最近、ツイッターのタイムラインで「副業」という単語を見ることが多くなってきました。
「副業」の定義は難しいのですが、一般的には本業として会社で仕事をして、空いたプライベートの時間で事業を行い、お金を生み出すことを指します。
僕自身は根性がないため、ちゃんとしたウェブサイトの運営とかやったことはないのですが、唯一ブログだけは続けることができました。
ブログを長年続けていると、SEOやウェブの収益化の仕組みについて学ぶ機会がけっこうあります。
そうやって「続けていくうちに自然と身に付けた知識」というのは、自分にとっては当たり前になるのですが、初めてウェブに触れる人からすると、何がなんだかよくわからないというのが実情ではないでしょうか。
そんな人のために、僕がなんとなく経験則で身に付けたウェブの雑学をまとめて、共有しようと思いました。
ウェブで何かを始めようとする皆様のヒントになればいいなと考えています。
世界はGoogleが支配している
SEOという言葉を聞いたことがある人は多いと思います。
SEOは「Search Engine Optimization」の略で、ウェブサイトがGoogleの検索結果で上位に来るように、サイトの最適化を施すことを言います。
SEOは地味に奥が深く、SEOを専門に事業を行っている会社もあるくらいです。
最近、婚活BBAことアオイさんがこんなツイートをしていました。
いいか、「デンターネット」で引っかかる「河内小阪駅」「西堤本」の「鈴木歯科」だ…。元々は健康だったのに、ここで健康な歯を適当に削られたせいで顎関節症と首・肩・頭痛を発症し、他の病院で再度噛み合わせを調整するしかなく数十万の損失だ…。検索した人がここに辿り着き、救われることを願う。
— 婚活成功BBAアヲイ (@Bleu_noiseuse) 2016年9月18日
検索して見つけた歯医者に行って、そこの歯医者がひどかったという話ですが、ネットに長く触れている人だと別の点でピンと来るのではないでしょうか?
「あ、この歯医者、SEO対策して検索結果上げてるな」
「この歯医者、口コミ操作して、評価上げてるな」
と。
最近の消費者の行動パターンは、
検索する→(主に検索結果の1ページ目から)情報を見つける→口コミや写真を見る→良さそうだったら行く
というように検索が契機になっています。
つまり、事業者にとっては検索結果の上位に来ること新規顧客取得の生命線になるわけです。
だから良い歯医者だろうと悪徳歯医者だろうと、みんなSEO対策をして、検索順位を上げようとするわけですね。
これはネットでビジネスをする人にとっても同じことで、たとえば「クレジットカード」というキーワードで検索すると、無数のアフィリエイトサイトが出てきます。
昔から「クレジットカード」というキーワードはアフィリエイターの戦場と言われていて、なぜ皆にこのキーワードが愛されているかというと、単価が高いからです。
単価?
単価というのは、サイトでクレジットカードの紹介をして、そのサイト経由でクレジットカードの契約が入った場合、サイト運営者に支払われるお金のことです。
・クレジットカード
・就職・転職系
・FXの口座開設
のサイトは特に単価が高いことで有名です(最近はシャイニング丸の内さんも転職サイトのリンクを貼りましたね笑)
なので、人気キーワードにあやかろうとして、サイトが乱立するわけです。
で、どうやって検索順位を上げるかということですが、正直よくわかりません。
「よくわからない」というのは「確証がない」という意味です。
昔から言われているのは、
- 被リンクが増える(他のサイトからたくさんリンクされる)と順位が上がる
- キーワードをたくさん散りばめると順位が上がる
- 文章を長くすると順位が上がる
- 統一したテーマでサイトを作ると順位が上がる
- たくさん「子サイト」を作って、親サイトにリンクを貼ると順位が上がる
- バズると順位が上がる
- 適切なHTMLタグを設定すると順位が上がる
みたいなものです。
でも実際は
・パンダアップデート
・ペンギンアップデート
と呼ばれるGoogleの検索アルゴリズムの改善に振り回されているのが実情のように見えます。
なので、個人的にはSEOはあまり意識せずとも、
・読者にとって有用な情報を提供する
・読者にとって面白い情報を提供する
という二点だけを真摯に守っていればいいのではないかと思います。
Googleが公式ブログで言っているように、良いサイトを見つけるように頑張るのがGoogleの仕事なので、こっちはいいものを作って待っていればいいわけです。
Google はこれまで 良質なサイトをユーザーに届けること に力を注いできました。その一環として、2011 年には、通称"Panda アップデート"と呼ばれる アルゴリズムの変更を 英語 や その他多くの言語 において実施しています。
Googleはこれまで一貫して、「ユーザーに良い情報を届ける」ことに焦点を当ててきました。
Google の検索結果におけるサイトのランキングを上げるうえで最も大切なことは、情報を豊富にして、コンテンツのテーマを示す関連性の高いキーワードを適切に含めることです。
ただし、ページのランキングを上げる目的で、語数は多くてもオリジナルのコンテンツがほとんどまたはまったくないページを作成して、ユーザーの関心を引こうとするウェブマスターもいます。Google では、無断複製されたページやオリジナルのコンテンツがほとんどなくユーザーにとって価値のないページを表示することでランキングを上げようとするドメインに対して、処置を取ります。
ちなみにちゃんと検索を意識するなら、この記事のタイトルも
「ぼくがインターネットで学んだこと(SEO編)」
なんていう箸にも棒にもかからないタイトルではなく、
「【サイト運営者必見!】検索上位を取得するために絶対必要なSEO対策」
みたいに、
「検索上位」
「SEO」
「対策」
というようなキーワードを散りばめて、クリックされやすいように扇情的なタイトルにすると思います。
ただ余談ですが、僕はコテコテにSEOを意識したタイトルはあまり好みません。
読者にとって不自然なタイトルになるからです。
Googleに愛されるタイトルが、読者に愛されるタイトルになるとは限らないんですよね。
なので、僕はできれば読み手にとってわかりやすいタイトルを付けたいと思っています。
また、ネット界隈では「キーワードをずらす」というテクニックについて言及する人も多いです。
「佐野ひなこ 恋人」だけではなく、「佐野ひなこ 恋人の年収」みたいに、メインキーワードを狙うのではなく、補足的な情報を探す人をターゲットにする手法です。
こんな感じで、世の中には色んなテクニックがあって、ちょっと検索すれば色んなテクニックが見つかります。
それでも大事なのは「木を見て森を見ず」にならないように、テクニックに走りすぎずに、読者にとって有用な情報を提供することに焦点を当てることだと思ってます。
独自ドメインという名の宗教
上の例に挙げた幻のキーワード「クレジットカード」の検索結果で上位に表示されるのが、こちらの「クレジットカードの読みもの」さんのブログです。
http://cards.hateblo.jp/entry/osusume-osusume-card/
「クレジットカード おすすめ」で検索して1番上に出てくるすごいブログなのですが、このブログでは独自ドメインを使用していません。
独自ドメインって何?という話ですが、独自ドメインというのは、自分のサイトだけが使うサイトの住所のことです。
対照的なのは「無料ドメイン」で、たとえばこのブログは以下のURLで表示されますが、「hatenablog.com」という株式会社はてなが持っているドメインに乗っかったURLです。
http://oreno-yuigon.hatenablog.com/
ライブドアブログなどの場合は、「blog.livedoor.jp」がライブドアユーザ全てに共通していて、そのサブディレクトリという形でドメインが割り当てられます。
http://blog.livedoor.jp/kgo_number10/
こういうブログサービスに乗っからずに独自のドメインを推奨する人はけっこういますが、その理由は主に3つあります。
一つ目は、ドメインの評価は歴史と共に蓄積していくからです。
自分が管理できるドメインの評価を蓄積しておけば、ブログサービスが終了した場合もドメインを他に持っていくこともできます。
終了したウェブサービスのドメインが何者かに取られて、高く売買されることもあるくらいです。
長年運用して、Googleに評価されたドメインはそれだけ貴重であるということですね。
二つ目は、同じドメインのサイトは、検索結果に3つまでしか表示されないからです。
blog.livedoor.jpで運営している人はたくさんいますが、たとえば「ツイッターの使い方」について1万人のブロガーが記事を書いたとしても、Googleの検索結果で1ページ分に表示されるのは3つまでと言われています。
(今はその仕様が変更されたという噂もあります)
なので、独自ドメインにしたほうが、検索結果に表示されやすいというメリットもあるわけです。
三つ目は、ブログサービスの終了に振り回されづらいためです。
運営会社が倒産したとしても、ブログ記事をエクスポートして、他ブログに移管すれば、URLを変更することなく同じブログを提供することができます。
そういうメリットがあって、独自ドメイン愛好者は多いです。
デメリットは、そのサイト自体が元々持っているGoogleの評価に乗っかることができないため、イチからGoogleの評価を積み重ねていくのが面倒くさいということと、年間1,000円くらいお金がかかるということでしょうか。
ちなみに昔、はてなブログで運営してきたブログを途中から独自ドメインに変更したことがあるのですが、Googleの評価はあんまり変わりません。
Googleは昔ほど、被リンクを重視しなくなっているのかもしれないし、ちゃんとリダイレクトを評価してくれているのかもしれません。
このブログを独自ドメインに変更する予定は今のところないです。
バズと検索とページビュー
さて、ウェブサイトを運営する上でページビューについては避けて通れない問題です。
ページビューとはすなわち、サイトのアクセス数のことで、それはサイトの運用成果に直結するからです。
サイトへの流入にはいろいろな経路がありますが、主に
・SNS経由
・検索経由
に分けることができます。
SNS経由の流入が増えるのはいわゆる「バズる」という現象が起こった場合です。
ちょっと前に記事が炎上してボコボコに叩かれたのですが、はてなブックマーク(通称はてブ)で炎上すると5万~10万PVくらいにアクセスが跳ね上がります。
また、はてブははてブでも、「暮らし」カテゴリに入ったときの流入が特に多いです。
が、ビジネスにフォーカスしたい場合は、SNSのバズは狙わず、Googleを意識した方がいいと思います。
その理由は3つあります。
一つ目は、検索経由でサイトに来る人は目的がはっきりしていることです。
たとえばアフィリエイトサイトを運営する場合。
SNSで見かけてそのサイトを訪れた人よりも、何か目的があって検索して辿り着いた人の方が、紹介されている商品を買う確率は高くなります。
二つ目は、検索経由で叩く人はいないことです。
慣れるとあんまり気にならなくなるんですが、SNSでバズったときは叩かれることもけっこうあります。
リアルの世界ではなかなか味わえない辛辣なコメントを投げられ、知らない人に馬鹿だのアホだの言われるのはけっこう堪えます。
Google Analyticsの同時アクセス数が500を超え、1分単位で悪口を書かれる経験は、バズったことがないとなかなかわからないかもしれませんが、これは別に人生で一度も味わう必要のないものだと思います。
三つ目は、検索経由の方が安定した流入があることです。
SNSのバズは一時的にアクセスは増えますが、長くても5日間くらいで沈静化して、アクセスは通常に戻ります。
ですが、検索経由での流入はかなり安定していて、一度検索上位に入るとかなりの長い期間、一定数以上の流入が期待できます。
余談ですが、特に流入数が多いのは「芸能系」と「ニュースのまとめ」です。
朝のめざましテレビで話題になったような内容を3ヶ月くらいまとめ続けるだけで、たぶんこのサイトのページビューは余裕で超えると思います。
これはほぼ確信を持って言えることで、
テレビで見る→検索
の流れは鉄板です。
世の中のまとめサイトやニュースサイトなんかは皆、テレビを叩きながらもテレビにべったり癒着しています。
テレビでオリンピックが話題ならオリンピックの話をまとめ、ドラマが話題ならドラマの話をまとめます。
なぜかというと、ものすごい検索流入が入るからです。
昔ばびろんまつこさんが逮捕されたとき、「キラキラ女子」がネットで話題になったのですが、そのときはなぜかこのサイトが「キラキラ女子」検索の上位に表示されていたため、20万アクセスくらいの流入がありました。
まぁ、テレビは美味しいとよく言われているのですが、僕自身がそういうまとめサイトを作らないのは、単に面白くないことを追いかけるのが苦痛だからです。少しやってみたけど心が折れました。
自分の好きなことを書いていたほうが面白いんだもん。
面白くないと思って作った記事を、読者に見せるのは失礼だしなーと思って。
でも、本気でネットビジネスを考えている人は、テレビにべったりくっついて、検索流入を狙うのがいいと思います。
ヘイトではなく愛を集めること
@cook_hideyoshi 匿名ブログなら、炎上したほうがオイシイのでは??
— 匿名社長 (@tokumei_shacho) 2016年9月9日
炎上系ブロガーと呼ばれる人は、世論に逆張りして、炎上してPVを稼ぐ人のことを指します。
上に書いたように、炎上するとページビューがドカンと増えて、美味しいと思う人もたしかにいると思うのですが、僕個人としては、あんまりヘイトを集めて露出を稼ぐのは好みません。
何回でも書きますが、
・読者にとって有用なことを提供する
・読者にとって面白いことを提供する
のが一番大事であって、ヘイトや怒りを集めることは自分の軸に沿っていないためです。
見る人が不愉快にならないように、時間を使って見る価値があったと思ってもらいたいんですよね。
たまに失敗しますけど。。
というわけで、炎上は僕にとってはあまりオイシくはないです。
どっちかというと、辛いことの方が多い。
金より大事なものは信用
金を稼ぐことを極端に嫌う人をネットでは「嫌儲」と言います。
僕の意見としては、お金儲けは否定されるべきものではないと思っています。
お金をモチベーションにして、世の中の良いサービスが開発されているという事実があるからです。
しかし、金が第一と思う人があまりにも増えた結果、検索結果が中身の薄いペラサイトで汚染されているという現実もあります。
ネット広告や検索エンジンは、Googleひとり勝ちがずっと続くと思っていたが、最近は、ロボットが作った大量のクソサイトにAdSenseが付いていたり、SEO業者との戦いが熾烈で、検索エンジンの精度もしょぼくなってきて、盤石ではないかもしれない、と思いはじめた。
— Kazuki Fujisawa (@kazu_fujisawa) 2016年6月12日
Googleのサーチエンジンはコピペキュレーションサイトで、ほぼ死んでいるし、SNSの検索も、もう大量のボットで汚染されている。その結果、どうなったかというと、もともと知名度のあるアカウントがさらにひとり勝ちするようになった。
— Kazuki Fujisawa (@kazu_fujisawa) 2016年9月20日
おいGoogle!もっと頑張れ!
お金を稼ぐことは全然悪いことではありません。
でも、お金が第一の目的になるとだんだんとサービスが歪んできます。
「歪む」というのは読者から目線が外れるということです。
どんなビジネスでも、お客さんを喜ばせることを中心に考えていれば他のものは後からついてくると信じているので、サイトを作る場合でも、読者を喜ばせることを中心に考えたいですね。
指針はシンプルに
あんまり役に立たない情報なんですが、最後は僕自身がブログを運営していく上での指針について。
正直言うと、昔はブログを通じて「自分が情報発信できるメディアを作ろう」みたいな、意識高いことを考えたこともありますが、今はそういうのは全然ないです。
指針とするのは2つだけ。
・面白そうな情報を発信すること
・役に立ちそうな情報を発信すること
これだけ守って、読んだ人が喜んでくれたらそれでいい。
時々、役に立つと思って発信したら叩かれることもあるけど(笑)
このブログは、誰かに喜んでもらう何かを、僕自身の手で生み出すための一つの手段なんです。