• 猫譚

【猫譚】砲戦ゴーレム運用試験、vsデカ羊

マスター:柏木雄馬

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2016/09/09 09:00
完成日
2016/09/17 19:51

オープニング

 前兆はあった。
 王国の各地でそれは散見されていた。
 『何か』をきっかけに目撃例が増大した妖猫ユグディラと。そして、方々でなぜか歪虚に襲われている彼らを。

 そして、その日はやって来た。

 王国西部リベルタース地方── 海を隔てて歪虚本拠地イスルダ島と対するかの地の海岸線には監視塔が立ち並び、歪虚の上陸を警戒する『防人』たちが詰めている。
 その日、彼らは目の当たりにした。昏き海より現れ出でる、羊型歪虚の大群を。


「はんちょ~、はんちょ~! 海からおっきい何かがこちらに向かってやって来ますよ~?」
 同刻。同海岸、第十六監視塔──
 木組みの簡素な監視塔の上で見張りに立つ部下の女兵士、ノエラ・ソヌラの間延びした声を聞いて、班長ジャスパー・ダービーは己の眉間を指で揉みながら、監視塔へと怒鳴り返した。
「だから! お前は! 報告は明確に行えと……」
「え~。実際に見た方が早いですよぉ~」
 そう言って、監視塔の上からポイと望遠鏡(←舶来品=高価)を投げてよこすノエラ。ジャスパーはなぁっ!? と目を見開いて慌てつつ、どうにかそれを両手で受け止め、心底ホッと息を吐く。
「ないすきゃっちです~」
「ド阿呆ッ!」
「え~?」
 それ以上、バカの相手はせずに望遠鏡を海上へと向けるジャスパー。大型歪虚は既にその身体の半分以上を水上に現す所にまで来ていた。
「なんだ、アレは…… 水に濡れた長毛種の様に見えるが」
「ワンちゃんじゃありませんよぅ。ヒツジさんです。ほら、頭の所に巻角が」
 正直どうでもいい、と思いながら、ジャスパーは部下たちに後方への退避を命じた。とてもじゃないが自分たちでどうこうできるレベルの敵ではなかった。
「はいは~い。前衛基地まで退却ですね~?」
「何言っているんだ、お前…… 今頃、前衛基地でも大慌てで撤収準備をしているぞ?」
 監視塔の上から『梯子を』駆け下りて来たノエラに対し、部下の一人、ルイ・セルトンが呆れた様に答えた。
「大規模侵攻があった場合は前衛基地は放棄し、ハルトフォートへ合流する…… そんなの、海岸配備の兵隊なら常識だぞ?」
「ええっ!? どうしましょう、前衛基地にはお気に入りのぬいぐるみたちが!?」
「……私物を持ち込んでいたのか? ほんと、お前はバカだなぁ」
 ルイがバカにした瞬間、ノエラが剣を抜き放ち。ヒィッ!? としゃがみ込んだルイを目がけて高速で飛翔してきた『何か』を、ノエラが剣の腹で叩き落とす。
「敵、上陸です」
 海岸を見やって、だが、やはりどこかのんびりと、ノエラ。
 巨大ヒツジはその背に大勢の『人型羊』を乗せて来たようだった。わらわらと地面に下りて周囲に展開し始めた人型羊たちの一部が、同胞の角をパチンコ代わりにして礫の長距離射撃を仕掛けてきていた。
 残りの人型羊たちは大型ヒツジの周囲に展開し…… 両手をデカブツに向け、温風を吹かせ始めた。海水に濡れた大型ヒツジの長毛が見る間に乾き始め…… クルンと巻き毛に戻った体毛が白から鋼色へと変わる。
「これがほんとのスチールウール(?) さすがは傲慢の歪虚……! 身だしなみが整うまで前進はしないのですね……!」
「いいから」
 ジャスパーに耳を引っ張られて撤収していくノエラたち。狙撃の為に放たれた礫が、その周囲の地面に弾ける……


 数刻後。砲戦用ゴーレム実験場──
 大型ヒツジの上陸を知らされ、急遽、実験が中止となって。ハルトフォート砦の『特殊兵站幕僚』ジョアン・R・パラディールは、慌ただしく撤収準備を進める実験場を丘の上から不機嫌に見渡した。
 眼下に広がる平原には、立ち並んだ4台の砲戦用ゴーレム(実験機)──いずれも大砲運用の為に、自動装填・砲角調整・姿勢制御といった方面の刻令術を追加・修正した最新バージョン。機体数も以前の2機から4機へと倍増した。(ちなみに、貴重な刻令術師の増員は成されなかった為、担当者エレン・ブラッドリーは単純に倍の作業量。今も、突然の撤収命令に四苦八苦しながら大慌てで撤収準備を進めている……)
 本来ならば、今日は、それらの実験機を使って、ハンターたちのユニットと共に、他機種との連携を見据えた運用実験を行う予定であった。だが、突然の羊型歪虚の大規模上陸によって中止を余儀なくされた。
(まったく、なんだって、寄りにも寄って、こんな日に…… これだけの規模の実験準備に幾ら掛かったと思っているんだ。関係各所への根回しに、どれだけ苦労したと思っているんだ……!)
 軍人ジョアン・パラディールは『特殊兵站幕僚』──大砲開発をこよなく愛するハルトフォート砦司令ラーズスヴァンに、砲戦ゴーレムに関する書類仕事の諸々(予算の獲得とか関係各所との折衝とか)を丸投げされた新任士官である。いつの間にか彼の思考法は軍人というより商人のそれになっていた。
(だけど、仕方がない。万が一、戦闘に巻き込まれでもしたら…… ここで実験機を失うわけには…… でも、予算……)
 大慌てで撤収準備の進む実験場で、煩悶とするジョアンを呼ぶ声── 顔を上げると、そこには馬に跨った連絡将校の姿。ジョアンは慌ててそちらに駆け寄ると、手渡された命令書を広げた。
 そこに記されていたのは、大型ヒツジの最新の情報──前衛基地を蹂躙(と言っても、文字通り西から東へ通過していっただけだが)した大型ヒツジは現在も進撃中。現在のルートのまま東進すれば、実験場を直撃する、というもの──と。二枚目に、ラーズスヴァンの直筆で、「やれ!」と書かれた、ただ一言。
 ジョアンの思考法が、商人のそれから軍人のそれへと変わる。……どちらにせよ、大型歪虚を止められる戦力なんてそうそうないんだ。それに、今ならハンターたちのユニットも普通に戦力として計算できる……!
「砲戦用ゴーレムの撤収準備、終わったわよ」
 ぜいぜいと息を荒くして駆け寄って来たエレンに、ジョアンは命令書を見せ、再び戦闘態勢を取らせるよう指示を出した。
「はあっ!?」
 エレンは、開発者としての思考法で、その指示に反駁した。
「実戦ですって!? ちょっと、どうしちゃったのよ。こんなところで壊れでもしちゃったら……」
「こんなところで壊れるようなものでは困るんだよ、軍(=スポンサー)としては。それとも何か、『君の』ゴーレムたちは『この程度の』実戦に耐えられないとでも?」
 ぐっ、と言葉に詰まり、やってやろうじゃないの! と踵を返すエレン。彼女が向かった先の作業員たちからも悲鳴が上がるが、ジョアンは気にしないようにする。
(まったく、ろくでもないよね。僕も、誰も彼も……)
 ジョアンは大きく溜息を吐くと、事情をハンターたちに説明すべく、彼らが控えるテントに歩を進めた。

プレイング

クオン・サガラ(ka0018
人間(蒼)|25才|男性|機導師
戦車のない世界での砲撃戦

まあ、航空機はなく、輸送の機械化も済んでいないクリムゾンウェストでの「砲撃戦」はリアルブルーの人から見るとかなり歪に感じるのですよね。
まあ、その責任の一端は我々にもあるので…ベストを尽くしていきたいです

今回は「砲戦ゴーレム」の実用化の為の実戦演習なんで、戦闘自体も砲戦ゴーレムを主体とし、足りない物を炙り出す事にします

(戦闘)
役割としてはCAMの機能をフル活用してのゴーレムの護衛兼弾道計算と指示です
まずは…時間がある限りゴーレム操作要員と弾着観測担当と話をつつトランシーバーの周波数を合わせて基本的な所は詰めて置きます

ゴーレムとCAMでは最大射程の差があるので目立ち過ぎない様にゴーレムのやや後方で膝立ちで配置につきます

CAMのセンサーが敵を補足したら位置の算出を始め、「ゴーレムの射程に入る未来位置」を出します
そして、最初は(作戦は優先します)が可能ならそこを目安に砲撃してもらい、弾着の報告を合わせてゴーレムの最低射程までは再計算を繰り返し、弾種の特性も考えつつ味方を巻き込まない様に考えて指示を出します

最低射程迄生き残りが来たら支持は他の人に任せて今度はこっちが囮になる感じで前方に進出し、太刀を抜いて迎え撃つ事にしますが…まあ、他の味方がいるので打って出る必要性は薄い気もしますが…心構えはします
まあ…自前のCAMを使っての初の実戦ですけど…
色々と用意が済んでいないのでグダグタになる気もしますが、極力作戦に影響しない様に気を付けたいですね

それにしても、前装砲に自動装填というのは、リアルブルーでは花火や擲弾筒位なんで何とも言い難いのですが…
正直、精度的に限界が速そうなんで…ここでヒントを与えても実用化は無理そうなんで今後に期待したいと思います
アルト・ハーニー(ka0113
人間(蒼)|25才|男性|闘狩人
・埴輪1号と共に参加。埴輪型の魔導アーマー…には出来なかったので埴輪のマークがついてたり、どことなく埴輪っぽい形にしてたりする。
コックピットにもしっかり埴輪は飾ってあったり。
砲撃の邪魔にならないようにしつつゴーレムの前に立ち砲撃観測&敵の射撃からゴーレム護衛。
まずはゴーレムの砲撃の様子を見守る。
「大規模以外じゃ初稼働、だな。ま、今回の主役は埴輪でなくあっちのゴーレムのようだがね」
「埴輪型ゴーレムとか誰か作ってくれないかねぇ…。ハンマー持たせて(」
「まずはゴーレムの射撃でどこまでやれるか、かね。命中に難があるってのは本当見たいだねぇ」

・目標がある程度近づくまでは待機し砲撃に任せる。
他の機体が動いたらこちらも起動。大型羊へ接近。近接戦へ。
アイアンボールを振りかぶり殴りつける。
基本的には近接オンリー。というか近接以外何も出来ないのでただただ殴りつけていく。
砲撃の射線をあけつつ最悪止めはゴーレムにしてもらおうか、と。
「んん、そろそろ流石にやばそうかね、と。こっちも前に出るとするかねぇ。あのふわふわの毛…打撃緩和とかだったら嫌だけどな、と」
「目からビームはロボットなら格好いいが羊ではね。ふわふわなんだから癒し系として生きててほしいとろこなんだぞ、と」
「おっと、衝撃は勘弁してくれよ。せっかく飾った埴輪が落ちて割れちまったら困るじゃないかね」
「デカブツへの止めはやはりゴーレムのほうがいいのかね。射線はあけてるんだ、外さないでくれよ?」
ヒース・R・ウォーカー(ka0145
人間(蒼)|23才|男性|疾影士
心情
試作兵器の実戦運用テストねぇ
この手の仕事を請けると碌な目に合わないんだけど、請けたからにはしょうがないかぁ
どんな不具合が発生するか分からないけど、仕事をこなすのがボクらの役目だからねぇ
「それじゃ行こうか、アーベント。馴れ合いは無し。ただお互いのやるべき事を成す為に、ねぇ」

行動
主な役目は敵の足止めと情報収集、そして連絡
アーベントに騎乗して敵集団に接近し牽制して足止めを行う
積極的な攻撃は避けヒットアンドアウェイの要領で攻撃したら距離を取る為に移動
「分かっているようだね、アーベント。ただ突っ込んで戦うだけが全てじゃない、ってねぇ」

ゴーレムの最初の砲撃の際は敵集団から距離を取って砲撃精度を確認
砲撃の予想着弾地点には絶対に入らないようにする

情報収集は敵の正確な位置やゴーレムとの距離、敵攻撃の射程などの情報、ゴーレムの砲撃着弾地点の観測情報などを収集し味方に連絡
連絡にはトランシーバーか魔導短電話を用いる
「できる限り情報を集めて送る。活用できるかどうかはそっちの仕事なんでよろしく頼むよぉ」
味方がゴーレムの砲弾を切り替えたときは連絡をもらえるように要請
「敵に近づく役目のボクらにも情報はちゃんと回してくれよぉ」

敵が分散しすぎるようならアーベントから降りて別々に行動も行う
「向こうの足止めは任せるよ。ボクはこっちだぁ」
アーベント単独行動時は狼刀を主軸に牙も交えた近接戦重視で『クラッシュバイト』を使用
『マウントロック』は牽制時の使用は控える

ヒース単独行動時
刀を用いた近接戦主体、手裏剣で牽制
敵攻撃は『幻舞』で回避
敵が直線状に並んでいたら『ランアウト』と『血翔』を併用して攻撃
「嗤え」

別行動をしていた場合、敵の数が減ったり大型ヒツジの足止めを重視しなければならない時は合流して移動と戦闘を行う
騎乗時は手裏剣で牽制し近接攻撃はアーベントに任せる
「ボクが牽制、お前がとどめ。やれるだろ、アーベント」
ロニ・カルディス(ka0551
ドワーフ|20才|男性|聖導士
あのサイズだと、金たわしがいくつできるのやら……
まぁ、取らぬ狸のなんとやらだな

■行動
基本方針としては、敵を足止めしながらゴーレムの砲撃を当てていく。
ゴーレムはその場で砲撃姿勢を取らせ、着弾修正による命中重視。
序盤は炸裂弾で砲撃し、人型羊の掃討が終わる、
又は炸裂弾の範囲に収まらないほど拡散したら、円弾で大型ヒツジを狙う。
着弾修正で砲弾の命中が見込まれる状態になれば、粘着弾を大型ヒツジに放ってその場に足止め。
同時に敵が風下の場合以外は、煙幕弾を敵とゴーレムとの間に放ち、
煙幕を壁として敵に照準をつけられない様にしつつ、
ゴーレムは味方からの情報を元に間接照準で砲撃を続ける。
俺達ハンターは近接して敵の足止めや、砲撃から外れる人型羊の駆逐を行い、
ゴーレムに敵が肉薄しないようにする。

俺個人の行動としては、ゴーレムの操作、又は直掩として守備に就く。
ゴーレム操作の人出が足りなければ、味方からの情報を元に照準をつけて砲撃。
狙いはなるべく同じ個所に集中させておく。
敵がゴーレム付近にやってきたら、迎撃に出てそれを撃破。
レクイエムで行動阻害をしつつ、セイクリッドフラッシュで纏めて攻撃。
または、ジャッジメントで足止めだ。

開始時
「実地試験、と言えば聞こえはいいが、要はぶっつけ本番だな。」
ゴーレムを見上げながら

終了時
「試験としては、これぐらいで十分か?」
倒した敵の状態を眺めながら
ミグ・ロマイヤー(ka0665
ドワーフ|13才|女性|機導師
「実戦をもって運用テストとするか。対応可能とはいえ不測の事態は否めない。皆の者十分に警戒するのがよい。」
確かに鈍重なゴーレムを率いて撤退など不可能だが、テストベッド状態の新型で敵の撃破を望むには不安要素が多すぎる。
その点も含めて楽観視はせずに常に戦場全体を注視して事に当たる事を覚悟するミグであった。

目的:歪虚をゴーレムと連携撃破し、無事に持ち替える。

初期のゴーレムによる砲撃プランはメイム殿の物を採用。
ただし敵もバカじゃないから人型羊が5体以下になるか全滅した時点で風向きを見て中距離と近距離の境界線あたりに「煙幕弾」を展開。大型羊の射線を遮り敵からの攻撃を防御。薄れそうになったら随時追加して煙の壁を絶やさない。
その後は6機中1機に煙幕弾、3機に「通常弾」。2機に「キャニスター弾」を装填して待機。煙を割って抜けてくるような敵には猛射して吹き飛ばさせる。「キャニスター弾」には歪虚への効果は皆無らしいが、狙いを攪乱する程度の効果で連射させておくき時間稼ぎをさせその間にミグらで追いついて殲滅する。
突撃後は伝播増幅や連結通話で砲撃チームとは連絡を絶やさずに戦況に合わせて砲撃方法を指示していく。

「炸裂弾」による砲撃が開始されたらミグらは進軍開始。炸裂弾による円形着弾範囲を迂回して大型羊の後方に回り込む。
途中邪魔する人型ヒツジは踏み潰すか、蹴り殺すか斬り殺して駆逐。流れ弾は盾ではじく。

大型羊の後方に回り込めたら巨体を盾に炸裂弾の攻撃を回避。これ以降は味方の砲撃範囲に入らないように常に盾にするように動く。
スラスターライフルで頭部に攻撃を加え早期に光線兵器を破壊。
射撃しつつも接近は続行。撃ち尽くしたら武器は投げ捨て(後で回収、両手武器の大轟刀を引き抜いて一気に頭部に切りかかり目を潰す。この後に砲撃を体側の片側に集中させてこちらの位置を錯覚させて敵の侵攻方向を誘導、体当たりを阻止。順次解体。

天央 観智(ka0896
人間(蒼)|20才|男性|魔術師
【心情】
「運用コンセプトが崩壊していますね……数で面制圧するには、数が少な過ぎますし。かと言って、命中率を上げる為等の……運用面も含めた、各種提言は……しっかりと流されていますからね。まぁ、実戦から学ぶ事も多いですか……無事に乗り切る事を、最優先に……でしょうね」

【目的】
砲戦ゴーレムの実戦テストを無事に乗り切る

【行動】
砲戦ゴーレムの実戦試験として、大型ヒツジへの『粘着弾』での足留めや、『円弾』等による討伐は…基本的に
見守る方向性で。ついでに『炸裂弾』による人型羊の漸減模様等も。
一応、砲戦ゴーレムの傍らで、主に近寄って来る様な人型羊…或いは、角パチンコで射撃して来る様な人型羊に
対処して…砲戦ゴーレムや、その操縦者達に出る被害を最小限に抑える様に動く。
人型羊の対処が終わり、大型ヒツジが無力化されていたなら…実験の延長として見守るし、それなりに被害が出そうな
状態だったなら…加勢する感じで。
データ取りは重要だけれど…砲戦ゴーレムや、その操縦者が無事なのが大前提だから。

基本的には、CAMに搭乗して装備のアサルトライフルやスラスターライフルによる人型羊対処をメインとするけれど
数が多くて捌き切れない…感じに、多数に押し寄せられる様なら…降りて、杖を持って
『ファイアーボール』や『ブリザード』による範囲攻撃や『ライトニングボルト』による直線状複数体攻撃で
人型羊の漸減・対処も、視野には入れる。まぁ…出来れば乱戦は避けたいし、そういう事態に成らないに越した事は
無いけれど。

一応、トランシーバー等で連絡は取り合って、連携は取れる様なら取るつもりだから…その辺は、ある程度臨機応変に。

【今回の提言】
・砲弾種に155mmLRLAP砲弾の様な長射程噴進砲弾を
・戦闘操作に、タッチパネルディスプレイ式(FCS-3&OYQ-10の様なセンサー系と連動した火器管制)を
・C3I、C4I2的な連携・相互運用機能の追加を
イレーヌ(ka1372
ドワーフ|10才|女性|聖導士
ゴーレムか……なかなかに面白い兵器があるものだな。興味深い。
急遽このような実戦になってしまったが、ゴーレムの性能を見るには好都合と考えるべきかな。

【行動】
私はトランシーバーを使って、ゴーレム部隊とハンター組の間で連絡係みたいなことをしてみようか。
距離による通信不可の可能性を考えて、万が一そうなった場合でも私が双方の状況を伝えられるようにするという感じで。
ゴーレムの使用砲弾や砲撃タイミングについては随時確認して、ハンター組に伝えていくつもりだ。
砲弾の流れ弾等で不要な被害を受けないよう注意する為にな。
距離によっては私が伝える必要は無いだろうが、用心しておくに越したことは無いだろうさ。
ハンター組は余裕があれば、状況について報告をくれると有難いかな。
大型はもうかなりのダメージを受けているように見えるとか、敵の数に押され気味とか。
そうすれば、ゴーレム側に砲弾や狙いの変更も伝えられるだろうから。

少々羊集団に距離を詰められた場合、私も戦力として加わろうか。
『シャドウブリット』が届く範囲に人型羊がいる且つゴーレム部隊からの連絡が無い場合は即支援させてもらう。
あまり羊の数が削れていない場合は、『鳴指』で出来るだけ多く攻撃に巻き込むようにしよう。

無事に殲滅出来たなら、今回頑張ったゴーレム達をじっくり眺めたいな。
折角だから、帰る前に操作方法やらを教えてもらおうかな。
「あれだな、浪漫があるというやつだな」
メイム(ka2290
エルフ|15才|女性|霊闘士
>目的
砲戦ゴーレムの実戦テストを行いつつ迫りくる歪虚群をせん滅する

「ジョアンさん、これの本体って第六商会が売り込んだノーム?別物?」

>準備・提案
ゴーレムは全機使用
2機づつA組B組と呼称、ある程度間隔を置いて横並びで砲撃姿勢で固定
「マテリアル式炸裂弾ってカンジさんが言ってた近接信管を魔術回路化したものでしょう?」
(魔術知識で理解、みんなにも説明)
「巧い構文だよね、あたしも刻令術覚えたいなー♪」

>戦闘
全機炸裂弾を装填
メイムが『ファミリアアイ』でアリスを飛ばし1射目に向けて【観測】を行う
大まかな距離と位置を決めたらA組が砲撃
ゴーレムの弾着観測を受けながら2発目炸裂弾装填
1射目の結果を受けてB組微修正
双眼鏡でも観測し砲撃
B弾着観測受けて煙幕弾装填
A2射目砲撃
Fアイか双眼鏡で1射毎に観測し情報共有
観測後粘着弾装填砲撃
B1前衛が前進するのを隠蔽狙い砲撃
トランシーバーで前衛と連携
B2撤収時砲撃
B粘着弾装填A砲撃後追随
前衛が前進に合わせて執事ヒツジが展開する場合Aは炸裂弾1回使用

Bに円弾装填で大ヒツジに砲撃を継続
大ヒツジ止まらない様ならAは粘着弾1回
これで行けないかなぁ

「下級執事もそれなりだけど、大ヒツジ獣に見えてもアイテルカイト。近づくと固有能力もありそうなので要注意だよ。奴ら魔法抵抗も高いんだよ…。」

リプレイ本文

 砲戦ゴーレムの実戦投入が決まる少し前の事──
 ちびっこエルフのメイム(ka2290)は、刻令術師エレンのゴーレム撤収作業を手伝いながら……同時に口も動かしていた。
「ねえ、エレンさん。『これ』の本体って、第六商会が売り込んだノーム?」
「え? ええ。色々と違う部分もあるけど、基本的には同じ構造のものよ。……もっとも、『中身』──刻令術はまるで別物になってるけど」
 よく喋る娘だなあ、と半ば呆れながら、エレンは律儀に質問に答えた。……もっとも、口が回る以上にメイムは作業を回す手も早く、あれだけ話しながらよくぞ、と感心させられもする。
「あたしも刻令術覚えたいなー♪」
「まだそこまで便利なものでもないのよ? 特にゴーレムは帰納的な段階というか、表層を流用しているに過ぎないというか」
 話ながら最後のゴーレムの撤収準備を終えて。エレンはそれを報告する為、ジョアンの元へと走っていった。
 そして、すぐに戻って来た。そして、不機嫌な表情で、撤収の合図を待つ作業員たちに再び戦闘態勢を取らせる。
「……実戦で運用テスト? 試作兵器……ですらない、実験機で?」
「実地試験、と言えば聞こえはいいが……要はぶっつけ本番だな」
 ヒース・R・ウォーカー(ka0145)とロニ・カルディス(ka0551)が呆れたように言葉を返し。埴輪マークのエンブレムを誇らしげに掲げた魔導アーマー『埴輪1号』── その日除けの幌が張られた操縦席に足を投げ出し、撤収準備が済むまで昼寝を決め込んでいたアルト・ハーニー(ka0113)が、喧騒に眠気眼のまま身を起こす。
「『上』からの命令です! ほらほら、文句言わずに手を動かす!」
 文句たらたらの部下たちを、エレンが尻を叩いて散らしに掛かる。
 ロニはやれやれと肩を竦めて準備に走り。ヒースは深く嘆息しながら、相棒──黒きイェシド『アーベント』の元へと向かう。
「……急遽、実戦になってしまったようだ。が、ゴーレムの性能を見るには好都合と考えるべきかな?」
「対応は可能である。……とは言え、不測の事態である事は否めない。十分に警戒を要するぞ」
 会話をする外見年齢10のドワーフ娘・イレーヌ(ka1372)と、これまたちびっこドワーフ、ミグ・ロマイヤー(ka0665)の後ろを通り過ぎ…… 丘の一角。伏せの姿勢から身を起こしたアーベントの耳元に口を寄せる。
「それじゃ行こうか、アーベント。馴れ合いはなし。ただお互いにやるべき事を成す為に、ねぇ」
 呟くヒース。砲撃にはFO──前進観測班が必要だ。前に出て、出来得る限りの情報を集めて送る。それを活用できるかはFDC──砲撃指揮所の方の仕事だ。
 相棒の背に飛び乗り、出発しようとするヒース。だが、アーベントは動かない。見れば、相棒の尻尾を、追いかけて来たイレーヌが掴んでいた。何か言いたげな瞳でヒースを見上げるアーベント。代わってヒースが彼女に言った。
「止めないでよ。あと尻尾は止めたげて」
「止めないわ。情報は私が中継して皆に伝える。余裕があれば、敵の損害状況とか展開具合とか、細かい報告を貰えるとありがたい」
 イレーヌの言葉にヒースは一瞬、キョトンとした顔をして…… 苦笑しつつ、後ろ手にひらひらと手を振った。
 丘を駆け下りて行くヒースとアーベント。あっ! とそれに気づいたメイムが慌てて、彼女の頭の上で休んでいた桜型妖精「アリス」を揺り起こし。ヒースたちの後を追うよう、指示を出す……

 ロニが風吹く丘の西に立ち。眼下に広がる草原を見下ろす。
 敵は既に丘の上から目視が可能な場所まで進出していた。その呆れる程の大きさが、遠目にも理解できる。
「……。あのサイズだと、金たわしが幾つできるのだろうな……」
 珍しく冗談口を叩くロニの背後に、戦闘準備を終えたゴーレムたちがドシン、ドシンと歩み寄り。背後を振り返ったロニが全機に砲撃姿勢を取るよう指示を出す。
 一方、クオン・サガラ(ka0018)は、待機状態にあった自身の愛機──各部の陸戦向け改修により直線的なフォルムを持つに至った、白地に真紅のカラーリングの魔導型デュミナスのカスタム機──のコクピットの中にいた。
 脳波感知装置を兼ねたHMDを被り、各種スイッチ類に手を伸ばして機体各部のチェックを行う。
 元々移動が予定されていた為、最終確認は最小限の手間で済んだ。無意識によし、呟いて。機体を起こそうとスティックに力を込めたところで、ふと気づく。
(何気に、僕たちも自前の機体で実戦を行うのは初めてなんだよな……)
 感慨は、だが、一瞬。眼前の戦闘に気持ちを切り替えたクオンは、スティックとペダルを操作して愛機『Phobos』の身を起こす。
 そのまま機体を歩かせて、砲撃体勢を取ったゴーレムたちの後ろに、邪魔にならぬよう機体をしゃがませた。そして、トランシーバーの周波数を合わせ、ゴーレム付きのメグ、中継役のイレーヌらと情報伝達に関する基本的な話を詰める。
 その後、クオンは光学センサに大型ヒツジを捉えながら、機体のFCSで測距に役立ちそうな機能を探ったが、やはり歪虚を正確に捉えられるセンサー類はなかった。そこで実験場の地形を元に、地形とヒツジの相関位置から彼我の距離を導き出した。更に、敵の移動距離と時間から、現時点での大型ヒツジの移動速度を割り出し、伝える。
「敵大型ヒツジ1、人型羊20を伴い東へ直進中。位置は──」
「よーし! 全機、砲撃準備! メイム殿、砲撃プランは任せるのである!」
「りょうかーい! じゃあ、ゴーレム2機ずつでA組、B組の2班を編成。以後、各ゴーレムをそれぞれA1、A2、B1、B2と呼称するよ!」
 クオンから報告された敵情を元に、『砲術士官』役のメグが命を発し、『下士官』役のメイムが装填の指示を出す。
「了解。全機、装填。弾種、炸裂弾! まずは随伴する人型羊たちを吹き飛ばすぞ!」
 復唱したロニ(『役職』は辞退した)が操作手たちに発破を掛けつつ、手にした有線コントローラーの砲角調節の摘まみを回し、使用する弾種を選択してから装填のボタンを押した。
 砲撃姿勢を取ったゴーレムたちの両腕が動き出し。右腕が右肩部の大砲を掴んで砲の仰角を調節。左腕は背部の砲弾ラックから砲弾を取り出し、滑らかな動きで砲口へと入れる。
(は? ゴーレムが自分で砲弾を砲に入れた? え? 自動装填ってそういうこと?)
 驚くクオンをよそに、装填よし、とロニがメグらに報告する。
 メイムがチラとメグを見た。
 コクリとメグは頷いた。
 メイムは大きく頷くと、唇をペロと舐めてから、最初の砲撃の指示を出した。
「砲戦ゴーレム、修正射開始ー!」
「修正射開始! A組、撃てー!」
 耳を塞いで叫ぶメイムとロニに応じて、ゴーレムの大砲が『火を噴いた』。比喩である。魔導砲は実際には火は噴かない。が、撃ち出された砲弾は砲口を出る際に衝撃波を砲声として轟かせ、目にも留まらぬ速さで空中に弧を描き…… そして、大型ヒツジから離れたあさっての場所に着弾。土煙を巻き上げた。
「あー、うん、弾は右手前に落ちたねぇ。距離は──」
「了解。FDC、こちらイレーヌ。FOより報告。弾着右近し──」
「全機、砲角を修正! 左二、上げ三」
「……照準良し!」
「B組、撃てー!」
 アーベントの背に乗り草原を疾走するヒースからイレーヌ、メグ、ロニ、メイムとやり取りがなされ、今度はB組の2機が大砲をぶっ放す。先程のA組同様に砲弾が宙を飛び…… 先程よりは近い場所へ、今度は奥側に外れて着弾する。
「……命中率に難がある、ってのは本当みたいだねぇ…… まぁ、あの距離で当てられるユニットなんて存在しないけど、っと」
 丘の上、『埴輪1号』の操縦席。幌の下であぐらを組んだアルトがゴーレムたちの砲撃を見物しながら軽口を叩く。……まあ、敵がある程度近づくまでは出番がないから仕方がない。まずはゴーレムだけでどこまでやれるか、が実験ってことだから。
「やはり、砲戦ゴーレムの数が少なすぎますね。数で面制圧をするという運用コンセプトが崩壊しています」
 双眼鏡で着弾の様子を確認しながら、天央 観智(ka0896)が焦れた口調で傍らのジョアンに話し掛けた。
「まだ実験機の段階ですからね…… 4機あるだけでも贅沢ですよ」
「……せめて、命中率を上げる為の各種提言が実現できていれば良かったのですが」
「そうですね…… でも、今は、現場は今あるものでどうにかやりくりするしかない」
 王国は大国である。が、未だ工業化は成されていない。国内に魔導機械は殆ど普及しておらず、騎士団には騎兵砲も配備されてない。国内に近代的な星形城塞はハルトフォート以外に存在せず、それも未だ改装中の中途半端な状態だ。砲戦ゴーレムにしてもそのコンセプトは『大砲と刻令術、王国の拙い技術を組み合わせて、どうにか戦力化できるものを』というのが始まりだった。
「駐退復座器や後装式施条砲の構造は理解できても、それを大量生産できるだけの工業力が今の王国にはない…… 全てを一足飛びには達成できない。ここは我慢の為所です」
 それをコクピットで聞きながら、クオンはポツリと呟いた。
「『戦車のない世界での砲撃戦』、か……」
 クオンにも、砲戦ゴーレムについて幾つかアイデアはある。が、ここでヒントを与えても実用化は無理そうなので、今後の技術的発展に期待している。
 航空機もなく、機械化もされていないクリムゾンウェストでの『砲撃戦』は、現代リアルブルー人から見ると歪に見えてしまう。それは、本来、化石燃料のないこの世界に、青世界の技術の知識や概念だけが急速に流入してしまった──その影響が如実に表れているからかもしれない。
 そんなクオンの思考をよそに、機外では観智とジョアンの会話は続いている。
「……まあ、実戦から学ぶことも多いですか。良きにつれ、悪しきにつれ、ですが。今は無事に乗り切ることを最優先に……でしょうね」
 助かります、と告げるジョアンに手を振って、観智は自分の機体──魔導型デュミナス(射撃戦仕様機)へと戻った。HMDを装着し、スティックとペダルを動かして待機状態から機を起こし。アサルトライフルを手にゴーレムの傍に立ち、いつでも動けるように警護する。
(確かにデータ取りは重要だけれど…… それだって、砲戦ゴーレムやその操縦者が無事なのが大前提だからね)
 幾度目かの砲声が鳴る。
 砲撃の弾着は、確実に目標に近づきつつあった。


 繰り返される砲撃の手順。それをあざ笑うかのように直進を続けるヒツジと羊の群れ──
 だが、遂に。彼らの努力は結実する。再び宙を切り裂いて飛翔した砲弾は…… 大型ヒツジの傍ら、随伴する人型羊たちの只中に飛び込み、轟音と共に炸裂した。
 巻き上がる砂塵とスチールウール。何が起こったのかも分からず砕け散った羊の角や手足が千切れ飛び、大型ヒツジの周囲にいた羊たちが蜘蛛の子を散らす様にワッと離れる。
「ようやく命中が期待できるところまで来たな…… いよいよ本格的な砲撃を加えるぞ!」
 歓声を上げる作業員たちに、ロニが珍しく拳を突き上げ、その熱き内心を発露する。
「A組、引き続き炸裂弾。B組、粘着弾装填。済み次第、効力射始め。撃ち捲れー!」
 メイムの声に応じて、ゴーレムたちから立て続けに砲撃が放たれた。
 それまでが嘘の様に砲弾は次々と大型ヒツジの周囲へ落ち始めた。炸裂弾が身を揺らし、粘着弾が自慢の『羽毛』をべちょりと濡らしていく…… その光景を「ほー」と感心しながら眺めていたヒースは、だが、分散した人型羊たちの一部がこちらに向かって来るのに気づいた。ぴゅんぴゅんと宙を切り裂く音── 幾組かは角にパチンコを張り、魔力を込めた礫で長距離射撃を仕掛けて来る。
「ちっ。気づかれたぁ」
 一旦、距離を取って離れようとするも、人型羊たちも四つ足で駆け、包囲する様に追い縋る。中には羊の背に乗りながら、パチンコ射撃を継続してくる者までいた。
 ヒースはアーベントに停止を命じ、相棒から飛び降りた。羊どもは数が多い。手分けして当たらないとすぐにタコ殴りにされてしまう。
「狼刀を主軸に、牙も交えた近接戦重視で戦う事。安易に跳びかかって足を止める様なことは……」
 言い切る前に、黒狼はツイと顔を背けた。そんな事はわかっているとでも言うように。
「……そうだった。んじゃ、任せるよぉ」
 ヒースは刀を抜き放つと、相棒から離れて前に出た。猛り狂って迎え撃たんとする羊へ右手に隠し持っていた手裏剣を投擲し。不意の一撃に慌てて体勢を崩したところへ肉薄。踏み込みつつ斬り下ろす……

「ヒースからの情報が途絶えた」
 イレーヌからの報告に、メイムは『ファミリアアイ』を使って上空の桜型妖精の視界を借りた。アリスは必死に上へ上へと羽ばたいていた。あんまり高くは飛べていないが、一応、鳥瞰的視点で戦場を見下ろすことは出来る。うん、後でご褒美を上げないと。
 情報を得た瞬間、斜面を駆け下りていくイレーヌ。メイムはアリスの視界を使って弾着修正を引き継ぐ。
「円弾装填! 大型ヒツジ本体を叩くぞ!」
 好機と判断したロニが、通常弾による集中攻撃を決断する。
 その大型ヒツジは多数の粘着弾の直撃を受け、ポマードを塗ったくられた様にべちゃべちゃになっていた。自慢の巻き毛を台無しにされて怒り心頭、全力でこちらへ向かって来るのを、直掩に残った人型羊たちが必死に追っている。
 瞬間、大型ヒツジの目がぐりんと回り。真っ赤な怪光線が丘の上へと放たれた。
「っ!」
 大地を照らす赤き閃光── 直後、何かが砕ける様な破壊音が鳴り響き…… そちらを振り仰いだロニが慌てて側方へと飛び転がった。直後に地面に落ち来る岩塊── 赤い怪光線に左腕部を引き千切られたゴーレムA1が、轟音と共に後ろへ倒れ込む。
「彼我の間に煙幕弾を撃て! 急げ! 照準はある程度適当でも構わない!」
 舞い上がる砂塵の中、叫ぶロニ。メイムは装填動作を中止し弾を捨てると、急ぎ煙幕弾を装填、発射する。
「目からビーム!? 羊と言えばふわふわなんだから、癒し系として生きてて欲しい所なんだぞ、と!」
 急ぎ魔導アーマーを前に出しつつ、アルトが悪態を飛ばす。……うん。そのセリフを黒大公べリアルの前で直接言えたら、きっと王女殿下から勲章が貰える(嘘
「随時、煙幕を展張。煙の壁を絶やすでないぞ! ……撤収の方法とタイミングはメイム殿に任せる。煙の壁を抜けて来たやつらにはキャニスター弾でも喰らわせてやれい」
 メグはメイムにそう言い残すと、自らも愛機『ハリケーン・バウ』へと駆け寄った。──彼女が個人資産の全てを注ぎ込み、購入・改修した魔導型ドミニオン。装甲、足回り(と生活スペース)を中心に強化が図られており、どっしりとした安定感のある足回りは最早、元の外観を留めていない。
「これより遅滞戦闘を行うのである! 前に出るぞ、アルト!」
「実験はここまで、ってことだな! なんかしらんが了解した!」
 チェーンガンを手にドシンドシンと斜面を下り始める『ハリケーン・バウ』。アルトもまた『埴輪1号』の両手にアイアンボール──鉄球鎖をぐるんぐるんぶん回しながら(誰か知人の影響ですか?)、ガッシャンガッシャンと跳ねる様に、優速を活かして先行する。
 メイムはA組の砲撃体勢を解除すると、段階的撤収をさせ始めた。腕の破壊されたA1はエレンが操作した。マニュアル操作で手早く落ちた左腕を右手で拾い上げ、急ぎ後方へと走らせる。
 メイムはB組とその場に残った。先に後退したA班が支援砲撃の態勢を整えるまで、味方を支えなければならぬ。
「メグ機とアルト機が前進するよ! 援護の煙幕弾発射! 味方が敵に取り付いたら粘着弾装填。A班による炸裂弾砲撃後に追随して砲撃! その後、あたしたちも撤収するよー!」
 ロニもまたその場に残った。ゴーレムが撤収を終えるまで、殿として残る為だ。黄金の柄を持つ大鎌をブゥンと振るい、丘の西端へと立つ聖導士── その姿に、作業員たちはどれだけ励まされたことだろう。
 背後で砲声が鳴る── ロニは丘の西端から戦場全体を見渡した。
 眼下に広がる草原に、幾筋も棚引く煙幕の煙──その煙に阻まれ、丘の上から大型ヒツジの姿は見えなかった。時々、煙と煙の間に、前進して来る人型羊の姿が見えた。その辺りに大型ヒツジがいるとすれば…… 敵は既に丘の麓にまで到達したことになる。
「できれば乱戦は避けたいところだけど…… 多数の人型羊に押し寄せられ、捌き切れなくなるようなら、範囲攻撃の使用も視野に入れとかないといけないね」
 その為には、杖を手に機体から降りなきゃならないけれど── 魔導型デュミナスをゴーレムの直衛につけつつ、観智が傍らのクオンに告げる。
 クオンもまた『Phobos』に大太刀『鬼霧雨』を引き抜かせると、ゴーレムたちを守る様に陣取り、丘の上から戦場を見渡した。
「私たちが最終防衛線を担います」
 スピーカーをONにして、クオンがロニやメイムに告げた。
「まあ、他の味方がいるので、敵がここまで来れるとは限りませんけどね」

「まさか狼が羊の群れに囲まれるとはねぇ」
 数に任せた羊たちに再び中央へと押し戻されて──相棒と共にすっかり包囲されたヒースはそう皮肉気に呟いた。
「ボクが牽制、お前がとどめ。まだやれるだろ、アーベント」
 当然と言いたげに泰然と佇む相棒の姿にヒースは笑みを浮かべ、共に駆けだすべく得物を構え── 実行に移す前に包囲網の一角が崩れた。
 彼らの背後から立て続けに撃ち込まれる黒き影の魔弾── 空いた包囲網の隙間に捻じ込むように突入して来たその人影がパチンと指を鳴らした瞬間、見えざる波動によって周囲の羊たちが仰け反り、膝をつく。
 現れた人影は…… 20歳くらいの、腰まで長い髪を伸ばした女性だった。なぜか無理矢理子供服でも着せられたような、ぱっつんぱっつんの格好をしている。
「誰だぁ!?」
「……ああ、この格好だと気づかんか。私だ。イレーヌだ」
「は?」
「覚醒するとこうなる」
 ……まあ、ハンターならそういうこともあるだろう。珍しいことではない。
「来てくれたのか」
「私だけではないがな」
 イレーヌが指差す先で、羊たちがドカンと宙を舞う。両手に鉄球鎖を振り回した幌付きの魔導アーマーが、集まった羊たちの群れにじゃらじゃらと得物を叩きつけながら、背後から突入したのだ。
「あー、誰か埴輪型ゴーレムとか作ってくれないかねぇ!」
 逃げ散る羊たちを追いかけ回しながら、アルト。露出した操縦席、パチンコの銃撃に身を屈めながら、一通り包囲を崩しつつ大型ヒツジへ進路を取る。
 それに後続して来たミグは散逸する羊たちには目もくれず、煙の合間に見える大型ヒツジの頭部にスラスターライフルの銃口を振り向け、側方から銃撃を開始した。曳光弾の火線が伸び、銃弾が角に当たって跳弾する。ギロリ、とヒツジがこちらを見た。喰らってはやばいヤツが来る、と直感し、ミグは機体を倒れる様に横へ傾ける。
 赤色──
 視界を染めたそれが『ハリケーン・バウ』の傍らの大地へ一直線に傷を刻む。第二射目は来なかった。『埴輪1号』が全力移動で羊の内懐へ飛び込んだからだ。
「あのふわふわの毛……打撃緩和とかだったら嫌だけど」
 操縦席で呟きながら、鎖付き鉄球を投げつける。案の定というべきか、鉄球はぽよんとスチールウールに弾かれた。
「はいはい、予想通りでしたー! いやいや、まだまだやりようは……!」
 例えば、脚。或いは、毛がべったり張り付いた箇所。そこなら攻撃も通るかも、と試しに突っ込むアルトの前で…… 巨大な大型ヒツジが更に大きく──二本足で立ち上がった。
 睥睨する羊の巨大さに、一瞬、我を忘れるアルトとミグ。ヒツジが殴り掛かろうと大きく蹄を振り上げて…… 途端、バランスを崩して、背中から倒れ込む。
「……は?」
 呆気に取られるハンターたちの目の前で暫しバタバタ暴れるヒツジ。
 ようやく四足で起き上がった時…… 大型ヒツジはべちゃべちゃで土塗れになっていた。
 それでやる気をなくしたのか、しゅんとする大型ヒツジ。ハンターたちを放置して踵を返すと、そのまま海の方へと帰っていった。


 一時的にではあるが、上陸して来た大型ヒツジの脅威は去った。
 一行は実験場を後にし、一路、ハルトフォートへ進路を取る。
「試験としてはあれくらいで十分か?」
 エレンやメイムにゴーレムの操作方法を教わるイレーヌの横で、ロニがジョアンに尋ねた。
「十分です。十分すぎます」
 ジョアンは答えた。ヒツジを倒す事はできなかったが、ハンターたちは実験機をフルに使ってくれた。
「ゴーレム…… なかなかに面白い兵器があるものだな。あれだな、『浪漫がある』というやつだ」
 コントローラーを握って嬉しそうに言うイレーヌに、ジョアンが苦笑しながら答えた。
「むしろ、今は浪漫しかない……かも」

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  • クオン・サガラ(ka0018
    人間(蒼)|25才|男性|機導師
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    フォボス
    Phobos(ka0018unit001
    ユニット|CAM
  • 埴輪のハンマー戦士
    アルト・ハーニー(ka0113
    人間(蒼)|25才|男性|闘狩人
  • ユニットアイコン
    ハニワイチゴウ
    埴輪1号(ka0113unit001
    ユニット|魔導アーマー
  • 血濡れの蝙蝠
    ヒース・R・ウォーカー(ka0145
    人間(蒼)|23才|男性|疾影士
  • ユニットアイコン
    アーベント
    アーベント(ka0145unit001
    ユニット|幻獣
  • 謹厳実直
    ロニ・カルディス(ka0551
    ドワーフ|20才|男性|聖導士
  • 古風ロリ
    ミグ・ロマイヤー(ka0665
    ドワーフ|13才|女性|機導師
  • ユニットアイコン
    マドウガタドミニオン
    ハリケーン・バウ(ka0665unit002
    ユニット|CAM
  • 探求者
    天央 観智(ka0896
    人間(蒼)|20才|男性|魔術師
  • ユニットアイコン
    マドウガタデュミナス
    魔導型デュミナス射撃戦仕様(ka0896unit003
    ユニット|CAM
  • 白嶺の慧眼
    イレーヌ(ka1372
    ドワーフ|10才|女性|聖導士
  • 配置指揮者
    メイム(ka2290
    エルフ|15才|女性|霊闘士

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マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン ▼これはプレイング
メイム(ka2290
エルフ|15才|女性|霊闘士(ベルセルク)
最終発言
2016/09/08 17:38:01
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/09/05 21:18:33
アイコン 作戦相談所
ヒース・R・ウォーカー(ka0145
人間(リアルブルー)|23才|男性|疾影士(ストライダー)
最終発言
2016/09/09 08:52:19