わかりづらさが増した? 日銀の新たな措置に金融業界は
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日銀が、長期金利が0%程度で推移するようにする金融緩和策の新たな措置を決めたことについて、金融業界からは評価する声が上がる一方、「さらにわかりづらさが増したような印象を受けた」とか、「国債市場の流動性が極端に落ち証券会社は収益機会を失う」といった懸念の声も聞かれました。
東京・千代田区の三井住友信託銀行のディーリングルームでは、外国為替のディーラーやアナリストたちが、日銀の金融政策決定会合の結果を見守っていました。午後1時すぎに会合の結果が伝わると、「金融政策の枠組み変更」と大きな声が上がり、ディーラーたちが内容の確認や顧客からの問い合わせに追われていました。
為替市場の分析などを行う瀬良礼子マーケット・ストラテジストは、会合の結果について、「わかりやすさが信条だった黒田総裁の異次元緩和が、少しずつわかりにくくなっていたが、今回、さらにわかりづらさが増したような印象を受けた。いろいろな手段を使わなければ金融緩和を続けられないと、日銀が追い詰められているようにも感じる」と話していました。また、日銀が長期金利が0%程度で推移するよう国債の買い入れを行う措置を導入することについて、「マイナス金利の導入で年金や保険が運用しづらくなるなど心理的にあまりよい影響が無かったので修正をかけてきた」と話していました。
為替市場の分析などを行う瀬良礼子マーケット・ストラテジストは、会合の結果について、「わかりやすさが信条だった黒田総裁の異次元緩和が、少しずつわかりにくくなっていたが、今回、さらにわかりづらさが増したような印象を受けた。いろいろな手段を使わなければ金融緩和を続けられないと、日銀が追い詰められているようにも感じる」と話していました。また、日銀が長期金利が0%程度で推移するよう国債の買い入れを行う措置を導入することについて、「マイナス金利の導入で年金や保険が運用しづらくなるなど心理的にあまりよい影響が無かったので修正をかけてきた」と話していました。
銀行のディーリングルーム「さらにわかりづらさが増した」
東京・千代田区の三井住友信託銀行のディーリングルームでは、外国為替のディーラーやアナリストたちが、日銀の金融政策決定会合の結果を見守っていました。午後1時すぎに会合の結果が伝わると、「金融政策の枠組み変更」と大きな声が上がり、ディーラーたちが内容の確認や顧客からの問い合わせに追われていました。
為替市場の分析などを行う瀬良礼子マーケット・ストラテジストは、会合の結果について、「わかりやすさが信条だった黒田総裁の異次元緩和が、少しずつわかりにくくなっていたが、今回、さらにわかりづらさが増したような印象を受けた。いろいろな手段を使わなければ金融緩和を続けられないと、日銀が追い詰められているようにも感じる」と話していました。また、日銀が長期金利が0%程度で推移するよう国債の買い入れを行う措置を導入することについて、「マイナス金利の導入で年金や保険が運用しづらくなるなど心理的にあまりよい影響が無かったので修正をかけてきた」と話していました。
為替市場の分析などを行う瀬良礼子マーケット・ストラテジストは、会合の結果について、「わかりやすさが信条だった黒田総裁の異次元緩和が、少しずつわかりにくくなっていたが、今回、さらにわかりづらさが増したような印象を受けた。いろいろな手段を使わなければ金融緩和を続けられないと、日銀が追い詰められているようにも感じる」と話していました。また、日銀が長期金利が0%程度で推移するよう国債の買い入れを行う措置を導入することについて、「マイナス金利の導入で年金や保険が運用しづらくなるなど心理的にあまりよい影響が無かったので修正をかけてきた」と話していました。
専門家「長期戦に耐えられるようにした変更評価」
金融市場などの調査を専門とする調査会社「東短リサーチ」の加藤出チーフエコノミストは「日銀は2%の物価上昇率を早期に達成するために緩和を繰り返してきたが、人々が物価が上昇すると考えるいわゆる『インフレ期待』は高まらず、短期決戦型の戦略には行き詰まり感が出ていた。低金利が長期化すれば金融機関にも弊害が出るため、長期戦に耐えられるようにした今回の枠組み変更は評価できる」と述べました。
そのうえで、「大規模緩和という金融政策だけで、2%の物価目標を達成することは難しいということをにじませた結果でもあり、今後、緩和効果を増すには政府の成長戦略が必要だ」と指摘しました。
また、日銀の新たな措置による暮らしへの影響については「住宅ローンなどの金利が上がれば、購入意欲が減退するリスクにつながる可能性もあるが、日銀は、長期金利が0%を上回る場合には国債を買い入れると言っているため、金利がどんどん上がっていくとは思わない」と述べ、影響は限定的だと述べました。
そのうえで、「大規模緩和という金融政策だけで、2%の物価目標を達成することは難しいということをにじませた結果でもあり、今後、緩和効果を増すには政府の成長戦略が必要だ」と指摘しました。
また、日銀の新たな措置による暮らしへの影響については「住宅ローンなどの金利が上がれば、購入意欲が減退するリスクにつながる可能性もあるが、日銀は、長期金利が0%を上回る場合には国債を買い入れると言っているため、金利がどんどん上がっていくとは思わない」と述べ、影響は限定的だと述べました。
日証協「市場との対話促進 大いに評価」
日本証券業協会の稲野和利会長は21日の記者会見で、「長期・短期金利の操作方針を明示することで、市場との対話を促進していこうという姿勢は大いに評価できる」と述べました。一方で、日銀の債券市場への影響が強まることについては、「日銀が長期短期金利を決めることが未来永ごうであれば、マーケット機能が働かない」と述べる一方で、「時限的なものであればしかたがないのではないか」と理解を示しました。
債券担当「官製相場ともいえる状況 流動性低下も」
大和証券 金融市場調査部の山本徹チーフストラテジストは「今の金融緩和策がこのまま長期化すれば、国債の買い入れ額が限界を迎える懸念があるため、長期化にも耐えうるいわば“持久走”に向いた政策として新たな枠組みを設定した」と話しています。
一方で日銀が長期金利の目標を定めることについては、「官製相場ともいえる状況だ。満期まで10年の長期国債の利回りが0%に固定されれば、トレーディングで収益を稼ぐことができなくなって国債市場の流動性が極端に落ち証券会社にとっては収益機会を失うことになる」と指摘しました。
一方で日銀が長期金利の目標を定めることについては、「官製相場ともいえる状況だ。満期まで10年の長期国債の利回りが0%に固定されれば、トレーディングで収益を稼ぐことができなくなって国債市場の流動性が極端に落ち証券会社にとっては収益機会を失うことになる」と指摘しました。
「庶民の生活に反映されるような政策を」
東京・八重洲の証券会社の株価のボードの前では、会社員や個人投資家たちが日銀の発表を受け全面高となった株価を見入っていました。
このうち、60代の主婦の女性は「株価が上がるのはうれしいですが物価が徐々に上がっていて景気がよくなったという実感はあまりありません。もっと庶民の生活に反映されるような政策を期待したいです」と話していました。
素材メーカーに勤める30代の男性は「金融緩和後の円安で会社の業績は良くなりましたが最近の円高が心配です。今回の政策が為替にどのような影響を与えるか注意深く見ていきたいです」と話していました。
60代の個人投資家の男性は「一時的に株価が上がっても、企業がイノベーションを起こしたり、誰もが欲しがるような商品を作らなければ景気の好転にはつながらない。金融政策だけで日本経済をけん引するのはもう限界ではないか」と話していました。
このうち、60代の主婦の女性は「株価が上がるのはうれしいですが物価が徐々に上がっていて景気がよくなったという実感はあまりありません。もっと庶民の生活に反映されるような政策を期待したいです」と話していました。
素材メーカーに勤める30代の男性は「金融緩和後の円安で会社の業績は良くなりましたが最近の円高が心配です。今回の政策が為替にどのような影響を与えるか注意深く見ていきたいです」と話していました。
60代の個人投資家の男性は「一時的に株価が上がっても、企業がイノベーションを起こしたり、誰もが欲しがるような商品を作らなければ景気の好転にはつながらない。金融政策だけで日本経済をけん引するのはもう限界ではないか」と話していました。