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「島空ける」住民に不安 八丈・伊豆大島で東京地裁調査

2008年10月16日

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写真アシタバなどの農産物が並ぶ伊豆大島の直売所で、島民の声を聞く東京地裁の裁判官=9日、河原田写す

 東京・霞が関にある東京地裁から遠く離れた島の人が裁判員を務めるにはどんな対応が必要なのかを探ろうと、地裁の裁判官が八丈島と伊豆大島に出向き、地元の企業などで宿泊や交通などの負担について聞き取りをした。「島の裁判所に行くのではなく、東京に行くのか」「宿泊先は裁判所で探してもらえるのか」……。東京地裁として初めての取り組みに島民からはこんな質問が相次いだ。

 14、15の両日に裁判官3人が訪ねた八丈島。「とにかく夏場は避けて欲しい」と家族とダイビングショップを営む山本貴嗣さん(34)。島では、観光やアシタバなどの特産物の栽培農家が多く、かき入れ時に「島を空ける」ことへの不安の声は少なくない。

 伊豆大島で、5千坪のアシタバ畑を2人で管理している増山賀子さん(49)は「最盛期に毎日新しい芽を摘み続けないと商品にならない。1、2泊ぐらいなら行けなくはないですが……」と話した。

 東京地裁によると、八丈島では29人、伊豆大島では30人が来年の裁判員候補者に選ばれる。裁判が3日間の予定でも前後泊も含めると最低5日間は島を空ける必要があるという。伊豆大島を訪問した安藤範樹裁判官は「率直な意見が聞けた。これから何をすればいいか検討していきたい」。(河原田慎一、向井宏樹)

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