英議会 5年前のリビアへの軍事介入厳しく批判

英議会 5年前のリビアへの軍事介入厳しく批判
イギリス議会の外交委員会は、5年前のイギリスのリビアへの軍事介入について、不正確な情報に基づいた判断で、その後、過激派組織IS=イスラミックステートの台頭を許したと指摘する報告書を発表し、キャメロン前首相を厳しく批判しました。
イギリス議会下院の外交委員会は14日、2011年3月にイギリスがフランスなどとともに行ったリビアへの軍事介入についての報告書を発表しました。

報告書は、反政府勢力を弾圧する旧カダフィ政権から市民を守るためとして軍事介入に踏み切った当時のキャメロン政権の判断について、「正確な情報に基づいた洞察に欠けており、特に市民への脅威は誇張され、反政府勢力の中にイスラム過激派が交じっていることも見抜けなかった」と指摘しました。
そのうえで「カダフィ政権崩壊後の戦略もなく、その結果、難民危機や武器の拡散を招きISの台頭を許した」として、その最終的な責任はキャメロン前首相にあると厳しく批判しました。

報告書を受けて外務省の報道官は、「当時はカダフィ大佐がどのような行動をとるか予想できず、国際社会が一致して断固とした対応を取る必要があった」として、軍事介入がイギリス一国の判断ではなかったと釈明したうえで、「イギリスは今後もリビアの暫定政府を支援していく」とコメントしています。