「ら抜き言葉」使う人、多数派です
「見れた」「出れる」など 若い世代ほど使う割合が高く
文化庁が21日発表した2015年度「国語に関する世論調査」では、「見れる」など文法的に誤りとされる「ら抜き言葉」を使う人が1995年度の調査開始以来、初めて多数派になる例が出た。
「今年は初日の出が見られた」という例文では、「見れた」を使う人の割合が48.4%で、「見られた」の44.6%を上回った。「早く出られる?」という疑問文も、「出れる」(45.1%)が「出られる」(44.3%)より多かった。また、若い世代ほど「ら抜き」を使う割合が高かった。
文化庁は「『ら』を入れると受動か可能かが分かりにくいが、『初日の出が見れた』と言えばすぐに可能の表現と理解できることから、『ら抜き』が広まっているのではないか」と推測する。
「明日は休まさせていただきます」など、文法的に誤りとされる「さ」を入れる言い方についても聞いた。「休ませていただきます」と正しい使い方をする人は79.6%だが、「休まさせていただきます」も16.8%。「今日はこれで帰らせてください」という例文では、本来の「帰らせてください」が80.3%を占めたが、「帰らさせてください」も16.9%いた。
「日本語を大切にしているか」を聞いた質問で「大切にしている」と答えた人ほど「さ」を入れる割合が高かった。文化庁は「余計な『さ』を入れる表現は改まった場面で出やすいとされる。より丁寧に表現しようとして使ってしまうのだろう」としている。【佐々木洋】