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日本銀行の金融調節を知るためのQ&A

作成: 2000年 9月
一部改訂: 2006年 1月

日本銀行が金融政策を行っていることはご存知だと思いますが、それがどのようなものか具体的にイメージするのはなかなか難しいのではないでしょうか。
金融政策には、いくつかの手段があり、その主なものは、「金融調節」による市場金利水準のコントロールです。そうであれば、金融政策を知るには、金融調節を知る必要がありそうですね。
そこで、次のような質問・疑問(Question)を取り上げました。

目次

金融調節総論Q&A

Q1. 金融政策と金融調節は、どう違うのですか?

金融政策は、日本銀行が、物価の安定を実現することを通じ、日本経済の健全な発展に資することをその目的として行う政策全体を言います。金融調節は、金融政策を実行するための手段の一つです。

Q2. 金融調節とは何をするのですか?

金利水準を一定の目標に沿うように誘導するため、短期金融市場で資金量を調整します。

金利関連Q&A

Q3. 金融調節では、具体的には何の金利を誘導するのですか?

短期金利のうち、無担保コール・オーバーナイト物(もの)の金利が誘導のターゲットです。

Q4. 無担保コール・オーバーナイト物って何ですか?

金融機関が当日の資金過不足を調整するために行う、当日から翌日に掛けての1日間の資金の貸し借りです。

Q5. 何故、オーバーナイト物の金利をターゲットにするのですか?

短期金利の中でも最短期(1日)物であるオーバーナイト物は、より長い期間の金利が市場で形成される際の基準となる、大変重要な金利であるうえに、中央銀行が、市場の資金総量を増減させることによって誘導できる度合いが、より長い期間の金利に比べて高いからです。

Q6. 長期金利は誘導しないのですか?

長期金利の形成は、資金の需要量と供給量のバランスだけでなく、将来のインフレ率に対する市場参加者の予想や将来の不確実性等によって大きく左右されるため、オーバーナイト物金利のように資金量を調節して誘導することは容易ではないのです。むしろ、長期金利の形成は市場メカニズムに任せて、そこから市場参加者の予想等に関する情報を読み取れるようにすることが、とても重要なのです。

資金関連Q&A

Q7. 金融調節によって、市場金利をどうやって誘導するのですか?

公開市場操作(オペレーション)等により市場における資金の総量を増減させて、市場の資金過不足を調整し、資金の需要量と供給量のバランスを変えて誘導します。

Q8. どこの市場の資金過不足を調整するのですか?

短期金融市場です。

Q9. 市場の資金は、具体的にどういうかたちで存在しているのですか?

企業が資金を持つ場合、普通は銀行に預金として持っています。同じように、金融市場を構成する民間金融機関等は、日本銀行に預金(当座預金)を持っています。この当座預金残高の総額が、「市場に存在する資金の総量」です。

Q10. 何故、民間金融機関は、日銀当座預金を保有するのですか?

民間金融機関は、(1)金融機関相互間や、日銀、国との間の資金決済、(2)準備預金の積み上げ、(3)預金者への銀行券による支払、に備える目的で日銀に当座預金口座を開設し、資金を預け入れています。

Q11. どのような要因で日銀当座預金残高は変動するのですか?

(1)預金者による金融機関との間の銀行券の預入れ・引出しと、(2)政府と民間部門との間の財政資金の受払いの2つの要因です。

Q12. 市場の資金過不足とは何ですか?

(1)銀行券と (2)財政資金の2つの要因により、民間金融機関の日銀当座預金の総量が変動する結果、資金需要に対して日銀当座預金の総量が多い状況を「資金余剰」、少ない状況を「資金不足」、両方を総称して「資金過不足」と言います。

その他のQ&A

Q13. 金融調節の1日の流れはどうなっているのですか?

解説一覧

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