「レールと人生」について話題になっています。
発端はこのブログ。
要旨としては、「大学を中退して起業します。レールに沿った生活が嫌ですし、起業家や経営者がカッコいいと思ったから」といった内容。これに対して様々な方が批判しています。
経営者ってのは、やりたい事業があって目指すもの~
中退せずに卒業するべきだった~
会社員の人生を舐めてるんじゃないか~
etc……
まあ、さんざん批判としては出尽くしているような気もしますが、一応経営者側の意見として、そして「大学院生→ニート→日雇いアルバイター→経営者」という多くの人から見たら"レールを外れた"人生を送っている側の意見として、思うところもあります。
これは彼個人にあてた意見ではありません。、彼が"レールを外れる"ことを否定しませんし、むしろその人生観には共感せずにはいられません。この記事が対象としているのは、この記事を見た"起業家志望の学生たち"に対してです。
あくまでこれからお話するのは一般論ですし、これをもとにどういった判断をするかは結局のところ、個々人の問題だと思いますが、経営者を目指す学生がいれば、参考にしていただければ幸いです。
「大学中退」"レール"を外れて起業するときに考えてほしい一般論
1. 大卒か否かは就活の採否に確実にかかわるので卒業はしたほうがいい
「起業する(個人事業主になる)んだから、雇われるときのことなんて考えなくていいだろう」と思われるかもしれません。確かに、そういう一面もありますが、投資にはリスクヘッジが必要です。
私たち経営者はリスクヘッジを常に取りながら経営をしていきます。リスクヘッジをしない経営は投資ではなく、ギャンブルです。「経営がうまくいかなかったら?」ここにうまく反論できる要素が今の自分にないのであれば、大学中退はやはりリスクであると思います。
経営者は無茶な判断をする人と思われるかもしれませんが、得られるメリットとリスクを判断して、多少は他人よりリスクを取れる人というだけの話です。リスクヘッジは常に頭に置いておきましょう。
2. 学生起業という選択肢はないか?
私自身、学生を卒業してから起業したのですが、同じ事業をやれたのであれば学生時代に起業したほうが明らかに良かったなと思います。その理由は、「学生の運営する企業」というブランドは、社会にとって非常に魅力的だからです。
たとえば、同じ事業でも学生と一般人がクラウドファンディングで資金を募る場合では、学生のほうが圧倒的に集めやすいことが多いですし、メディアにも注目されやすくなります。「学生なのにこんなに頑張っている」と。
もちろん、ジャンルや事業内容によっては「所詮学生が……」と言われる可能性もありますが、そんな風に見てくる人は「そんな年齢で……」と舐めてかかってきます。20代で起業したわたしも同じ経験がありますので、10代で学生をやめたとしても同じ経験をすることでしょう。であれば、学生ブランドは積極的に利用したほうがおすすめです。
3. 休学という選択肢はなかったか?
実は、これが一番検討してほしいことなのですが、大学は中退するよりも休学するほうが圧倒的にメリットが大きいのです。
「どうせ大学に戻る気はないから中退のほうが潔い」と思われるかもしれません。ですが、学生をやめて独立するにせよ、休学以上にメリットのある選択肢はありません。その理由は休学だと、学割が使えるからです。
意外に思われるかもしれませんが、休学中は学割が使えます。新幹線や映画館、ネットサービスなどで無料で学生価格のサービスが使えるのです。これは多大なメリットです。
休学申請を毎年する手間はありますが、大学に入ったぐらいのお金はすぐに学割で取り戻せます。よっぽどの理由がないのであれば、退学よりは休学をおすすめします。
経営者として判断すること
繰り返しになりますが、ここまでのことを踏まえたうえで経営者を志す学生がどう判断するかは個人の自由です。インカムゲインのとれる事業をやるのであれば、確かに学生なんてやらずに早いうちから投資を始めることによって、より大きなリターンを得られることでしょう。
事業内容によっては今すぐやらないと、後発の参入が難しくなることもあります。ブロガーやアフィリエイターなどはまさにそれで、早めに作ったほうがサイトの評価は早まりますし、先に形を作っておきさえすれば、より多くの収益を得られます。
ただ、それを踏まえたうえでやはりリスキーな選択肢であることはやはり意識しておく必要があります。
経営者なんて失敗したら鼻で笑われ、成功したら「楽をして」と妬まれる存在です。結局のところ、信用できるのは自分だけですが、だからこそ自分の選択には常にリスクの存在を意識しておいたほうがいいでしょう。
現在学生で、これから起業しようという方がいれば、十分に自分の選択のメリットとデメリットを考えてみてください。
ただ個人的には、就職だろうと独立だろうと、レールに沿った人生なんてものはありませんし、他人の生き方に敬意を払い、自分の人生に誇りを持つ生き方ができれば自分のひいたレールは常に輝いて見えるものだと私は思っています。
最後に。時間があれば目を通してほしいブログ
最後に、このトピックについて少し目を通したところ、ほかの方にも読んで欲しいなと思った記事やブログをご紹介しておきます。
「レールに沿ってない人生」を歩んだかつての若者たちの二つの事例
アフィリエイトについての誤解はありますが、「若者の金銭感覚で事業を判断すること」について示唆している良記事です。
世の中には「失敗していい人」と「失敗してはダメな人」がいると思うんだ
"失敗した"ことのある私としては非常に共感できる記事でした。経営者として失敗しない人はいません。失敗したときにあなたは何を考えますか?
まあ、でも結局のところは自分がこれらの意見を読んで何を思うかにはなってしまうんですが、経営者として他人の意見に耳を傾けるぐらいの余裕は持っておきたいものですね。
トピック「レール」について