米FRB 政策金利据え置き 追加利上げ見送り

米FRB 政策金利据え置き 追加利上げ見送り
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アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は、21日まで開いた金融政策を決める会合で、政策金利を現状のまま据え置くことを決め、去年12月以来となる追加の利上げを見送りました。ただ、FRBの内部では、年内に追加の利上げを行うことが中心的な見方となっていて、雇用や物価の動向を踏まえ金利の引き上げの可能性を検討する見通しです。
FRBは21日まで2日間、金融政策を決める会合を開き、終了後、発表した声明で、アメリカ経済は成長が加速しているものの、企業の設備投資が低調になっているうえ、緩やかな上昇にとどまっている物価の動向などを見極める必要があると指摘しました。
このためFRBは、政策金利を現状の0.25%から0.5%の範囲で据え置くことを決め、去年12月以来となる追加の利上げを賛成多数で見送りました。利上げの見送りはこれで6回連続です。
ただFRBは利上げに向けた根拠は強まっているとしており、年内に追加の利上げを行うことが中心的な見方となっています。

イエレン議長は、会合のあと記者会見し「ほとんどの参加者がことし1回の利上げが適切だと見ている。私も今の労働市場の改善が続いて、新たなリスクがなければそう考えている」と述べ、雇用や物価の動向をふまえ、年内に追加の利上げを行う可能性を示しました。

一方で、日本やヨーロッパでは金融緩和策が続いていることから、FRBとしては、利上げに伴うドル高が進んだ場合輸出関連企業の業績や資金流出を懸念する新興国の経済にどう影響するかを見極める必要があり、難しい判断を迫られることになります。