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6月前の面接、企業6割弱が開始 オワハラ相談4割

文科省調査 「抜け駆け」採用の横行実態が浮かぶ

 来春入社する大学生らの就職・採用活動で、大企業の56.7%、中小企業の57.7%が面接などの採用選考活動を6月より前に始めていたことが文部科学省の調査(速報値)で分かった。

     政府は昨年12月以降、大企業や中小企業が加盟する経済団体や業界団体に「(会社説明会などの)広報活動は3月1日以降」「採用選考活動は6月1日以降」に開始するよう要請。経団連も同じ内容の指針を加盟企業に示していたが、優秀な人材を求めて「抜け駆け」が横行している実態が浮かんだ。

     調査は8月、全国の企業2500社を対象に実施し、1144社(回答率45.8%)から回答を得た。

     面接などを始めた時期は、大企業は6月が39.2%で最も多く、4月(24.1%)、3月(16.3%)の順。中小企業は4月(27.0%)▽6月(24.2%)▽5月(16.4%)−−と続いた。

     会社説明会の開始時期は、大企業は3月(76.1%)が最も多く、中小企業は3月(54.3%)、4月以降(21.1%)の順。

     内々定を出し始めた時期は、大企業は6月が51.1%で最も多く、6月より前に出した企業も35.6%にのぼった。中小企業は6月(29.1%)▽7月以降(28.7%)▽5月(21.5%)−−の順。

     全ての国公私立大学と短大計1125校に聞いた調査(有効回答1005校、回答率89.4%)でも、文系学生が就職活動をした大企業の56.7%、理系学生が就職活動をした大企業の49.6%が6月より前に採用選考活動を始めていた。

     企業から内々定を出す代わりに他社への就職活動をやめるよう強要される「就活終われハラスメント(通称・オワハラ)」などの嫌がらせに関する相談を受けた大学は40.0%に上った。

     文科省は「売り手市場で企業側は優秀な人材をいち早く獲得したいという意識が強かったとみられる。採用スケジュールは強制的なルールではないが、多くの学生が混乱したとの回答もあり、なるべく守ってもらえるように働きかけたい」としている。【佐々木洋】

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