クリントン氏が遊説再開 体調回復をアピール

クリントン氏が遊説再開 体調回復をアピール
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体調不良を訴え遊説を中止していたアメリカ大統領選挙の民主党のクリントン候補が遊説を再開し、体調の回復をアピールして選挙戦を戦い抜く決意を示しました。
民主党のクリントン候補は、11日、アメリカの同時多発テロ事件の追悼式典で体調不良を訴え、その後、遊説を中止していましたが、15日、接戦州の1つ南部ノースカロライナ州で演説し遊説を再開しました。
この中で、クリントン氏は「遊説に復帰するのはすばらしいことだ。数日間の休息は私にとって贈り物のようなもので、選挙戦の意味を再認識することができた」と述べ、体調の回復をアピールしました。
そのうえで、先週、肺炎と診断されながら直ちに公表しなかったことで批判されていることを念頭に、「人々はさまざまなことで私を非難するが、決して諦めず、どんなに困難でも絶対に逃げない」と述べ、選挙戦を戦い抜く決意を示しました。
一方で、共和党のトランプ候補がテレビ番組に出演して医師の診断記録を見せたことに触れ、「私はトランプ氏のようなパフォーマンスだけの人にはならない」などと述べ、批判しました。
大統領選挙の投票日まで50日余りとなる中、クリントン氏としてはみずからの健康問題が選挙戦に影響を与えないよう早期に懸念を払拭(ふっしょく)し、反転攻勢に出たい考えです。

専門家「選挙戦の力学を大きく変えた」

アメリカ大統領選挙に詳しいジョージ・ワシントン大学のノードリンガー教授はNHKのインタビューに対し、民主党のクリントン候補の健康問題について、「選挙戦の力学を大きく変えた。共和党のトランプ候補がクリントン氏を巻き返すのを助けた」と述べました。
また、クリントン氏が先週、肺炎と診断されながら公表していなかったことについて、「アメリカ国民の多くがクリントン氏を信用しておらず、今回の件はクリントン氏が信用できないということを証拠づけた」と指摘しました。
一方で、「トランプ氏はクリントン氏の健康問題を繰り返し攻撃せず、『早く回復することを望む』と言い、品位を示した」と述べました。
そして、「討論会が選挙戦を決定づけるだろう。特に最初の討論会は非常に重要だ。有権者が2人を並べて比べる機会になる」と指摘し、次の焦点は今月26日に開かれる討論会になるという見方を示しました。