ネタバレ注意!獣医学部出身の記者が生物学的にゴジラを検証してみた
大ヒット中の映画「シン・ゴジラ」。獣医学部出身の記者(34歳、女性)は、生物学の専門用語が矢継ぎ早に飛び出す世界に魅了され3回も観てしまった。ただ、気になることも。生物学的に見てゴジラはありなの?
体長118.5メートルの体を持つ巨大不明生物、ゴジラ。その巨大な体を維持して活動するには膨大なエネルギー源が必要だが、何かを捕食してエネルギー摂取しているシーンはない。
「もしかして、原子力」──。
劇中で市川実日子演じる環境省自然環境局野生生物課課長補佐の尾頭ヒロミがつぶやく。ゴジラは「生体内原子炉」を持ち、熱核エネルギーをエネルギー源として利用して生存しているというのだ。
しかし、だ。体内の原子炉から発生するエネルギーを動力として駆動する鉄腕アトムのようなロボットと違って、ゴジラは生物という設定。生存にはエネルギー源として“有機物”の摂取が不可欠なはず。
いったい、どういうことなのか? いろいろ調べてみると、電気を食べて有機物を作り出す微生物がいることがわかった。もしかしたら……。
この微生物を発見した理化学研究所環境資源科学研究センターの中村龍平チームリーダーに聞いてみた。
「この微生物は電気を直接エネルギー源として利用しています」
中村チームリーダーらは、鉱山などにあり、電気をよく通す岩石付近に住む微生物を調べたところ、植物が光合成するように、電気をエネルギー源として有機物を作り出していることを発見した。
「電気は、光と化学物質に次いで、生物の第3のエネルギー源と言えるでしょう」(中村チームリーダー)
つまり、シン・ゴジラに話を戻すと、原子炉から出るエネルギーでタービンを回して発生した電気を、ゴジラ体内で共生している微生物が活用し有機物を作り出す。それを密かにゴジラが摂取している……という設定ならばありかもしれない。
●「折り紙」の秘密
劇中で重要な働きをするのが「折り紙」だ。
牧悟郎・元教授が遺(のこ)した解析表を折ると、ゴジラに関わる微生物の分子構造が判明し、巨大不明生物特設災害対策本部による、ゴジラを凍結する「ヤシオリ作戦」に導く。
とても複雑な解析表だが、本当に折ることは可能なのか?
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