【ニューヨーク=酒井恒平】訪米中の安倍晋三首相は19日午前(日本時間同日夜)、ニューヨーク市内での対日投資セミナーであいさつした。環太平洋経済連携協定(TPP)が日本の成長の起爆剤だと強調し、米国に国内手続きを早く進めるよう促した。専門的な知識や技能を持つ外国人材の永住許可条件を緩和する考えを明らかにした。
首相は26日召集の臨時国会で「TPP承認案・関連法案の成立を図る」と明言。「日米ができるだけ早く国内承認を得て早期に発効させる。この成否は世界の自由貿易体制を左右する」と強調した。そのうえで「日本は全力で取り組む。米国も同じだと信じている」と米国に促した。
外国人材に関しては「プロフェッショナルとして日本に滞在している外国人は直近3年間で2割増加している。こうした動きを加速する」と強調。具体策として「世界最速級の『日本版高度外国人材グリーンカード』を創設する」と述べた。
日本では、高度な外国人材は通常10年の在留期間が必要な永住許可も5年で済む。政府の未来投資会議ではさらなる制度緩和を検討している。
首相は「アベノミクスにより投資環境は確実に改善した」と強調。研究開発拠点や販売拠点としてアジアで最も関心を寄せられているとした。