【シリコンバレー=兼松雄一郎】英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)は21日、米アップルがF1チームのオーナーとして知られる英マクラーレン・テクノロジー・グループと買収や出資に向け交渉していると報じた。初期段階の交渉が数カ月前に始まったという。アップルは新規事業として自動車への参入を模索しているが、開発は難航している。これを打開する選択肢として、他社の買収も検討していた。
マクラーレンはF1で培った技術を生かした高級スポーツカーで知られる。車体に使う炭素繊維複合材やアルミニウムなどで優れた軽量化技術を持っている。同社の企業価値は1300億~2千億円程度とみられる。
アップルはスマートフォンなど業績をけん引してきた携帯端末の市場が成熟し、成長が止まっている。次の事業の柱として自動車分野に照準を合わせており、自動運転などの技術開発も進めている。ただ、生産設備を持たないアップルが参入するためには、自動車メーカーや部品メーカーなどとなんらかの形での連携が必要になる。