韓国の災害予報・警報を信じられない人々は、外国の業者が提供するスマートフォン(スマホ)向け地震速報アプリを利用している。特に、日本気象庁のデータを利用して地震の発生情報を伝えるアプリ「ゆれくるコール」を使う人が急増した。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)でこのアプリを知ったというパク・チョルミンさん(22)は「日本語しかなくて不便だが、韓国の国民安全処よりも情報が速いようなのでダウンロードした」と話している。
今年起きた大きな地震は全て慶尚道一帯に集中しているが、恐怖は全国に広がっている。遠く離れたソウルなどの首都圏でも感じたほど、揺れが強かったためだ。特に19日の地震の威力は野球放送を通じて全国に生中継された。生後3カ月ほどの子どもを育てるソウル在住の女性(30)は「19日は揺れを感じるとすぐに子どもを背負い、はだしで1階まで駆け下りた。避難用バッグも準備しており、当分の間は抱っこひもで子どもを抱いて寝るつもりだ」と話している。
日ごろから災害や非常事態などに入念な備えをしている、いわゆる「プレッパー(=備える人)」も増えている。プレッパーたちは普段から非常用ロープや浄水剤といった生存に必要な道具を持ち歩くなど、常に災害を念頭に置いて行動している。韓国では2011年の東日本大震災後からプレッパーが徐々に現れ始めた。
プレッパーが集まる防災関連のオンラインコミュニティーでは12日の地震後、1日に数十件の書き込みが投稿されている。「生存キットや避難用バッグの作り方」「地震の対処方法」などに関する質問と回答が多くを占めており、「政府やメディアを信じるな」といった書き込みも目に付く。
西江大学のチョン・サンジン教授(社会学科)は「昨年のMERS(中東呼吸器症候群)流行時や今回の地震発生時に、おびえている国民に正確な情報を提供すべき政府は自らの役割を果たせなかった」と指摘。「自分の身は自分で守る」という姿勢は、地震に対する恐怖と政府への不信感が相まって生まれたものだと述べた。