本作は、『エンド・オブ・ホワイトハウス』の続編。
SPが大統領を守る話で、かなり好きだった。
敵が中東絡みではなく、東アジアの某国だったのも新鮮だった。
そんな私が観た『エンド・オブ・キングダム』、予告漫画を描くならこんな感じ。
いうまでもなく、メインストーリーとはまったく関係なし。
『エンド・オブ・キングダム』実況風感想/バカにさせてよ!
全四幕構成でお伝えする。
本作は全98分と短い。好感度高し。
第一幕:物語の舞台セッティング
フィリピンでテロ。
悪名高い武器商人がバックにいた模様。
わっかりやすい敵の配置、好きだぜ!
米軍が空爆し、武器商人死亡。
あれっ、終わり?
*
二年後。
主人公のSPとアメリカ大統領がいっしょにランニング。
前作につづいて仲良し。
SP、じつは退職を考えている。
子供が生まれそうなので、落ち着いた生活を望んでいるのだ。
実行に移そうとしたら事件が! って流れかな?
ピンチで、「おれは絶対に家に帰る! 帰ってパパになるんだ!」的な展開があると予想。
いや、警備対象のために命をかけるのがSPだから、大統領に、「おまえは絶対に帰れ、帰ってパパになれ!」って盛り上がる展開か。
*
イギリス首相が他界したとの報が入る。病気。
じつは病気じゃないはず。
葬儀という名の大イベントを控え、イギリス政府は警護上、いっぱいいっぱいに。
大統領、葬儀に行ったロンドンで大パニック! って物語だね。
今作の正式タイトルは『London has fallen』だし。
第二幕:ロンドン崩壊
大統領も到着し、首相の葬儀が始まろうとしている。
世界の要人が集まるということで、ものものしい雰囲気。
一方の私は、嵐の予感に、わくわく。
前作はホワイトハウスが陥落したが、今回はどんな被害が?
*
それぞれの国の首脳の動向が描写される。
やたらのんびりしてる。緊迫展開への前振りだ。
日本の首相もいる。名は、ツトム・ナクシマ。
ナクシマ? 変な名前。
漢字で書いたら「亡島」かな、縁起悪いね。あんた、死ぬわよ!
彼だけでなく、世界のトップがつぎつぎ死亡する予感にわくわく!(不謹慎)
おっ、爆発&銃撃戦始まった!
イギリスの警備関係者に、大量の敵が潜伏してたのだ!
マジか、いまどきそんな設定アリか!? 大味な物語と理解。序盤で提示されるなら、それはそれでアリ派です。
なんだか蚊帳の外のナクシマ首相。笑
と思ったら! 橋が爆破されて水の中に。泳げない私にとって、一番いやな死に方……。
*
見たことのある風景が、つぎつぎに崩壊。
これほどの規模の同時多発テロのシーンを観るのは初めてかも。映像的に、テンションが上がるねえ。
ほのぼのしてた各国の首脳、前振りどおり、アメリカ以外全員死亡。
このテロの目的が、アメリカの大統領を殺す、だったら、アメリカさん、大迷惑だぜ。
*
二年前に死んだはずの武器商人、生きてた!
ああ、死んだのは家族で、目的は復讐、なのか。わかりやすい物語、ありがたい。
*
ロンドンの崩壊が進む。
ヘリで逃げてるSP&大統領、孤立無援状態か。わかりやすい、ありがたい。
SPも大統領もけっこうなマッチョで無敵感があるので、そばにいる秘書っぽい女性にかろうじてのリアリティ。彼女をしっかり守ってくださいね。
飛行シーン好きとしては、あがるシークエンス。前作もそうだった。
搭乗ヘリ、撃墜される。
でも生きてます~ん♪
ああああああ! 秘書さんは死んだ……。死亡フラグ、あったといえばあったけど、う~ん、大切な存在だったんだけどな。
*
追跡部隊のバイク軍団登場!
走って逃げるSP&大統領。ランニングしててよかったね!
*
武器商人、アメリカ政府に、「大統領を渡せば攻撃はやめるけど~?」と宣告。
副大統領「しねえよ!」
副大統領を演じるのは、モーガン・フリーマン。アメリカ映画界には、「モーガン・フリーマンを配置しておけば、作品のクオリティが高く見えるでしょ?」っていう幻想がある気がしてならない。
その効果、近年、急速に薄まってますよ!
*
SP&大統領、都会でサバイバル状態。
なぜだろう、ゾンビ映画のような雰囲気を感じる……。
つーかバイク軍団から走って逃げられたのね、恐るべし、ランニング効果。
なんだか、「ヤンチャなSP」と「世間知らずな大統領」ってコンビ性が感じられるようになってきた。
今作が前作と違って、舞台が野外、かつ国外、って点がいかされていくのかも。
*
一息つく二人。
大統領「私のせいで大変なことに……」
SP「いいえ、あいつらのせいです!」
私「…………」
大統領「もしものときは、私を引き渡すことなく――」
私「はい、ヤります!」
*
首相の病死は他殺だったと判明。ですよね。
ロンドンに空襲警報、庶民は非難。
ひとけがまったくなくなったロンドン。う、動きが早い!
第三幕:状況の整理
SP&大統領、唯一信じられる、MI-6のねぐらに到着。
デルタ部隊が来てくれることに。
敵の復讐対象者は、二年前の空爆を承認したG8加盟国らしい。
アメリカの単独責任じゃなくてよかったね。
主導したのはアメリカだろうけど! 日本のナクシマ首相は、ただのイエスマンだったと思うよ……。
*
ねぐらに敵が急襲!
SP、がんばって倒す。←語彙が!
大統領の運転で大使館に向かう二人。
ナイスな運転でバカ笑いする二人、……につっこんでくるトラック。
緩急のフリが露骨だよ! まるでコントだ。
そして大統領が、つかまった……。流れが、雑!
入れ違いで特殊部隊が到着。
部隊長「大統領救出は任せてください」
SP「俺は行く! お前らはついてこい」
部隊「は~い♪」
うん、主人公だもんね!
第四幕:救出作戦
大統領の処刑が全世界に生中継されようとしている。今風の展開。
救出に向かうSPに濃厚な、無敵感。
なんだか懐かしいノリ。この映画のタイトル、『沈黙のキングダム』だっけ? セガールと違って主人公はめっちゃ多弁だけど。
*
テロリスト、ニコ生(っぽいの)開始!
「今日の生主は、アメリカ大統領だよ♪」
*
処刑寸前、SP現る!
活躍が生中継されることに。
べたべただけど、いいんじゃないですか?
*
主人公によって爆破されるビル。静かに目を閉じる敵。
「敵にも事情があります」的な設定にしている結果、ぜんぜんスカッとしない。キャラや演出はスカッとさせる系なのに。わかりやすい敵は作りにくい時代なのかな。
*
SP無事に帰宅、生まれた赤ちゃんと出会う。
退職は、やっぱりしな~い。
ハッピーエンド!(アメリカだけ)
感想まとめ
身体も脳も、非常にマッチョな作品。アメリカの自己肯定感がすごい。
一方の私は、頭をからっぽにして楽しもう、な気分でいたいのに、頭をからっぽにさせてもらえなかった。
本記事のタイトル「バカにさせてよ!」は、この映画をバカにさせて、という意味ではなく、「私をもっとバカでいさせてほしかった」という意味。
ここまで主人公にもアメリカ政府にも「自分が120%正しい!」と胸を張られると、鼻白んでしまう。
だったら「敵にも事情がある」設定は小さくしてほしかった。
主人公がやたら残酷なやり方で敵を倒すけど、敵がぜんぜん憎たらしくないので、感情移入しづらかった。
サイト「Yahoo!映画」の採点は現在、3.53 点(満点は5.00 票数432)
賛否分かれる感じに、納得。
続編への期待
第三作『エンド・オブ・○○』の可能性は十分にあるだろう。
やるなら、観る。要望としては、「もっと私をバカでいさせて!」である。
タイトルは、『エンド・オブ・ザ・ワールド』かな。ベタな感じほど、このシリーズにふさわしい。
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