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 72年前、日本統治下の台湾に襲来した米軍機と交戦し、撃墜死した一人の零戦乗りがいた。彼は集落への墜落を避けるため、自らの命を二の次に落下傘による脱出を遅らせた。終戦後、「飛虎(ひこ)将軍」として地元でまつられている。崇拝する台湾の人たちの手で神像となって水戸市に里帰りし、22日に県護国神社で顕彰慰霊祭があった。

 この飛行兵は旧日本海軍兵曹長の杉浦茂峰さん(20歳で戦死、のちに少尉)。台湾南西部の台南市安南区には、住民の協力で建てられた「鎮安堂・飛虎将軍廟(びょう)」がある。約150人の地元ボランティアが守り続け、毎日、杉浦さんが好きだったたばこに火を付け、神像に供えているという。その管理団体の一行約30人が神像を携えて来日した。

 慰霊祭では、県護国神社に水戸市の関係者や国会議員らも参列。神像にたばこを供えて神事が行われた。佐藤昭典宮司は「これを契機に両市の交流が深まれば」と語りかけた。

 水戸市は今月15日、杉浦さん…

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