ガーディアンを斬り伏せる紫 征四郎(aa0076)。その小さな姿を忌々しげに見つめ、距離を詰める者達に影絵の主は厄介さの根源……光の矢を放つ。
『私の可愛いシルエットちゃんを消してくれた報いよ……さぁ、私の僕になりなさい♪』
 その矢が捉えたのは征四郎……ではなく御神 恭也(aa0127)。無言のまま愚神に侍る姿に、能力者達は歯噛みする。分かっていてもやはり、味方に武器を向けるというのは気が引ける。先に影絵の従魔を撃破しようとドラゴンスレイヤーを手に距離と詰めていた凱は思わずその足を止めてしまう。そして、そんな隙を逃す彼女であろうはずもない。光の矢の射線にシルエットが割り込むように位置取りをしようという策を考えてはいがのだが、それを行うと今度は自分も味方の射線を妨害してしまう、と一瞬距離を開けたのが仇となった。
『フフッ……これでもう1人……もう1体のシルエットちゃんが消えても元通りね。』
 しょせん従魔、という事か。仲間のシルエットの負傷も『優秀な盾が失われるのが惜しい』という意図しか感じられない。そして、代わりの盾を手に入れた、と調子に乗る愚神だが彼女は侮っていた……味方を攻撃することなどあり得ない、と高をくくってしまっていた。そのため、次に起きた行動の連鎖、連携に完全に虚を突かれることになる。

●本当の連携という事
 ゴウッ! っと嵐のような烈風が吹き荒れる。緋十郎が《怒涛乱舞》によって味方ごと攻撃したのだ。これに巻き込まれた恭也は洗脳を解かれる。
『なっ……味方ごと攻撃するなんて正気!?』
 こんな罵倒も彼にはご褒美に過ぎず、快感に打ち震える。この一瞬の動揺を逃すわけにはいかないとすかさず征四郎もクリアレイで凱の洗脳を解き、佐助も武器を持ち替える。意識を取り戻した直後、これが好機という事だけわかればそれ以上の説明はいらないとばかりに恭也が《電光石火》による奇襲を仕掛ける。
「此方の予測通り自分の盾として近くに配置したか……今だ!!」
『自分が盾にされることを見越していたの!?』
 ダリア・ハーピィの目が立て続けに驚愕に見開かれる。
「周囲を従えるといえば聞こえはいいですが、結局は自分だけだと何もできないんですよね。だから、こうやって追い詰められるんです」
 潜伏し、気配を悟られないように接近していた九字原 昂(aa0919)が想定外の奇襲によって生まれた動揺を的確につき、死角から言葉とともに姿を現す。
『……っ! 調子に……乗るなぁ!!』
 基本的に防御は他人任せと言ってもそこは愚神。受けたダメージを感じさせない速度で飛び上がり、自身を傷つける原因となった恭也に鋭い爪を振り下ろす。事前情報通り、攻撃に関しては侮れない。
 無意識にガードした腕から赤い雫が飛び散るが、怒りというのは往々にして判断を鈍らせる。
「その隙、逃がしはしないよ! Fire!」
「私は二度と貴様らの玩具にはならんぞ。必ずこの世から抹殺してやる!」
 攻撃のためにおろそかになった側面から香月、佐助の十字砲火が飛ぶ。それでも残った1体の影絵が従魔らしからぬ意地を見せ、文字通り身を挺してその攻撃を防ぎきり消滅する。
『何で……どうして味方を攻撃できるのよ! どうして私のシルエットちゃんが消されるのよ!?』
「洗脳して利用するのは、本当の連携ではないのです。スキルに頼ってるだけじゃないですか、本当に魅力的ならそんなものなくても守って貰えるのです!」
 狂ったように喚き散らし、光の矢を飛ばす愚神に、征四郎はこれ以上ない答えを突きつける。確かに、ダリア・ハーピィの能力は脅威であり、一見完全な連携が取れているように見える。だが、そこには信頼はなくどこまで行っても『主』と『駒』でしかない。だが、能力者達は違う。
 プリセンサー及び職員達からもたらされた情報をもとに十全の策を練り、たとえ洗脳されても『殴ってでも起こす』という方針を固めており互いに覚悟の上。さらに言えば、受け取った情報を信じていたからこそ、こうした無茶もまかり通る……全て、信頼の上で成り立っているのだ。

●非情な報い
 遮二無二放たれた光の矢に、今度は緋十郎が被弾する。
「さぁ、ダリア・ハーピィ、この俺をっ、存分に痛めつけてくれ……!」
 地のような気がしないでもないが、紛れもなく洗脳されている。仕方がない、と昂が手加減したうえで攻撃を加えようとすると苦悶の表情浮かべ魔剣で仲間の攻撃を受け止めようとする。
「ぬおお……俺はっ、野郎に痛めつけられて悦ぶ趣味は無い……!」
 だが、その洗脳は意志だけで抗えるものではなく、抵抗は叶わぬまま無防備になり自らその一撃を受ける。流石にいくら手加減していても、ノーガードであればそれなりに痛い。緋十郎の目に痛みか、男の攻撃をノーガードで受けてしまった悲しみかはわからないが涙の雫が見えた気がした。
『ああん、もう! 使えないわね! 次!』
 彼女にとっては元より使い捨てだが、最低限のダメージであっけなく洗脳を解かれたことに怒りが募り、再び光の矢を打ち込むが既に何度も受けた攻撃であり、対処法はわかっている。
 すぐさま征四郎のクリアレイで洗脳を解除された凱は武器を九陽神弓に持ち替え、距離を取ることで次の矢の影響から逃れる。
「悪趣味な性悪女が……何度も同じ手に乗るかよっ!」
『どこまで生意気なのよ! 人間の分際で! アンタ達は素直に私の僕になっていればいいのよ!!』
 どこまでも傲慢な言葉。その言葉に不快感を覚えたためか、それとも単に好機と見たか、これまで援護射撃に徹してきたアリスが動いた。
「洗脳、ね……じゃあ、あなたの言葉、返すよ。誰かの、攻撃を、受けて」
 それは《支配者の言葉》……洗脳返しという、実に皮肉な宣告だった。
「……目には目を、歯には歯をって言葉、知ってる? あなたもやってきた事なんだから、良いよね、別に?」
『ふ、ふざけるな……命じるのは私であって、アンタじゃない!! ふざけるなああああ!!』
 だが、その言葉に抗えず無防備にその身を攻撃の前に晒してしまう。
「獣嫌いなんだよね、私達……堕ちなよ、害鳥」
 冷酷な言葉の後、その身を射抜いたのは昂の縫止。
「鳥の標本はお嫌いですか?」
「ああ、嫌いだね。愚神である以上標本にするまでもなく、生かしておく訳にはいかん。ここで果ててもらおう!!」
 ダリア・ハーピィが目にしたのは大剣を手にした香月の姿。
「あの時私を洗脳しようとした奴は誰だ? ……フン、答えは期待しない」
 ダリア・ハーピィが最後の聞いたのはそんな言葉。実は彼女の過去については知る由もなかったのだが、重要なのは目の前の敵が人類と相いれない存在である事……それだけだった。そのまま悪辣極まる愚神は消滅し、静寂が辺りを包み込んだ……。

●あなたはきれいなままでいて
「こういう面倒な仕事はコレっ切りにしてぇな……くそダリィ」
 事が片付いて、力が抜ける能力者一同……やはり今回は相当やりづらい相手だった。共鳴を解いた凱の第一声がこれなのだから、最早言わずもがなだろう。そして、今回の戦いについて思うところがポロポロと漏れる。
「人の性癖についてどうこう言う気はねぇけど、それを人に押し付けるような事は野暮ってもんだよなー」
 佐助の言葉に同意するように恭也もつい愚痴を漏らす。実際洗脳され、味方の攻撃を受けたのだから重みがある。
「やれやれ、作戦上仲間からの攻撃は覚悟していたが……自ら喜んで痛みを受けて行く者の気持ちは判らんな」
「ええと、そういう趣味を何て言うんでしたっけ……?」
 征四郎が何気なく聞いた問いに、実際『そういった趣味』を持つ緋十郎が説明しようとするが、すかさず物理的に止められる。
「世の中には知らなくても良い事がある……そのまま。穢れの無い綺麗なままで居てくれ」
 こんな依頼である意味間違った趣味に目覚めることもないだろうと切実に祈りながら、恭也は征四郎を諭すのだった……。

結果

シナリオ成功度 普通
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MVP一覧

重体一覧

参加者

  • 『硝子の羽』を持つ貴方と
    紫 征四郎aa0076
    人間|8才|女性|攻撃
  • 憧れの兄貴
    御神 恭也aa0127
    人間|16才|男性|攻撃
  • エージェント
    黛香月aa0790
    機械|25才|女性|攻撃
  • 軽業師
    九字原 昂aa0919
    人間|20才|男性|回避
  • ブケパロスを識るもの
    高天原 凱aa0990
    機械|18才|男性|攻撃
  • 鏡合わせの二人
    アリスaa1651
    人間|14才|女性|攻撃
  • 厄払いヒーロー!
    古賀 佐助aa2087
    人間|17才|男性|回避
  • 全てご褒美
    狒村 緋十郎aa3678
    獣人|32才|男性|防御
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