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パンク救援、最多36万件 セルフGSで点検減り

無料タイヤ点検をする日本自動車タイヤ協会の担当者=福岡県筑紫野市の九州道基山パーキングエリアで2016年9月21日、平川昌範撮影
セルフ式ガソリンスタンド数

 車のタイヤがパンクし、日本自動車連盟(JAF)に救援を求めた件数が昨年度は全国で36万件超に上り、過去最多となったことが分かった。客が自分でガソリンを入れるセルフ式ガソリンスタンド(GS)の増加などから、点検がおろそかになっていることが背景にあるとみられる。死亡事故につながることもあり、業界団体「日本自動車タイヤ協会」(東京)は、警察と連携し啓発運動に取り組んでいる。

 JAFによると、全国でパンクにより救援に出動した件数(二輪車含む)は昨年度、36万1942件に上り、業務を開始した1963年以降で最も多く、10年前の2005年度より約17%増えた。全体の救援件数は10年前の約299万件から昨年度は約233万件に減っており、パンクによる救援が占める割合は05年度の約10%から昨年度は約15%まで増加した。

 JAFは原因の一つとして、セルフ式GSの増加を挙げる。石油情報センター(東京)によると、セルフ式GSは00年ごろから急増し、15年度は9728店で10年前の4956店からほぼ倍増した。JAF広報部は「セルフ式の増加により、専門知識を持ったGSの店員にタイヤの空気圧などを点検してもらう機会が減っているのではないか」と話す。

 JAFによると、タイヤは空気圧が低いと、表面がたわみ路面との摩擦で熱を持ちやすく、破裂に至ることもある。JAFが14年に実施した会員アンケートでは、タイヤ協会が推奨する月に1度の空気圧チェックをしている人は約14%にとどまっていた。

 パンクを原因とした死亡事故は相次いでおり、昨年8月には北九州市門司区の九州道で、パンクのため路肩に止まっていたトラックに別のトラックが衝突し5人が死傷した。今年8月にも福島市の東北道で、パンクで停車中の乗用車にトラックが追突し3人が死傷した。

 国土交通省は毎年9〜10月を自動車点検整備の強化月間とし、ホームページに15項目のチェックシートを掲載している。同省の担当者は「日常的なチェックでパンクを減らしてほしい」と呼びかける。【平川昌範、前谷宏】

九州道、22台中半数で空気圧不足

 業界団体「日本自動車タイヤ協会」の九州支部と福岡県警などは21日、福岡県筑紫野市の九州道下り基山パーキングエリアで、秋の交通安全県民運動に合わせて無料のタイヤ点検を実施した。約1時間半の間に22台中11台で空気圧不足が見つかり、うち2台にはくぎも刺さっていた。

 タイヤにくぎが刺さり、空気圧も下がっていた福岡市の主婦、平井美千代さん(56)は「年2、3回は販売店で見てもらっていたのに……。これからはもっと頻繁に点検したい」と驚いていた。

 同協会が昨年、全国33カ所で実施した無料点検では、305件の整備不良が見つかり、このうち195件は空気圧不足だったという。

国土交通省が推奨する乗用車の日常的な点検項目

(抜粋、同省ホームページより)

・タイヤのたわみや空気圧

・タイヤの亀裂や損傷の有無、溝の深さ

・ブレーキ液、冷却水、エンジンオイルの量

・ランプ類の点灯・点滅

・エンジンの掛かり具合や異音

・ブレーキペダルの踏みしろや利き具合

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