台湾 国連専門機関の総会に参加できず 中国の圧力か
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台湾の当局は、民間の航空機に関するルールを定める国連の専門機関の総会に参加できない見通しになったことを明らかにし、台湾では、中国が、この機関に圧力をかけたとの受け止めが広がっています。
台湾は、1971年に国連から脱退したあと、民間の航空機に関するルールを定める国連の専門機関、ICAO=国際民間航空機関のメンバーの資格を失いましたが、3年前の前回の総会では、ゲストとして参加が認められました。
台湾の当局はカナダで今月27日から始まる総会に向けて参加の申請をしていましたが、李大維外交部長は、23日、台北で記者会見し、台湾に招待状が届かず、参加が認められない見通しになったことを明らかにしました。
これについて、蔡英文総統は「強烈な遺憾と不満を表明する」と述べました。また、対中国政策を担当する大陸委員会は声明を発表し、「中国の政治的な干渉だ」として強く反発し、台湾では、蔡政権に「1つの中国」の考え方の受け入れを迫る中国が、ICAOに圧力をかけたとの受け止めが広がっています。
台湾当局は、アメリカなどに対して参加に向けた台湾への支持を呼びかけていましたが、今回の結果は国際社会での活動の場の確保を目指す蔡政権にとって痛手となりそうです。
台湾の当局はカナダで今月27日から始まる総会に向けて参加の申請をしていましたが、李大維外交部長は、23日、台北で記者会見し、台湾に招待状が届かず、参加が認められない見通しになったことを明らかにしました。
これについて、蔡英文総統は「強烈な遺憾と不満を表明する」と述べました。また、対中国政策を担当する大陸委員会は声明を発表し、「中国の政治的な干渉だ」として強く反発し、台湾では、蔡政権に「1つの中国」の考え方の受け入れを迫る中国が、ICAOに圧力をかけたとの受け止めが広がっています。
台湾当局は、アメリカなどに対して参加に向けた台湾への支持を呼びかけていましたが、今回の結果は国際社会での活動の場の確保を目指す蔡政権にとって痛手となりそうです。
中国外務省「台湾に参加する権利ない」
これについて、中国外務省の陸慷報道官は、23日、定例の記者会見で、「国際民間航空機関は国連の専門機関の1つで、主権国家のみ参加できる。台湾は、中国の一部であり、当然、活動に参加する権利は無い」と述べましました。そのうえで、陸報道官は、「かつて、双方が協議して、『1つの中国』の原則に反しない形で、台湾がこうした活動に参加したこともあったが、現在、われわれの立場は明確で、台湾の参加には『1つの中国』の原則を前提とした協議による解決が必要だ」と強調し、蔡英文政権に対する厳しい姿勢を示しました。
官房長官「何らかの形で参加望ましい」
菅官房長官は、午後の記者会見で「第三者間の1つ1つについて政府としてコメントすることは控えたい」と述べた上で、「日本と台湾の間で多数の定期直行便が運航されているのが現実で、国際民間航空の安全で着実な発展を確保するという実務的観点から、台湾が何らかの形で、国際民間航空機関の総会に参加することが現実問題として望ましいと思う」と述べました。