地震:不安広がる慶州、心臓薬の売り上げが10倍に

 慶尚北道慶州市で21日午前0時59分にマグニチュード(M)2.1、午前3時36分にM2.9、午前11時53分にM3.5の余震が発生するなど、一日に余震が6回発生した。同市でM5.8の最初の地震が発生してからの十日間で、余震は合計412回観測されている。その内訳はM1.5-M3.0が 395回、M3.0-M4.0が 15回、M4.0-M5.0が2回だ。

 慶州市では21日の余震による被害はないものと見ているが、「上下に小さな揺れを感じた。地震なのか」と電話で問い合わせてきた人が多かったという。地震が頻繁に発生するようになり、小さな揺れにもひどく驚いて精神科で治療を受けたり、精神安定剤や睡眠薬を買うため薬局に行ったりする人が増えているという。慶州市内の薬局関係者は「清心丸(心臓に良いとされる漢方方剤)が普段の5-10倍売れている」と言った。

 慶州市民は同市が事実上、特別災害地域に決まったのをおおむね歓迎しているようだ。同市内に住むチャン・ヨンヘさん(54)=女性=は「地震が続いていてノイローゼになりそうなほどだが、それでも乗り越えなければ。大統領がきのう(20日)被災地を訪れ、政府も復旧費用のほとんどを支援してくれると言ったので、気持ちがかなり楽になった」と語った。

 特別災害地域に指定されると、政府が被害復旧費に国費を追加支援できるため自治体の負担が減る。また、行政自治部(省に相当)は21日、慶州市に特別交付税20億ウォン(約1億8000万円)を支援することにした。そのうち10億ウォン(約9000万円)は伝統的な韓国式家屋「韓屋」の密集地域「皇南歴史文化美観地区」内の公共施設改修や歩道などの整備事業に優先的に投入する。残りの10億ウォンは余震に対する不安から急減している観光客を呼び戻すため仏国寺近くの進入路整備事業に使われる予定だ。

 一連の地震によりこれまでに世界遺産区域内の文化財62件中14件が被害を受けたことが分かっている。国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産に登録された「慶州歴史地区」と「石窟庵と仏国寺」内にある文化財の一部も被害を受けた。文化財庁と慶州市によると、21日現在で同市の世界遺産内にある文化財62件のうち国宝5件、宝物1件、史跡7件など計14件(22.6%)に地震による被害があったことが分かった。慶州市の世界文化遺産内にある指定文化財の4件に1件が被害を受けた計算になる。

慶州=クォン・グァンスン記者
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