世帯年収800万円で貯金0だったDinks時代
今から遡ること7年前。私と妻がまだ共働きをしていた当時の話です。
わが家の世帯年収は、夫婦合わせて800万円ほど。私たち夫婦は、一般的に貯金ができると言われるDINKs(Double Income No Kids)時期を過ごしていました。
しかし、私たち夫婦は、このDINKs時代に結局貯金を全くすることができなかったのです。本日は、私たちのDINKs時代のお金事情を振り返りながら、そこでの反省点をまとめてみました。
世帯年収が高いDINKs夫婦が陥りやすい2つの落とし穴
子どもも住宅ローンもなく、世帯収入は今より月に15万円近くも多い状況で、本来であれば、将来の子育て費用や家作り費用を見据え、バリバリと貯金をする時期でなければいけません。しかし、残念ながらこの時代に全く貯蓄を増やすことができなかった私たちは、一体なぜお金を貯めることができなかったのでしょうか。その原因を振り返ってみると、私たち夫婦はDINKsだからこそ陥りがちな2つの落とし穴に陥っていたことが分かりました。そこで、まずは私たち夫婦が貯金できなかった「DINKs夫婦の2つの落とし穴」を紹介したいと思います
DINKs夫婦は、衣・食・住にお金が掛かる
共働きをしていると、どうしても衣・食・住にお金を掛けてしまいがちになります。
着るものは、職種に依るかもしれませんが、どうしてもスーツやキリッとした洋服が必要になり、靴や装飾品、化粧品にもお金を掛けていく必要があります。私の妻が務めていた会社も、見栄えや印象が重要とされており、乱れた生活で体型や見た目が変わらぬようエステやマッサージ、スポーツクラブに通っている日々でした。こうした「衣」に関する出費はかなりのものだったと記憶しています。しかし、こうした出費を当時は必要経費と捉えていました。私の妻のケースが特殊なケースなのかは分かりかねますが、働くことで、「見た目」に気とお金を使うことはよくある話だと思います。
また、食費もかなりの額に上っていたと記憶しています。夫婦ともども朝は7時半ごろ家を出発し、仕事が終わる時間は22時を超えることがしばしば。休みは週1回。そんな環境では食事を作る気力が尽きてしまい、コンビニや外食でお腹を満たす日々が続いていました。今ではもちろん手作り料理をしてくれている妻ですが、DINKs当時は妻の手作り料理を食べた記憶があまりありません。私は、このDINKs時代に体重が10kgも増加してしまいました。
最後に、住居費です2人の職場へのアクセスを考え、駅に近い賃貸物件を探しましたが、当然家賃は高額に。それでも「朝のストレスを減らすことは大切だよね。」と意気投合し、身の丈を超えた家賃のアパートに住んでしまったのです。夫婦お互いが大変な思いをして働いているがゆえ、どうしても平等感が大切と考え、どちらかが通勤時間を我慢して遠方に住むという選択をすることができなかったのです。
DINKs夫婦は、お金を貯める目標が見失われがちになる
DINKs時代の私たち夫婦のお金の使い道は、あくまで自分たちが楽しみ、欲を満たすためのものでした。お金がそこそこ入ってくるため、本気になればいつでも貯金はできると思っていましたし、不透明な将来のために我慢して貯金するより、ストレスを発散することで、仕事へのモチベーションを上げていくことのほうが優先されてしまったのです。
私たち夫婦は自分たちの結婚式と新婚旅行にかなりの金額をつぎ込んでしまいました。どうも私たち夫婦は「一生に一度のこと」という言葉に弱いところがあるようです。イベントに向け、これだけ貯めてこういう内容をやろうと、目標を見定め貯蓄(努力)ありきの出費であればいいのですが、これだけ手元にお金があるからこういうこともできると、現状から目標を見出してしまっていました。
このようにDINKs時代の私たち夫婦は、目標を持ち、それに沿った計画立て・実行していくということができていませんでした。計画を立てなくとも、なんとなくやりたいことが実行できてしまっていたのかもしれません。将来よりも目先の問題に終始してしまっていたわけです。
以上2つが、私たち夫婦がDINKs時代に陥ってしまった落とし穴になります。その後待ち受ける子どもたちとの生活、家作りに掛かる費用をタイムマシーンに乗って、当時の私たちに伝えたいのですが、それを聞いたとしても当時の私たち夫婦が考え方を変えたかどうかは怪しいものです。
お金に対する考え方が大きく変わった2つの出来事
そんな私たち夫婦の現状はというと、大きく変化しています。
- 世帯年収800万円 → 600万円に減少
- DINKs夫婦 → 子ども3人・妻は専業主婦
- 貯金0 → 年間貯蓄200万円
まず、子どもが産まれると同時に妻は仕事を辞めました。それにより、収入は私の一馬力になり、世帯年収は300万円程度減少しました。現在の年収は、約600万円まで回復してきましたが、それでもDINKs時代には遠く及びません。それでも、年間200万円ほど貯蓄ができる家計状態になっています。
年収が200万円減っても、貯蓄を大幅に増やすことができた理由はなんだったのでしょうか。浪費DINKs夫婦の私たちがどのようなことがきっかけで、節約に励み、貯蓄を増やせたその後の生活を振り返ってみました。
出来事① 子ども3人の子育てで共働きが困難になった
まず、子どもが産まれることで共働きが困難になりました。子どもが産まれてもすぐに働くという選択肢を取る方もいますが、私の妻は家庭に入ると言う選択をしました。この選択が結果的にわが家には合っていたと考えています。
働くストレスから解放されることで、DINKs夫婦時代の落とし穴に書いたような出費は減っていきました。減らさざるを得なかったという方が正しいのですが、妻にとって子育ては仕事に比べてストレスが少なく、楽しめることだったのだと思います。働いているときより妻の顔が優しくなったように思います。
出来事② 家を建て住宅ローンが発生した
実は、この住宅ローンこそ、わが家の家計を正常な状態に導いてくれた救世主だと思っています。
住宅ローンは通常数千万円単位の借金であり、家計への負担ははかりしれません。家計に負担こそ増やせど、プラスに働くことはないと考えらてています。当然、わが家の家計にも住宅ローンは大きな負担をもたらしたわけですが、それと同時に意識の改革も、もたらしてくれたのです。住宅ローンが発生することで、とてつもない危機感と責任感が生まれ、本気で節約に取り組むことができたのです。この減少は、何もわが家だけではないようです。株式会社アットホームが行った「住宅ローン完済者の実態調査」では、次のようなアンケート結果が紹介されています。
このアンケートから、住宅ローンが家計へプラスの効果をもたらしている割合が40%以上あることが見て取れます。また、仕事へのモチベーションUPにもつながっている方も4人に1人以上いることがわかります。まさに、わが家はこの状態になったわけです。
収入が減り、出費が増えたときこそ家計改善のチャンス
DINKs時代にお金を貯められなかったことを悔やむこともありますが、その失敗があるからこそ今節約ができ、貯金が増えていると感じてもいます。
私たち夫婦にとって、子どもを3人育てながら共働きをし、収入を増やすという考えは今のところありません。たぶんそのストレスにわが家は耐えられないと思います。働きたくても働くことができず、収入が減って初めてお金の使い方を反省することができました。そして、住宅ローンという大型借金は、私たちに意識改革をもたらせてくれました。
DINKs時代に2つの落とし穴にはまっていなければ、こうした考えには至っていなかったかもしれません。それでも、もう少し早い(収入が減らない)段階で目標を見定めることができていれば、それに越したことはありません。今回紹介した私たち夫婦の失敗から、目標を見定めなど学ぶことがある方がいらっしゃれば嬉しいです。