アメリカ9月の利上げは見送り
9月21日に実施された米連邦公開市場委員会(FOMC)において、金利を据え置きする(利上げは見送る)ことが決定されました。
大方の予想は「利上げ見送り」でしたので、想定どおりの結果と言えます。
ただ、委員会での票決は、7対3で、3票もの反対票(利上げ意見)が出たのは異例とのこと、識者の中には「米連邦準備理事会(FRB)内部で、政策をめぐってごたついている」との意見もあります。
なかなか強気の発言
なぜ、今回の利上げを見送ったのか?は、ひとことで言うと、時期尚早。
問題なく利上げできるほどの状況にまだ達していない、というのが理由です。
これは、見ようによっては自分たちの力不足を認めることになるわけです。
それを払拭しようとしていたのでしょうか、会合後の記者発表でのイエレンFRB議長の発言は、強気なものでした。
いわく、
- 経済の伸びは強まっている
- 景気の過熱を抑え、インフレ急にすすまないような利上げが必要
- 利上げの根拠は強まっている
- 当初想定を若干上回る経済の成長余地がある
などなど。
これだけ聞けば、利上げを決定して、その理由を説明しているように聞こえます。
ところが、
「FRBの目標達成に向けた進展の継続を示すさらなる証拠が表れることを当面待つこと」
とし、利上げは見送ることにしたという流れになるのです。
強気の説明と矛盾した結論、見ようによっては開き直りとも取れますが、非常に影響力の強い立場だけに、疑念を抱かせるような発言はできないのでしょうね。
一気にドル安が進む
この「利上げ見送り」の発表によって、ドル・円がどうなったか、下のチャート図をご覧ください。
こちらは、直近3ヶ月分です。
支持ラインである100円/ドル近くまで到達しました。
そして、こちらは22日の動き(13:30現在)
日銀の発表をうけて、一瞬、円安に触れたのも束の間、15:30から一気に円高が進みました。
これは、ドルが売られて円が買われていることを示しており、現時点でのターゲットは100円ちょいである、というのが読み取れますね。
*なぜドルが売られるのかは、こちらのエントリーをご参照ください。
アメリカが利上げしたら日本にどんな影響があるかをシンプルにまとめてみた
今後の予想
アメリカの金利
これからどうなるか?ですが、2016年内に4回利上げを行い、合計で1%アップするとの言もありましたので、常識的に考えて、アメリカの金利は「上げる」しか選択肢はありません。
また、急激な利上げは影響が大きいことから、上げ幅は0.25%と見るべきです。
なので、問題は「それがいつ?」ということになるのです。
年内の米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催日程は、11月1~2日、12月13~14日の2回。
このいずれかで、「上げる」と判断されるか、「やっぱり据え置き」となるかです。
いろいろな見立てはあるようですが、大筋では12月の利上げが有力視されています。
方向として、よっぽどのことがない限り、年内には利上げを実施したい、との意向ですが、11月は大統領選挙があるので、動きにくいから、とのこと。
そういえば、昨年も12月に利上げされましたし、ね。
ということで、次回の注目日は12月13~14日です。
為替・日本株
為替や日本株がどうなるか?についてですが・・・、どうなるのでしょうか?(笑)
分かっている人がいれば、是非、教えていただきたいです。
私自身は、際立った動きなしと予想を立てています。
金利は据え置かれたので、従来から変化なしと言えます。
なので、為替は100円程度で推移(と言っても昨年の今ごろは120円前後だったのでずいぶんと円高になっているのです)、国内株は11月までジリ下げで、そこから年末にかけて反転するのではないか、と思っていますが、さて、どうなるやら。
おまけ
21日、日銀は「総括的検証」を行いました。
こちらも、言葉の威勢は良かったですが、遠まわしに「うまくいっていません」と述べられたもので、言い訳モードに聞こえましたね。
マイナス金利が拡大するかも、という憶測がなくなり、また、長期金利に着目するという発表から、銀行株が買われ、それに牽引される形で株高となりましたが・・・、市場が閉じた後、円高が進みました。
日経平均終値は(21日15時)16,807円に対して、日経平均先物の終値(22日03時)は16,490円と、300円ほど下になっています。
このまま23日(金)を迎えると、21日に上げた分を全部、吐き出すことになりますが、どうなることやら・・・。
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では、また。