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 中国で浦志強弁護士ら人権派著名人らの弁護を手がけてきた北京の夏霖弁護士(46)に対し、北京市第2中級人民法院(地裁に相当)は22日、詐欺罪で懲役12年、罰金12万元(約180万円)、政治的権利の剝奪(はくだつ)3年とする判決を言い渡した。夏氏側は無実を訴えており、上訴する方針。

 中国では人権派弁護士らに対する摘発や訴追が続いており、人権団体や支援者からは「犯罪摘発を口実とした政治的な弾圧だ」との批判が上がっている。

 夏氏は、民族怨恨(えんこん)などの罪で有罪判決を受けた浦氏のほか、芸術家の艾未未氏ら当局に批判的な活動家らの案件を担当。香港の雨傘運動への支持を表明して拘束された北京のNGO代表の弁護をしていた2014年11月に拘束されていた。

 当局は夏氏が14年、投資などの名目で1千万元(約1億5千万円)余りをだまし取り、とばくに使ったとして起訴。夏氏側は「これまでの弁護活動に対する報復だ」と無実を訴えたが、裁判所は約半分の額について有罪とした。(北京=延与光貞)